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暇人001

第5話 訪問者

ガチャー

「よう」

「呼び出して悪いな、まぁ中に入ってくれ」

「おう」


 隼也は威厳のある大男を連れてリビングに戻って来た。

「こいつが俺の言ってた刃だ」

「よろしく」

「よ、よろしくお願いします…」

「そんでこいつは俺の同期でつい先日クビになった、豪山ごうざん けんだ」

 なんだよっ!その如何にも強そうな名前っ!!!

「ははは!名前だけならお前もよく切れそうな名前じゃねぇーかよ! まぁ、これからしばらくは一緒に暮らす仲間になる仲良くしてくれ」

「また人の心を… 拳さんでいいのかな…?」

「あぁ、それで構わない、刃これからよろしくな」

 拳は右手のひらを突き出してそう言った、どうやら握手を求めているようだ。

「よろしく!」

 俺は拳の右手をがっちりと握る。
 その瞬間俺の右手から鳴ってはいけない音が鳴ったた。

「グギァァッっ!!!」

「ガハハハっ!!!」

 拳は雄叫びにも似た笑い声をあげる。
 いやいやいやいや、笑い事じゃないから!絶対骨折してるでしょこれ!

「ちょっと… 隼也助けてっ!!!!」

「んだよ…… ん?もしかして握手したのか?」

「う、うん…」

「あぁ……」

 なんだよそのダメな事したみたいな感じ、やめてくれよ…

「お疲れ、骨折はしてないから安心しろ、ただ後2〜3日はその痛みは消えないから覚悟しとけ」

「な、なんだってっ!? 今日から一緒に協力する仲間なんだよね?!」

「そうだが?」

 拳が口を開く

「そうだが? じゃねぇーよ!仲間になんてことしてくれてんのさっ!」

「ガハハハ!!」

 何故だろうか、非日常、誰もが生き残るために必死ならなければいけないこの状況下に置いてどうしてここまで楽観的でいられるのだろうか?
 そんな事を考えながら真っ赤に腫れ上がった右手を見つめていた。


「拳、刃、明日には此処を出る」

「おう」

「え?なんで??」

「明日ならまだゾンビはこちらの方へは来ない、だが明後日になると少数ではあるがゾンビがウロウロしている状況で逃げなければいけなくなる、どっちがいい?」

 そんなの考えるまでもない、明日だ。

「はい、と言うわけで明日移動だ」

 また人の心を…そのスキルどこで身につけたんだよ…それにしても、どうして今日は安全だと言い切れるんだろう?

「悪いなこのスキルは生まれつきだ、今日は安全というのはこちらへ来ているゾンビを食い止めてくれているある集団がいるからだ」

「集団?」

「あぁ、刃も聞いたことはあるんじゃねぇかな、特殊部隊って奴らだ」

 なるほどなー… 遠くの存在だと思ってたけど今は近いところで俺たちのことを守ってくれているんだな…

「まぁ、そんなカッコいい特殊部隊の皆さん方も明日を境に壊滅するだろうけどな」


コンコンコンーっ


「お、帰ってきたか、結構早かったな」

 俺は隼也と一緒に彼女たちを出迎えてあげる事にした。

ガチャー


「おかえり〜、どうだった?」

 下を向きながら、ずいっと大ぶりのビニール袋を突き出す3人、彼女たちの服装は何処か乱れており美加に関しては涙ぐんでいる。

「これで何日居させてくれるの?」

 美桜が強い口調で隼也にそう問いただした。

「うーん、2日だな」

「「はぁっ?!」」

 納得行かない様な顔を見せた美桜と暁美、美加はまだ涙ぐんで口を開けない様子だった。


「嫌なら、それ持って何処かに行くといい、まぁ他に行ったとしても結局は体を売ることに変わりは無いだろうがな」

 その言葉に怒ったのは美桜だった空いている左手で隼也の頬をビンタしようと大振りに手を振った。
 隼也は美桜の手首を左手でガシッと掴む。

「甘ったれるな、生きたいなら死ぬ気で生きろ」

 現実と言う名の凶器を突きつけられた3人は平等にその場に崩れ落ちた。
 そんな3人を隼也は1人で抱きかかえて館の中に入る。

 3人を1人で抱きかかえる…… やっぱりこいつ化け物だ!

「列記とした人だわ!」

「シンジラレナイ」

「なんで片言なんだよっ! まぁいい、取り敢えず何が入ってるか確認しておいてくれ、俺はコイツらを部屋まで運ぶ」

 何だかんだ、面倒見のいい隼也であった。
 俺は拳と一緒に袋の中身を確認した、中身は水、食料、それからトイレットペーパーに絆創膏や包帯など軽い怪我をした時の治療用道具が入っていた。







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ありがとうございます!
駆け出しの作家ですので至らない点あるかと思いますが頑張っていきますのでどうかよろしくお願いいたします!
 



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