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リアフィス

13

学校のある平日はご飯やらお風呂を抜いた時間しかできないので、組合と東の森を往復しながら、日曜に大量消費した野菜などを補充しました。
このゲームは売り切れがあるので、数日に分けての補充です。
塩30個。ローリエ12個。玉ねぎ、キャベツ、ニンジン、馬鈴薯を100個ずつ。
平日は狩りに行きながら買い物で補充。休日は生産しながらマッタリでしょうか。

そして今週の土曜でサービス開始3週間目なので、イベントは来週の土曜日ですね。まあ、私は出ないのでそこはどうでも良いでしょう。妹のテンションが高いですが。
問題はイベントまでのラストスパートとして、敵の強い東の森に人が来た事でしょうか? とは言え、たまーに見かけるぐらいなので特に影響はありません。

現在北と南が今の主力狩場のようで、ボスの攻略もそっちが狙いのようです。
北は鉱山があるので、金属系装備の人達は欲しいでしょう。
南は木材が豊富とかで、弓とか杖の人達が欲しいでしょう。
西は薬草が豊富なので開けたいそうですが、虫系ですからね。見た目の問題もありますが、数が多いので範囲魔法がないと辛いのです。
東は食料なので数少ない料理人――私含め――が開けたいぐらいでしょうか?

気になることと言えば、南の敵が一気に減ったと妹に聞きました。なんでも沢山いたゴブリンを全然見なくなったとかなんとか。
組合には既に知らせてあるらしいですが、何やらイベントですかね?
ゲームなのにイベント以外で敵に消えられても困りますけども。今はさっぱりなようなので様子見してるとか。

東に人が来たのもこれが影響あるのでしょうね。
敵が強くても、さっぱり戦えないよりは良いでしょうから。


それと水曜日にリビングアーマーのアルフレートさんが、エクストラ種族を見つけたようです。
正確にはレア種族なようでして、誰でも条件さえクリアすればそのルートに入れるようですね。
一番最初になったアルフレートさんはエクストラ種族扱いされて、少し他と違う……らしいとの事です。まだ進化できてないので、細かいことは分からないそうです。

ちなみに判定はログに流れたら……という公式からの回答があったため、安心してエクストラ種族の情報を人外掲示板に流しました。
アルフレートさんとほねほねさんは最初から有名でしたので、プレイヤー名で書き込み。情報源として私の名前は出しませんでしたが『姫様から』という事で。

そしたら何やら運営に書き込みを消される人が何人か出てきて、原因は何だと思ったら『姫プレイ』がアウトなようですね。まあ、脳波判定のようですけど。
ここの運営は動くんですよ。と言うか、下手したらスレッドごと消えるのでやめて下さい。結構厳しいんです。
そもそもな話、お姫様プレイは『姫プレイ』とは言いません。あれ全くの別物です。

公開した情報は私達3人のログ部分のSSと、2人はまだなってないので私の種族のSS、後はエクストラ種族とエクストラ装備のヘルプを公開しました。
私の装備効果は当然秘密です。教えませんよこれは。



さて、平日の成果ですが……。

名前:アナスタシア
種族:不死者の王女イモータルプリンセス 女 Lv14
属性:闇
属:高位不死者
科:ロイヤルゾンビ
スキルポイント:48

スキル
《刀剣 Lv23》《防御 Lv20》《受け流し Lv20》《防具 Lv20》
《光魔法 Lv20》《魔法技能 Lv26》
《感知 Lv21》《看破 Lv20》《足捌き Lv24》
《料理 Lv18》《錬金 Lv1》《採取 Lv17》
《目利き Lv16》《解体 Lv13》《鑑定 Lv22》《識別》
控え

種族(モンスター)スキル
《闇魔法 Lv20》《闇のオーラ Lv16》
《物理耐性 Lv18》《物理無効 Lv15》《魔法耐性 Lv5》《HP自動回復 Lv24》
《不死者の王族 Lv4》《王家の権威 Lv1》《高位不死者》
称号
  優雅で静謐なお姫様:他者に与える印象がとても良くなり、警戒もされづらい。


平日のうちにステータスはこうなりました。
スキルポイントが貯まっていますが、これからスキルを上位に上げる時に無くなるでしょう。このままポイントは貯める事にします。

