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Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜

ニムル

もしかして死ぬんですか?

 さぁ、終わらない宴を始めよう。

 集めるべき証は8つ。浄化しなくてはならない命は我ら神徒以外の全て。

 神は我らにこう仰った。

 ノアの時代はもう終わると。方舟が必要な、先導者が必要な時代はもう終わるのだと。

 我らの世界は1度壊れ、再編する。

 誕生と死滅を繰り返す、不毛な世界は無くなるのだ。

 ああ、よ。偉大なる我らが神よ。早く、早く早く、迷える我らに、救済の光を!




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 昔、母親が寝る前に話してくれた物語の内容を、今でも覚えている。

 母は昔話や神話が好きで、寝る前の小話はいつもその類のものだった。

 ある日の小話にヨルムンガルドという大蛇が出てきたことがあった。

 恐ろしく巨大なその体で、力で最強と言われていた神様と互角の戦いをしたという、恐ろしい蛇だ。

 当時まだ幼かった俺は、その話を聞いてなかなか眠ることが出来なくなったのを覚えている。

「おい、嘘だろ……?」

 目の前に現れたそれは、多少スケールが小さくとも、かつて母の小話に出てきたそれとまるで同じ姿をしていた。

 暗転した視界。今いるのは、あの大蛇の腹の中なのだということがわかる。

「くそっ、どうやって出れば……」

 普通、このような大型の生き物に丸呑みされた時は、その生き物の胃の中まで空気が来ずに窒息死なんてのがセオリーな気がするのだが、ただ肉の壁に囲まれて監禁されているような感覚で、空気が足りないなんてことは無かった。

 しかし、居心地が悪いのは確かなので、早くこの場所から脱出したい一心で、辺り一面を殴ったり蹴ったりするのだが、全くダメージを受けている様子がない。

 蹴り殴りしている間なんどかステータスが表示されたが、そこにあったのは、ステータスが体に馴染んでいません、という、現状が絶望的だということを示す文字が表示されるだけだった。

「あー、あっづ……」

 動き回ると、空間に熱がこもって頭がくらくらする。体に同調してないというステータスの数値上の力があればどれだけ簡単にこの状況を脱することが出来るだろうかと、机上の空論をあれこれ考え続けることしかできない。

 熱にやられてぼんやりとした思考に変わっていき、少しずつ意識が遠のいていく。

「あぁ、何度もこんなことがあったっけな」

 覚えのない、初めてのことのはずなのに自然と俺の口はそう呟いて、ゆっくりとその場に倒れふした。




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『ぬっ、やつが地上に現れただと? 討滅班は一体何をやっている!』

 館内にバルトラの声が響く。

 東京の秋葉原にて、神性ヨルムンガルドの反応が検知されたのだ。しかも地上で。

「何があったの?」

 状況をいまいち掴めていないシルティスがバルトラに問い掛ける。

『貴様らを先日襲おうとした神性が、今地上の人間を喰らっているらしい』

「あの気持ち悪い感じのやつ、地面から出てきたの!?」

『気持ち悪いことは気持ち悪いが、地面から出てしまえばただの蛇だ。何も驚くことはない』

 驚き気味のシルティスが前のめりでバルトラに問い掛け、バルトラはそれを適当に返した。

『それよりも問題なのは、最初に中に取り込まれた魔力原体が速水映士だった事だ』

「!?」

『ふぅ、こうなってはもう出し惜しみはできんな。かつての私を知るものが戸惑うことがないようにと、わざわざ魔力で変声していたが、そちらに回す魔力が勿体無い』

「あぁ、妙にくぐもってると思ったら魔術だったのね、その声! で? ご主人はどこ!?」

「ん、あー、あー、あああー。よし。うむ、何も不安がることはない。私に任せておけ。体を得て、科学と魔法の双方の叡智を得たこの私が、あの小賢しい悪神の子をうち払って見せようではないか」

「出来るならとっととやって!」

 くぐもった声がはっきりし、少しばかり今までの厳ついものでなく、年相応の落ち着いた声色になったバルトラは、堂々と奴らを倒すという宣言をした。

 エレベーターで地上に上がり、家の入口に所員が停車していた車に乗り込む。

「バルトラ様、どこまで行かれますか? 秋葉原まで入ると我々の所にも子が湧く可能性がありますが」

「多少のリスクは払うべきだ。まず現地に赴こう。なに、現地では先に我々の協力者たちがことを起こしているだろうよ。集まるならそちらに子が集結するさ」

「わかりました。では後の行動は我らも戦闘参加で?」

「いや、お前達は事後の収集を何とかつけられるように政府と掛け合え。報道規制は奴らにはらせれば良い。SNSに上がったデータは全てハックで削除しろ」

「協力者、この間言っていた奴らの事ね」

「そうだ。あまり彼らを邪険に扱うなよ? 何なら貴様に殺されたというやつもいたぞ」

「それだけ弱かったってことよ」

「ふはは、まぁ、それでよかろう。シナリオがどうあれ、彼らの一人一人の実力は、確かに貴様1人にも劣るからな」

「でしょうね、そしてご主人には遠く及ばないわ」

「しかし、それはあちらの世界での話だ」

 意味がわからないと言いたげにバルトラを睨むシルティス。

「今異常が蔓延るこの世界では、彼らの実力は単純な強さで測ることは出来ないのだよ」

 バルトラはそう言うと、足と腕を組んで不敵に笑った。

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