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第1話 序章①
俺の名前は、 三神 刃都内のとある4年生大学を卒業して22歳になり、今年から社会人として働く筈だった者だ。
全ての始まりはアノ1日だったーー
大学を卒業した日、俺はそんな特別な日にも関わらず打ち上げに行くこともなく、帰宅する為だけに足を最寄の駅まで動かしていた。
歩き始めて10分程度すると駅が見えてきた、俺はいつも通り定期を使って改札口を通ろうと財布から定期を出す。
その時、ポケットに入れてあったスマホから着信音が鳴って来た。
液晶画面には荒木 隼也と表示されていた、隼也は幼稚園の時からの付き合いで高校生までは同じ学びを受けた俺の数少ない親友だ。
久しぶりの親友からの電話に少し心を躍らせ、改札口を向いて居た体を180°反転させ駅から遠ざかりながら電話を取った。
「もしもし?」
「なぁ、刃!今日で大学終わったんだろ?」
「あぁ、そうだけど、隼也は何してるの?」
「今俺、お前の大学の近くの駅に向かってるんだけどさ、もし良かったらこれから遊びに行かないか?」
「え?それって神下駅?」
「そーそー!よく分かったな!」
「そりゃだって、俺が毎日通学で使っている駅だからね」
「そうだったのか! で、今何処に居るんだ?」
「神下駅にいるけど?」
「ホントだな」
『ホントだな』を最後に電話は突然切られた。
だが、その直後紛れもなく隼也の声が後ろから聞こえてきた。
「久しぶりー!」
その声に反応し慌てて後ろを振り向くとそこには、大親友隼也が手を振りながら此方へ向かってきていた。
「久しぶりだね! ……なんか変わったね」
前の隼也、といっても最後に見たのは4年も前なのだが、その時は常日頃から動きやすいジャージやスウェットなどを着用していた、見た目もどちらかと言えばヤンチャな方で、顔が整っていた為か女子からは結構モテていた。
しかし、今目の前にいる隼也は……
「俺、スーツとかやっぱ似合わねぇかな?」
「いや、すごく似合ってると思うよ!」
如何にも、デキる男と言ったような服装と髪型、眉毛は程よく整えられており力強さを感じさせる。
「そうか?ありがとう!」
隼也は嬉しそうにそう言った。
「仕事は?」
「あぁ、今日はもう終わったんだよ! それでそーいやお前今日、卒業式だったなーって思って来たわけ」
「そうなんだ! わざわざありがとう」
「いえいえ、どうせ刃のことだから打ち上げとか行かずに帰るんだろなって思ってさ」
「まぁ、そうだけどさ……」
隼也は少し、嘲笑いながらそう言う、隼也の言葉はいつも的を射ている、それは幼稚園から高校生までの生活でほぼ毎日感じでいたことだ。
論理的思考とはまた違った何か、心を読んでいるのでは無いかと錯覚させる何かである。
隼也自体このことに自覚があり、自分で《読心術》と呼んでいる。
「てな訳で俺がそんなぼっち君のためにわざわざ来てやったわけよ!」
 
「ありがとうございます…」
「ほんじゃ、まぁカラオケでも行こーか!」
「おう!」
大学の友達であれば決して行かないだろう。
だが、隼也の場合は別だ、こいつと一緒なら何処にいても楽しいと思わせてくれる。
「カラオケって、何処にあんの?」
「知らないのかよっ!」
「「はははは!!」」
俺と隼也は2人して腹を抱え笑いあった。
この時俺はホッとした、もしかしたら俺の知って居る隼也はもういないんじゃ無いか、もしかしたらただの同情で来てくれただけなんじゃ無いか、そんな不安は笑い共に吹き飛んだ。
「こっちにあるよ!」
「おう!道案内よろしく~!」
カラオケまでの道のりはそう遠く無い、駅から大学に向かう道にある大きな交差点の近くにある。
実際に行ったことはないが見たことはあるため難なく交差点まで来ることができた。
「なんだアレ……」
隼也が遥か上空を指差しながらそう呟く、彼が指す先には大きなヘリコプターが3隻ほどがゆっくりと轟音を立てながら降下して来ている。
「セレモニーか何かかな?」
「いや……よく見てみろよ」
3隻のヘリはガトリングガン等の重火器が備え付けられた軍用ヘリで、そのうちの1隻には何かコンテナの様なものをぶら下げている。
ヘリは建ち並ぶ高層ビルの僅か上空でピタリと降下をやめ、女性の無機質なアナウンスを流し始めた。
『2042年3月14日をもちまして、人類の歴史は終わりを迎えます 本日まで生存された方々誠にお疲れ様でした』
アナウンスが終わったのと同時にぶら下げられていたコンテナは投下された。
これが全ての終わりの始まりである。
暇人001と申します!
駆け出しの作家です(;o;)
初めてこう言うジャンルに挑戦して見ました!
もし良かったら今後も見てやって下さいm(_ _)m
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