レベルは2個上がって14に。
《刀剣》は20で【アタックスタンス】。
《防御》は20で【ガードスタンス】。
《受け流し》は20で【パリィスタンス】。
《光魔法》と《闇魔法》は15で【ライト(ダーク)エンチャント】で、20で【ライト(ダーク)ランス】。
《魔法技能》は20で【施錠ロック】【解錠アンロック】を覚え、25で【念力サイコキネシス】【遅延発動ディレイスペル】。

アーツがあるのはこのぐらいですね。
スタンス系は切り替え式で、効果中攻撃力上昇・防御力減少。またはその逆。
【パリィスタンス】もパリィ成功率上昇、防御力減少ですね。
エンチャント系はステータスを上昇させる魔法で、属性により上昇ステータスが変わるようです。光が精神、闇が知力です。
施錠ロック】【解錠アンロック】はイメージ通り、魔法による施錠と解錠ですね。
念力サイコキネシス】は知力精神依存で物を触れずに動かす魔法です。動かしている間MP消費で、大きく重いほど消費力が増えると。
遅延発動ディレイスペル】は詠唱が終わってから、不発になるまでの時間が増えるパッシブアーツのようです。

それと、ラビットやウルフの攻撃が遂に《物理無効》の効果範囲に入りました。
むしろやっとかって状態ですが、まあそんなもんですよね。



そして待ちに待った土曜日、休日ですよ。
料理でもしましょうか。
野菜の個数的に100回分の材料があるので、スープ600杯分ですね? 流石に売らないと邪魔ですか……。露店を出すか委託販売かの2択ですね。
露店や店は商業組合に登録が必須。委託販売は登録しなくてもいいけど、登録者よりも多めに手数料が取られる……と。
登録しての委託販売は細かい設定が可能にもなるようで、1日の購入制限なども可能。つまり登録してないと本当にアイテムと値段を設定して出すだけとなる。

商業組合は商人達の集まりで、冒険者組合と同じくランクもある。ランクを上げると優れた商人と言う事で、色々優遇してもらえる。
商売するのに有利な立地条件の場所だったり、必要な人材を紹介してくれたり、困った時に融通してくれたり。
ランクを上げるには貢献度……ぶっちゃけると組合にお金を納めた額。ここで重要なのが……プレイヤー視点からすれば税を納めればいいだけなので、稼ぐ方法は問わない。
つまり、ボア皮をエルツさんに買ってもらい、そのお金を商業組合に入れても良いと。勿論冒険者組合の討伐報酬金を商業組合に入れるのも可。

という事をエルツさんとプリムラさんとの雑談で知りましたが……。
プレイヤーからすれば露店するのに登録が必要な場所。もしくは取引板がある場所で委託販売ができる……ぐらいな扱いだとか。
まあ、そんなもんですよね。

露店は基本的に店番が必要です。店舗になると住人を雇えます。委託販売は商業組合の人が勝手にやってくれるので、登録だけして放置です。
委託販売は戦闘メインの人達が、修理や消耗品の補充に帰ってきたついでに、素材を登録だけしてまた狩りに行きます。行きつけの生産者がいるなら、補充の際にその人に売ったりですね。
露店はお店を出しながら、その場でできる生産職の人がよく使用します。店舗は皆買えるほどお金が無いでしょう。

露店も委託販売もそれぞれメリットとデメリットがありますが、それは状況や人によって変わるので、なんとも言えません。
私は生産するのでエルツさんの所で露店でもしましょうか。すぐに補充ができますし。委託販売は寝る前とか、露店見て回るほど時間ない人用ですかね?
となると、まずは登録に行きましょう。

商業区に指定されているらしい南の大通りにある、馬車と天秤の看板が付けられた大きな建物へと入ります。
少し順番を待ち、受付嬢さんの元で登録を済ませます。
冒険者組合のカードと共通なようで、商業組合の項目が追加されました。

更に受付嬢さんから露店許可証を貰い、露店用のセットも購入します。


[道具] 簡易露店用キット レア:No 品質:C
  商業組合で買える露店を開く際に使用する簡易セット。
[道具] 露店用キット レア:No 品質:C
  商業組合で買える露店を開く際に使用するセット。


2つあるようですが、簡易じゃない方はまだ購入できないようですね……。購入条件に露店回数や売上金額などの制限がかかっているようです。
露店を開いて売れば売るほど豪華にできる仕様ですね。
5000で簡易露店用キットだけ購入。

