Free Life Fantasy Online

リアフィス

02 キャラクタークリエイト

翌日の少し早い昼食時。
なぜ早いかって12時から始まるので、その前に食べると秋菜が言ったから。

「あ、お姉ちゃんゲーム始めたらオプションでセクシャルガードの確認しなね」
「セクシャルガード?」
「痴漢防止機能。何個かプリセットがあるからそれを確認しといてね。そうすれば触られた感じもしないし、相手側も見えない壁に触れてるようになるから」
「なるほど。フルダイブ型のVRだもんね」
「うん、お姉ちゃんは必須。後私は例外設定しといてね!」
「例外設定もあるのね……」
「フレンドかつ例外設定済みのキャラは外せる設定もある。とは言え行き過ぎると警告来るけどね!」
「そりゃそうね」
「キャラクリは最大で5センチしか動かせないよ。そして微妙に二次元補正」
「へぇ……」
「お姉ちゃん始まるよ!」
「はいはい」

バタバタと2階に向かう秋菜を見送りつつ、のんびりと部屋に向かい準備をする。
既に妹とはフレンド登録済み。公式にログインしてそこから可能でした。

VR機器を付けて布団に寝っ転がり、収まりの良い場所を探して電源を入れます。

『おはようございます。本日は何をなさいますか?』

FLFOの起動を。

『FLFO起動前チェック中です……機器と装着者の姿勢の安全を確認しました。FLFOの起動を開始します』

特に違和感も無くすんなりとゲームが起動。
タイトルが表示されていますが、そのタイトルに被さるように割りと自己主張が激しいカウントダウンが表示されています。

跳ね出した……タイトルの上をぴょんぴょんしてる……。
回転を加え始めた……。
見せる気無いですね? このカウントダウン。

残り10秒になり色が虹色になって跳ねるスピードが上がった。フィーバータイムでしょうか。カウントが進むごとに早くなり、残り5秒でなんか膨らみ始めた。
そして0になると……。

パァン!

分かっていてもビクってしてしまう。
自己主張の激しい……激しすぎるカウントダウンもなくなったし、始めましょうか。

タイトルから先へ進むと、風景が森の中にある開けた場所に切り替わる。木洩れ日が降り注ぎ中々幻想的な、穏やかな場所ですね。
……あまりファンタジー感はありません。

『Free Life Fantasy Online. FLFOの世界へようこそ。早速あなたの分身、キャラクターを作成しましょう。現在プレミアムキャラクタークリエイトが有効です』

頭に直接響くかのような声……こいつ……直接脳内に……。
いや、VR何だからそうなんですが。

目の前には自分の分身たる、VR機器初期設定で作成した基礎データが表示され、大量の項目があるプレートが空中に展開。

弄ってみましたが、正直崩れるだけなのでリセットして戻し、色彩だけ変えましょうか。お母さん指導の元、体には気を遣ってるから自信はそれなりにあるし……。
下手すると化物が誕生しますからね。

……ツインテールはやっぱ小さい子向けですかね? ポニーは悪くないかな?
リアルでは肩までのセミロングですが、色々試せるからいいですね。
アフロは……無い。うん、似合わなすぎて面白い。モヒカンもあると。
前髪パッツン姫ロング……うーん。私の好みではない。
やっぱりシンプルにロングでしょうか。肩以上伸ばすと洗うの面倒だし、引っかかったりも嫌だからリアルじゃしないけど、ゲームならありですかね?
背中……腰……膝……おお、地面にまで……踏まれるでしょこれ。

『髪型はゲーム内で縛ることも、切ることも可能ですが伸ばすことはできません』

あ、そうなんですね。
じゃあ……思い切ってふくらはぎ辺りまでのストレートロングで。前髪は特に手を加えず。もみあげ辺りは少々長く……と。オプションが……つやつやで。
髪色は黒で目はちょっと明るい紫にしよう。紫って……難しいよね。赤紫か……青紫か……青紫寄りにしましょうか。

ぱぱっと見直して保存しておく。

『種族を選択して下さい。今のキャラクターに種族補正がかかります』

えーっと……。

人間
  平均的な種族。
  迷ったらこれ。

獣人
  狼、兎、熊、狐、猫。
  種類によって優れるところが違う。
  狼:筋力。兎:器用。熊:体力。狐:知力。猫:敏捷。

ドワーフ
  筋力と器用に優れるが足が遅い。
  職人にお勧め。

エルフ
  知力と器用に優れるが打たれ弱い。
  遠距離にお勧め。

ジャイアント
  別名巨人族。
  筋力と体力に優れるが不器用。

マシンナリー
  別名機甲種、機械種。
  ステータスは全体的に高いが、魔法が絶望的。


うん、ネットで見た通りだからβから変更は無さそうですね?
獣人は耳と尻尾が生えてるだけのから、二足歩行の動物だったりとかできるらしい。ケモナーが歓喜してるとか書いてありましたね。
ケモナーはともかく、狐以外は知力が低いらしいけど、総じて嗅覚や聴覚が良い。

