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Lv.1なのにLv.MAXよりステ値が高いのはなんでですか? 〜転移特典のスキルがどれも神引き過ぎた件〜

ニムル

なんかどこかで聞いたことがありませんか?

 バルトラ・アッシャー。

 ある人達にはクソザコナメクジと言った方が覚えがあるかもしれないその人物は、自分のことを最強と奢ったことによってエイジに一撃でポコされた雑魚魔王だ。

 そんな彼がなぜこの世界にいるのだろうか。




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『やれ、一先ずここまで来ればよかろう。ここは、この世界の神性の生き物が近づけぬように結界が貼ってある。この世界での我が城だ。ゆるりとくつろぐが良い』

『城……ま、まぁ、住めば都と言いますから、あなたから見たら城なんでしょうね。というか私神性だけど大丈夫なんですね、いや、決して神性が弱いとかそういうわけじゃないんですよね? この世界の神じゃないからと言うだけですよね?』

 都会の喧騒から離れた、郊外の小高い丘の上に立つ一軒家。表札には『張虎』と書かれており、とんでもない宛時間が滲み出ている。

 見た目20代ほどの男性の姿の彼は、どっしりとリビングのソファに座り、2人にも座るように促した。

「で、バルトラ。私たちをそのあんたの城に連れてきて、何をしたいわけ?」

『貴様らは速水映士をあの世界に返すためにこちらに来たのだろう? 我はそれに協力するために今こうやって生きているのだ』

「は?」

『話せば長くなるが……』

 そこから、バルトラがエイジにやられたあとどうなったか、どうしてこの地球にいるのかという理由が、次々と彼の口から語られていった。




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『我は、あの日、速水映士に殺された。それは確かだ。だが、もとよりゴーストである私には明確な死は訪れないはずだった。永遠に死の世界をさまよい続ける、意思のない亡霊となるはずだったのだ。

 しかし、あの男が我をあの世界から完全に消滅させた。分かるか? この時点で、すべてのシナリオがもう狂っていたということが。

 我は死ぬはずのない種族だ。しかし、霊体だけでは意識を維持できるのは長くてせいぜい1日。物理鑑賞も受け付けないのだ。放っておけば、何も出来ない無害な霊になっていたよ』

「……」

『あの時に切られたことで、我の意識、魂というべきか。それは、とある少年に回収された。少年はノアと名乗っていたよ。片手に木箱を持ち、私にこう言い放った。消えろ、と』

『の、ノア!?』

『それは必死に逃げた。我はもう死にたくなかったし、何よりもう長く持たない身だ。最後くらいは自由にしたかったのさ。逃げる我を追いながら、ノアはこうも言った。魔王紋は、その身からなくなってから本当の使い道ができる。魔王紋は魔神と鬼神を封印している8つの紋章なのだ、と』

「え!?」

『まさか、そんな』

『お勤めご苦労様、と我にそう言うとノアもまた、我を手刀で切り伏せ用としたのだが、何故か我の後にポッカリと空間が開いてな。落ち行く中で、我には我だけの身体が与えられ、人生が与えられた。この城は、我が今までこの世界で暮らしてきた証だ』

「家を持てば一国一城の主って感じかしら」

『大体そのようなものと思ってもらえれば良い』

「でも、それだとあなたが魔術を使えた理由にならないわ。あなたは要するに人間としてこの世界に転生させられたということでしょう?」

『知識があればできる。この世界は、魔法が衰退していただけで無くなっていたわけではなかったからな。そして我はこの世界のある一つの謎に気づいたのだよ』

「なにが?」

『おかしいと思わないかね? 先程の神性。各世界に神性を持つ種族は一つだけのはず。我らがいたあの世界は、魔神と鬼神が封印されていたので例外としても、この世界には軽く100を超える神性が存在している』

『確かに、私もその点に関してはおかしいとは思いました。この世界に来た時に感知した神性は、決してひとつではありませんでしたから』

『そう。この世界では、あらゆる生物が神性を持ち得る可能性がある。私はそれに気づいた時、ひとつの考えが思いついた』

 すうっと息を吸って、慎重な面持ちでバルトラが話し出す。

『この世界の生物たちは、神の細胞を移植されているとな』

『!?』

『現に我にも微力ながら神性を発しているだろう?』

『確かに……』

『地球人は神性を持っている。だからスキルの順応性も高かったんだろう。暮らしてみてわかったことだが、この世界の人間は異常に慣れすぎている。そして、この世界の異常に気づけた人間。それが速水映士なのだよ』

「……」

『我はこの世界で魔術結社を、それこそノアにバレることのないように水面下で作った。ノアの存在を知る、我のような転生者や転移者を探してな』

 突然に立って移動し始めたバルトラに、シルティスとイリアが続く。

 襖を開けたところには地下へと続くエレベーターがあり、3人はそれに乗り込んだ。

 長く地下に降りていき、2分ほどすると急に停止したために、エレベーターに慣れていなかったシルティスとイリアの2人は思い切りバランスを崩して倒れ込んだ。

『さぁ、ここが我々の作った魔術結社。宇宙保全機関・アヴァロンだ』

「アヴァロン?」

『この世界における、楽園という意味だととってもらえればいい。いつか来る魔神と鬼神の災厄のために、奴らに対抗しうる魔術を研究している』

『へぇ』

『しかし、我々だけではどうにもならないことが結果で出てしまった。どうにかするには速水映士の力を借りる他ない』

「……」

『そんな時、新たな神性がこの世界に現れた反応を見つけてな、確認しに行けばやつがこの世界に戻ってきていたというわけだ。しかも、あちらの記憶をすべて失くしてな』

『……』

『そう落胆することはない。失くしたものは取り戻してやればいいのだ。なに、失っただけで無になった訳では無いのだから』

 そう言うと、バルトラは今後の方針を彼女らに話し出すのだった。

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