そして焼き鳥ならぬ兎の串焼きと……1センチステーキを委託販売に出しましょう。串焼きと1センチはメインの売り物ではありませんからね。
えっと……1センチは400。串焼きは前と同じ200で。
串焼きは35個あるので……7000から手数料引かれて6650ですか。
1センチは20個なので……8000から引かれて7600ですね。
受け取り時に引かれるようなので、全部売れてればの話ですけど。

おっと、5万ほど預けておきましょう。
冒険者や商業共通で組合にはお金が預けられます。デスペナ対策でしょうね。死ぬと所持金を半分持っていかれるので、預けないと泣いちゃいます。
組合銀行に入金。

さて、露店でメインの4センチとスープを売りながら、《料理》を上げましょう。



いつもの場所に行ってみると、エルツさんとプリムラさんが露店を出しているのが見えます。

「おはようございます」
「あ、やっほー」
「おう、おはようさん」

いそいそとプリムラさんの横で簡易露店用キットを展開します。
出てくるのは敷物と小さい箱。

「お、露店か」
「やっぱ最初寂しいよねー」

この2個だけですか。確かに寂しいですね。
……移動式屋台のような横と比べると余計に。

「まあ、すぐにこれになるだろ」
「1個上でこれだからねー」
「ああ……それであの値段ですか……」
「いきなり2万は高いよねー」
「条件クリアしてんなら稼いでんだろ? って事だな」

確かに条件クリアしてるなら2万ぐらいは出せるでしょうけどね……。
一度に並べられる種類が増えるぐらいなので、見た目に拘らないなら必須とは言えないんだとか。

さて、4センチステーキは前と同じでいいとして……スープ、どうしましょうか。
満腹度はステーキの方が5高い。でも原材料的には圧倒的にスープの方がかかってる。まあ買う側からすればそこは関係ないので、どうしても満腹度の高いステーキが値段上がりますか。
いやまあ、ステーキの方が儲けは出るのですが……スキルレベル上げにはスープの方がですね……。精神的にもスープの方が楽ですし?
ステーキ600,スープ500ですかねぇ。
素材で一番高いのはお肉ですが、ステーキは兎肉でスープが猪肉ですから……。
料理によって使うお肉を変えるのは当たり前ですが、ちょっと複雑です。
値段差がありすぎるのに、完成品は値段が逆転していると言う……。

「手を加える前と、手を加えた後で価値が変わるのは当たり前の事だ。気持ちは分かるが諦めろ……」
「生産職の宿命」
「スキルレベル上げと、売り物が一致してるだけマシだな」
「うんうん。スキルレベル上げに必要なのに、全く需要がないとか死ねるよねー」
「まあ、このゲームはかなりありがたいけどな。スキルレベル上げるのに作る物指定してこないから、素材レベル気にするだけで済む」
「逆に素材の組み合わせ相性という地味な作業が待ってるけどねー……」
「まあな……。《料理》は……ああ、調理法が経験値に影響するのか?」
「体感的にはそうですね。焼きより煮込みです。煮込みより恐らく蒸しですが」
「そりゃ地味に辛いな」
「煮込んだりする時間は圧倒的に短くなっているので、楽ですけどね。それよりも異世界というか……この世界特有の処理とか、一手間が必要な場合が辛いです。住人のおば様達に聞き込みですね。仲良くしておかないと情報が得られません……」
「主婦の知恵ってやつだね!」

ブラウンボアのスープがまさにそうですからね。
しかし今日はスキルレベル的に、ボアからベアのお肉にしようと思っているんです。
ボアのように処理が必要とか書いてませんでしたが、ベアにもやった方がいい手順があるらしく……ローリエなどの補充に店舗へ寄った際、教えて貰えました。
買う予定の無かった物まで買わされましたが、必要だったので仕方ありません。
商売上手というかなんというか……。そのうち必要になるので別に良いのですが。


[素材] 料理酒 レア:No 品質:C
  一般的に料理に使用されるお酒。
  50回使用可能。


という事で作りましょう。
6人用中サイズ鍋に水を入れ、ローリエと料理酒を投入。
そこへ一口サイズに切った熊肉を投入してから、着火してゆっくり混ぜる……と。
『沸騰する前に灰汁がいっぱい出るだろうから、綺麗に取ること』と言われていましたが、予想以上に出てきて笑えますね。

「おい、なんか鍋混ぜながら笑いだしたぞ」
「魔女かな?」

イーヒッヒッヒ。……声には出しませんよ?
沸騰する前に灰汁を急いで取り、沸騰したらローリエも出して野菜を投入。
後はグツグツしながら味を整え、完成!
さっさと取り分けましょう。