ドワーフは足が短いからか、敏捷に振った際の移動速度の内部補正が他種族より低いとされている。正解は公式しか知らないので、あくまでされている・・・・・
同じ敏捷値で並んで走ったら速度が違う事から、そう判断されたらしい。

エルフは打たれ弱いだから……HPの内部補正が他種族より低いとされている。

ジャイアントは逆にHPの内部補正がやたら高いらしい。
後巨人族なので、身長の最低が2メートルで最大が3メートル。
人間などは2メートルが限界。
基本的に5センチは弄れるけど、種族による限界はあるよ! という事。
リアルで2メートル超えの人は人間でも2メートル超えられるらしい。
身長に関しては公式発表。

マシンナリーは初期ステータスが他種族より圧倒的に高いが、MPの内部補正が絶望的に低いらしい。0ではないが、0に等しいとか。
機械だから頭はいいよ? 知能は高い。だがMPは無い。とのこと。


そしてこのゲーム、人外も選べるらしい。しかもこちらは種類が多い模様。

『人ならざる者が選択されました。こちらはマッドな人達向けになります』

人外、魔族、魔物などなど呼ばれる異形の者達。
大体極端だけど、高いステータスを持ってる。ただし、人じゃないのでデメリットがある。
スライムとかも選べるけど、まず満足に動けるようになるのが大変らしい。
ただ人より成長が速く、人にはない進化の概念があり、種族が変わる。大きく変わる場合、スキルの取り直しリビルドまで可能らしい。
多種多彩だが、デメリットも多種多彩である……と。

極端な話、満足に動けなくても知らないよ。選んだの君だからねって言うスタンス。
モンスタースキルが取れるので、強いやつは本当に強い……といいなぁって言う夢の種族である。
βの時は人外板が阿鼻叫喚の地獄絵図だった模様。結論として、公式サービス始まって1割いればいいな……って有様らしい。
上にマーカーが出るから、それでプレイヤーとは分かるらしいけど……『君、モンスターだからね? PKにはならないよ?』という無慈悲な扱いである。
でもオンラインゲームだ。ちゃんと運営も考えてはいるらしく……『ちゃんと合法で街に入る手段があるから安心して欲しい。……人と意思疎通できる種族ならな』という発表があった。『確かに最後は重要だけど!』という突っ込みがあったのは言うまでもない。
プレイヤー同士は何であれ問題ないらしいけど、現地民……NPCはダメだと。
ただ、ゲームには違いないので悪質なキルなどは通報すれば対応するとのこと。


私はちょっと人外に惹かれていたり。何にしましょうか?
スライムは進化するまでがなぁ……。
ゴブリンは無い。ノーセンキューです。
ウルフ……狼はありですかね? 4足歩行のガチ狼。割りと強かったらしいですが。
ホース……スネーク……スパイダー……。

でもこの辺り、まず喋れませんよね?
ケンタウロスやエキドナ、アラクネになれれば人の部分できるから喋れそうですが。レベル上がるのが人より早いとはいえ、いつなれるのよっていう。
あ、ゴブリンとかスケルトンは喋れるらしいですよ。
声……帯……? 考えるのはやめよう。

ミニゴーレムとかあるんですね。進化したら大きくなるのかな? ……邪魔そう。
ゴースト……どう動くのよ。

うーん……うーん……。

ゾンビ!

『不死者:ゾンビが選択されました。不死者は確率で部位欠損が発生する可能性があります。その場合、ゲーム内アイテムで修復する必要があります』

確率部位欠損……不死者系が不人気な理由の1つ。
βと同じなら10レベ以下は欠損せず、痛みは無いらしいですけど、純粋に不便で面倒らしいですね。


名前:
種族:ゾンビ 女
属性:闇
属:低位不死者
科:ゾンビ

種族モンスタースキル
《物理耐性 Lv1》《HP自動回復 Lv1》《低位不死者》《腐乱体》

《物理耐性》
  被物理ダメージをスキルレベルに応じて軽減する。

《HP自動回復》
  HPをスキルレベルに応じて自動的に回復する。

《低位不死者》
  陽に当たると継続ダメージ。日陰で減少。
  被光、聖属性4倍。
  月明かりに当たると全ステータスにボーナス:小
  闇系魔法強化:小
  被闇系魔法耐性:小
  クリティカル耐性:小
  HP自動回復系スキルの効果増加:小
  暗視。
  肉体系、精神系の状態異常を無効化する。
  食事、睡眠不要。

《腐乱体》
  五感機能低下。
  ついでにヘドロのような芳ばしい香りを常に放っている。
  言うまでもないが超臭い。
  周囲に吐気をもたらす。
  被火属性2倍。

《物理耐性》と《HP自動回復》に言うことはない。
《低位不死者》は……かなり強いね。死んだ体に意味のない状態異常が無効化されてる。問題はお日様ダメージがどんな物かだけど、《HP自動回復》のスキルレベルが上がれば打ち消し合うのでは? 低位ってことは中位に高位もありそうだし、実に楽しみ。
どう考えても問題は《腐乱体》でしょう……。うぅん……まあゾンビだし? スキルはおかしくないですけどねぇ……。
《腐乱体》は問題しか無いけど、進化すればワンチャン消えるかな? ゾンビが苦行すぎて速攻で投げ捨てられたらしいけど。
次の進化ハイゾンビって文字を見て心が折れた模様。
人型だからか喋れるけど、鼻の良い獣人達にフルボッコにされるらしい。

馬とか蛇とかの動物系は街でNPCと意思疎通出来ない事を除けば、それなりに快適らしいんだよね。馬とかプレイヤー乗せて草原疾走できて楽しいとかなんとか。
物はフレンドに買ってもらう事もできるし。
コケッコーとか言うどう見てもニワトリな鳥にもなれるけど、コカトリスワンチャンらしい。
まあ全部ファンタジー知識からの推測であり、そのレベルまでβで確認するのは不可能だから、確定ではないのだけれど。ロマンだね。


……不人気の一角であるゾンビをやってみましょうかね?
ドラゴンゾンビとかなれるのかな? 骨ドラは……スケルトンルートかな?
まあ、私黙々とやるタイプだし、ゾンビやってみましょうか。……最悪消して作り直しかな。その場合ペナルティで数日できないらしいけど。

ごめんね秋菜……お姉ちゃんゾンビになります。ハグする勇気があるならウェルカム。
問題はキャラクリの意味よ……ゾンビの補正がヤバイ。髪の毛が寂しい……。たわわな胸も行方不明。
ま、いいや。髪はともかく、胸がないと言うのは新鮮ですね。すっかり実ってしまったので。

『初期スキルを10個まで選択して下さい。ゲーム内でも選択可能なので飛ばしても問題ありません。スキル所持数10個以内なら初期スキルとしてコスト無しで覚えられます』

うーん……これはとりあえずゲーム内でやりながらかな?
まあ、この3個ぐらいは取っておこうか。

《筋力強化》《体力強化》《鑑定》

パッシブは偉大。《鑑定》は必須。
後はやりながら取ろう。ゾンビに合ったスキルを取らないと詰みそうです。

『取得スキルが10個無いため、スキル取得タブに初期スキルという項目が追加されます。初期スキルタブ外からスキルを取得する場合、通常通りコストを消費するのでご注意ください。モンスタースキルはカウント外になります』

ふむふむ……。
初期スキルタブが追加されるから、そこから取ればコストなし。それ以外だと普通にコストを消費する……と。
ゲーム内で条件達成してからコスト無しでそれを取る……ということの防止用ですか。初期スキルは全プレイヤー共通と。

『名前を入力して下さい』

んー……ファンタジーだし横文字ですかね?
ハーフなので向こうの名前も持っているのですが……本名はダメかな?
いや、むしろいける……? 日本のゲームだしいけるのでは?
まさか本名とは思わないでしょうし、ありきたりだから通るなら良いでしょう。β組は名前引き継ぎのようですし。


『アナスタシア……重複チェック中です…………重複無し。使用できます』

あ、通りましたね。ではそれで。
逆にアナスタシアとフルで呼ばれるのは新鮮ですからね。別に良いでしょう。

『最終確認です。こちらのスキル、こちらの見た目でよろしいでしょうか?』


名前:アナスタシア
種族:ゾンビ 女 Lv1
属性:闇
属:低位不死者
科:ゾンビ

スキル
《筋力強化 Lv1》《体力強化 Lv1》《鑑定 Lv1》
控え

種族モンスタースキル
《物理耐性 Lv1》《HP自動回復 Lv1》《低位不死者》《腐乱体》


ステータス表示の横にゾンビな私が立っている。
正直見た目はよろしくないと言いたいが、種族補正故、致し方なし……。

大丈夫です。

『人ならざる者が選択されています。よって開始地点を選ぶことが可能です。どちらになさいますか?』

始まりの街
  普通のスタート地点。人類と同じ場所。
種族スタート
  種族に合ったスタート地点。フィールドに放り出されます。
  より人外を堪能したいクレイジーなあなたにお勧めです。

ふむ……ゾンビで街スタートにしたら阿鼻叫喚だろうなぁ……。
主に《腐乱体》のせいで獣人を選んだ人達が。自分から悪目立ちするつもりもないので、種族スタートにしましょうか。
断じてクレイジーではない。物好きなだけです。


『種族スタートが選ばれました。キャラクタークリエイトを終了いたします。これよりメインサーバーへと接続を開始……』

ドキドキ……。

『この世界ではあなたの好奇心が全ての鍵となるでしょう。未知の世界、未知の生物との戦い、未知のスキル、そして……新たな生活。それら全ては知らない事を知りたいと言う欲求の赴くままに。あなたの第二の人生に幸があらんことを』



システムの声が途切れると共に、すぐに変化が。
正面に広がる石造りの町並み。肌で感じる熱気を持った風……なんて事は無い。
周囲では同胞が『うぅうぅ』言いながら闊歩し、周囲は土の壁。

どう見てもカタコンベです。本当にありがとうございました。

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