[料理] 具沢山なブラウンベアのスープ レア度:No 品質:B-
  シンプルな塩味のスープ。
  肉がしっかり処理され臭みがなく、肉の旨味が楽しめる。
  満腹度+25
  内包:器、スプーン
  調理者:アナスタシア
  食器類:プリムラ


「おぉ、B-ですよ。現状味ぐらいしか影響分からないのですが……」
「料理で味に影響出るんだから、最重要だろうよ?」
「……ごもっとも」
「満腹度に影響ないの?」
「それが無いんですよね。『具沢山な』とか『贅沢な』と付くと増えてますが……品質が足りないんでしょうか?」
「『具沢山な』とか『贅沢な』って物理的に量多いんだろ? 満腹度に直結するのは容易に分かるが……味じゃ腹は膨れないってか?」
「なるほど。納得ではあるねー」
「……まあ、料理の品質は保留という事で」

さて、売りに出す前に……まず自分で食べないとですね。
料理の値段は満腹度と味でしょう。
……いただきます。

「ふふ……これは予想以上に……うん、ボアのスープより美味しいですね。はー……染み込みますねぇ……私ゾンビですけど」
「ぶはっ! そう言えばゾンビだったな!」
「大丈夫? 漏れてない?」
「大丈夫です、スケさんじゃあるまいし」
「ふはっ……くっくっ……!」
「スケさんはもう滝だよね」

ああ、エルツさんが我慢してたのにゲラゲラ笑い始めましたね。
ほねほねさん……通称スケさんはスケルトンですからね。漏れるも何も、スープ飲んだら滝のように落ちるでしょう。間違いない。

「そう言えば、アルフさんは飲食できるんですかね?」
「リビングアーマーは……無理じゃないかなー? 中身空洞じゃなかった?」
「フルプレートでしたね。足の方に溜まるんでしょうか」
「一気に水流し込んだら隙間からピューピュー出続けるのかな?」
「ふふっ……そうなりそうですね」
「や、やめろお前らっ!」

エルツさんはツボから抜け出せなくなってるようで。

「やあやあ、なんか楽しそうだねー」
「ご本人登場っ!」
「ぶはっ! 死ぬ……死ぬ……!」
「おはようございます。スケさん」
「やあ姫様。エルツどうしたの?」
「ああ、あれはですね――」

せっかくなので今の流れを説明しておきます。

「なるほどね。僕はまあその通りだろうけど、アルフはどうなるんだろうね? そう言えば、姫様食べれはするんだ?」
「はい、味覚もありますし問題無いですよ。空腹システムはありませんが……」
「肉体があるからかな? アルフはまあ、無理そうだねぇ? 水は気になるけど」

ベアのスープは大きく出ましょう。
1個800!
ベアのお肉が組合で結構いい値段するんですよね。

「俺が何か?」
「やあ」
「やあ。何でエルツはゲラゲラ笑ってるんだい?」
「それはね……かくかくしかじか」
「まるまるうまうま」
「……いあいあクトゥルフ」
「姫様それダメなやつ。……で?」

スケさんプリムラさん私と続きましたが、勿論『かくかくしかじか』で通じるはずもなく、ちゃんと説明しました。

「なるほど。試したけど食えなかったなぁ。水は……確かに気になるかな?」
「噴水に入ってみるとか?」
「……それは流石に怒られそうだからねぇ……」
「立像もあるしダメかー」
「割りとガチなお説教くらいそうだから……」
「海に行った時にでも試してみれば?」
「そうしよう。…………錆ないよね?」
「……どーだろ」
「ふぅ……死ぬかと思ったぜ。その鎧、耐久無いんだよな?」
「無い」
「じゃあ大丈夫じゃないか?」
「だと良いけど……錆エフェクトぐらいは出るかな……?」

アルフさんとプリムラさんが話していて、復活したエルツさんが参戦したのを聞きながら、敢えて何の処理もしていない……極普通な鍋の作り方で作ってみました。


[料理] 具沢山なブラウンベアのスープ レア度:No 品質:C-
  シンプルな塩味のスープ。
  ブラウンベアを仕留めた者がありつける、勝利のご馳走。
  満腹度+25
  内包:器、スプーン
  調理者:アナスタシア
  食器類:プリムラ


負けたら喰われる側だからそれはそうだろう……と言うのは無粋ですか。
……いただきます。

ん……んー…………。

「姫様がすっごい渋い顔してる」
「失敗したの?」
「いえ、敢えて教わったやり方ではなく、普通の鍋料理のやり方をした物です。食べますか?」
「たーべるー」

プリムラさんが反応したので、プレゼントしましょう。アルフさんやほねほねさんは食べれませんし。

「どうぞ……返品不可です」
「いただきます……。あー…………エルツも、食べよう?」
「何でそんな2人して渋い顔してるの食わにゃならんのだ……」
「良いから」
「どうぞ……」
「…………あ、あー…………なんだ、この……」
「お肉の旨味と獣臭さが、絶妙に微妙なハーモニー奏でますよね……」
「これで……C-か。堪んねぇな……こう言っちゃなんだが……まっずい」
「ええ、ほんとに。やはり先人の知恵は大人しく聞くべきですね……。さて、ちゃんとしたの作りましょう。あ、こっち成功品です」
「「……うっま!」」
「臭みを取る作業は必須ですね」
「んだな。こりゃ旨いわ」
「これで……800? 安くない?」
「でも満腹度25なんですよね」
「あー……残りは携帯食料で補うしか無いかな?」
「このスープで流し込めば十分だろうな」

定食みたいに複数料理セットで満腹度補えないでしょうかね?
現状は品不足なので試せませんが、後々試してみましょう。
とりあえず今は、灰汁抜き用の料理酒の量などを微調整して、品質高い配分を探さないとですね。システムのメモ機能が料理レシピで埋まりそうですが。


〈《料理》がレベル20になりました。スキルポイントを『1』入手〉
〈《料理》の【再現】【揚げの心得】を取得しました〉


【再現】は……レシピ毎に手順を登録し、その手順で瞬時にアイテムを生成する。
レベル20は生産スキル共通のようですね。これ使うと経験値減るので、スキル上げ中の今は不要です。
揚げ物が解禁されましたが……現状、ベアのお肉が一番高レベル素材なので、このまま作りましょう。

「この香りによる飯テロがなぁ。良い匂いさせやがって……」
「もうすぐお昼だしねー」
「おはよー」
「おう、サルーテか」
「やっほー」

初めて見る方ですね。
白衣の茶髪メガネですか。研究者イメージですかね。

「噂の姫様?」
「おう」
「予想以上に姫様してるね。私はサルーテ。《調合》を上げてるよ。よろしく!」
「アナスタシアです。見ての通り生産は《料理》ですね。よろしくお願いします」

早速露店の準備を始めるサルーテさん。
《調合》とのことで、売り物は今品薄で大変な魔法薬……ポーション類ですね。
出し終わった後に私の露店を見始めました。

「結構いい値段するね……」
「サルーテさんも食べてみなよー。お勧めはベアスープ!」
「一番高いやつじゃん」
「うん、食べれば分かる」
「えらいプッシュするね。食べたの?」
「食べた!」
「ほほう……どれどれ……」

お買上げありがとうございます。
ベアスープは6個中2個売れるだけで材料費を上回るんですよね。ステーキは1個売れるだけでプラスですけど。
満腹度が欲しいなら少し安い4センチステーキを、味を求めるならベアスープをお買い求め下さい。

「あ、これ美味しいわ……。ゲーム内通貨でこれ食べれるなら安いわね……」
「でしょー?」
「何で貴女が誇らしげなのよ……」

サルーテさんの露店は不足しているポーション類なので、非常に人気です。ぞろぞろとプレイヤーが寄ってきます。
サルーテさんがもぐもぐしているのに釣られ、横で売っている私の料理が売れる……と。実に美味しいですね。
まあ、全員が買っていくわけではありませんが、少し売れるだけでも料理は結構黒字になるので十分ですね。

ほねほねさんがやって来たので対応します。

「姫様今日は《料理》ー?」
「そのつもりですよ」
「そっかー。3人で狩りでもどうかと思ったんだけど……」
「なるほど。土日どちらかは生産日にする予定ですからねぇ……」
「生産時間邪魔するのもあれだし、2人で行くかー。姫様っていつもソロ?」
「そうですね。基本22時には寝るので……」
「早いなー……でも納得。残業でログイン遅れた日とか姫様見ないからねー」
「お肌のためです」

ちゃんと気を使っているんです。
食事に睡眠、適度な運動と体幹トレーニングですね。

さて、お昼ですね。
お店を見ていてくれるそうですが、条件のために回数も稼がなければならないので、閉じてしまいます。

一旦ログアウトっと。

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