豪華客船ルウェロット・ベレネスティンディア号の悲劇
第1日目、午前
人は自分の窮地の際は…
船外の豪華さに並び内装は一層豪華さを増していた。階段や天井、柱や手すりすべてにおいて装飾が施され、逆に装飾されていないところを探す方が困難に近かった。
そんな内装、エントランスホールに彼らはいた。
彼らはあんぐりとしていたであろう。いや、彼らだけではない、ここに来ている客全員が全く同じ反応をするであろう。それほどまでに広々そして、煌びやかに装飾されたエントランスホールはどこの部分よりいっそ輝いている気がした。
「すげぇ…」
「ほんとね…こんな船に乗れるなんて、お父さんに感謝しないと」
彼、西ヶ丘 聖一のこぼした一言に素早くツッコんだのは誰でもない。彼ましてやその姉を生んだ本人、西ヶ丘 静恵だった。容姿から見える20代くらい外見のわりにその能力は一流で現役?の即応予備自衛官というのが静恵だった。即応予備自衛官に入った理由として、家族はうちが守る…という理由だそうだ。
「おーい、2人とも!部屋行くぞ!」
チェックインを終えた父親と、聖一の双子の姉、真奈がエントランスホールの右奥の廊下で手を振って叫んでいた。
母と顔を見合わせた彼は、笑みを浮かべながら2人の方向へと歩き出していた。キャリアバックが絨毯にちょくちょく引っ掛かりこけそうになりながらも…と、その横を白と空色のワンピースを着た少女が急ぎ足で横を通っていった。
「えっ?」
「どうしたの?」
彼は足を止め、後ろを振り向く。
エントランスホールは人が多く、その少女は見つからなかった。
「今…いや、なんでもない」
何事もなかったかのように彼は歩き出した。
彼自身、何故その少女が気になったのか疑問を抱いていたがその理由が思い出せずにいた。何か懐かしい…何かが恋しい、でもあってはならない…そんな複雑な感情だった。
そして、その後ろ姿を、その少女が静かに静かに見て、こうつぶやいた。
『お久しぶりね…おにいさん…』
だが、この声を聴いたものは一人もいなかったという。そう、近くにいた大人すらも…
船の客室は差別化もなく、すべてが同じ大きさ、同じような間取りになっていた。違うところがあるとするならば、鍵の穴の中か、窓の一ぐらいであろう。
その、部屋の中家族4人分のベットが置かれた部屋の中で彼はソファーに座って考え込んでいた。
(いったい誰なんだ?あの少女は…懐かしい感じがした…。でも思い出せない。いや思いでしてはならないような…)
数分前にすれ違った少女…彼はそのことが気にかかって仕方がなかった。正体も、素顔も性格も知らないはずの見ず知らずの少女にこんな感覚を抱くのは普通ならあり得ない…。何かしらの接点があるはずだ…そう、彼は推理していた。
「何をボケっとだらしない格好をしているの?聖一?」
「?…ああ、姉さん」
ペットボトルのお茶を両手に持ち、その片方を彼の目の前へと持ってくる。彼はそのお茶を一口飲み、こう結論付けた。
(気のせいだ)
という風に…。
「あぁ、そうそう、この後、探索ついでに散歩へ行こうと思うのだけれど、聖一も来る?」
「いいけど……どこ行くの?」
「ふふふ、秘密」
姉弟らしい?会話を二人は仲良く楽し気に笑って話していた。
「二人とも!昼食の12時半までには帰ってくるのだぞ!」
「「はぁい」」
父が洗面台で髭をそりながら叫んでいるのを元気よく二人は返事する。
その二人の姉弟は父と母を部屋に残し、元気よく廊下へと飛び出していった。一応言っておくが二人とも16歳なのだが…好奇心とはすごいな…彼らの両親はそうつくづく感じさせられた。
❀ ❀ ❀ ❀
彼らは最初に低階層にある映画館へと足を運んだ。映画といっても収容人数は100人ちょっとの小さめの映画館だが…もちろん今は何もやっていない。
「へぇ、いろんな映画があるのか…む?」
映画ポスターに不思議な題名の映画があった。
「【私達は仲良く異世界に飛ばされたけど建国生活は大変だそうですよ…】なんじゃそりゃ?」
それはアニメの劇場版と書かれていた。
「なになに?面白いものあった?」
「うん…これ」
「へぇ…主人公は2人で、地球の指導者だった二人が、新国家を作っていく話だけど、その主人公たちは波乱万丈な生活を送る話か………面白い?」
「さぁ…?」
言い切ってから、もしかしたら面白いかも…と後悔した聖一。そして今、作者はいきなり泣いているであろう。
そんな映画館を去ろうとしたとき、彼はさっき見た少女をまた見た。
「えっ?!」
「どうしたの?」
「今…女の子が……!」
彼は少女が去っていた方向へ振り返って絶句した。
誰もいない廊下、静かな廊下。そう少女が通り過ぎた後、誰もいなかった。
「?、誰もいないけど?」
彼は無言でたたずんでいた。だが、たたずんでいても何もできないので、彼は一階層上にある、カジノ会場へと向かった。
そのころ作者さんは、自然に涙が出てはいないけど、何故か心が折れていたそうな…結局は私だが
カジノ会場はとにかく金ぴかに輝いていた。ここのスポットライトを当てたら反射で誰か目をやられそうなほど…つまり非人道兵器認定してもいいんじゃないかと思うほど、輝いていた。
「はぁ…すごいねぇ」
「でも、僕たち今、お金持っていないよ…」
ため息交じりの真奈つぶやきに聖一は重要なことを洩らす。
つまるところ様が無くなったわけで、彼らはしぶしぶと引き上げる。
「………ってあぁ!もうお昼じゃん…」
「マジで!戻らないと…」
彼らは時計を見て約束の時間が刻一刻とやってきていることに気が付き、急いで会談を駆け上がる。
そんな様子を別の少女がこっそりとみていた。
船外の豪華さに並び内装は一層豪華さを増していた。階段や天井、柱や手すりすべてにおいて装飾が施され、逆に装飾されていないところを探す方が困難に近かった。
そんな内装、エントランスホールに彼らはいた。
彼らはあんぐりとしていたであろう。いや、彼らだけではない、ここに来ている客全員が全く同じ反応をするであろう。それほどまでに広々そして、煌びやかに装飾されたエントランスホールはどこの部分よりいっそ輝いている気がした。
「すげぇ…」
「ほんとね…こんな船に乗れるなんて、お父さんに感謝しないと」
彼、西ヶ丘 聖一のこぼした一言に素早くツッコんだのは誰でもない。彼ましてやその姉を生んだ本人、西ヶ丘 静恵だった。容姿から見える20代くらい外見のわりにその能力は一流で現役?の即応予備自衛官というのが静恵だった。即応予備自衛官に入った理由として、家族はうちが守る…という理由だそうだ。
「おーい、2人とも!部屋行くぞ!」
チェックインを終えた父親と、聖一の双子の姉、真奈がエントランスホールの右奥の廊下で手を振って叫んでいた。
母と顔を見合わせた彼は、笑みを浮かべながら2人の方向へと歩き出していた。キャリアバックが絨毯にちょくちょく引っ掛かりこけそうになりながらも…と、その横を白と空色のワンピースを着た少女が急ぎ足で横を通っていった。
「えっ?」
「どうしたの?」
彼は足を止め、後ろを振り向く。
エントランスホールは人が多く、その少女は見つからなかった。
「今…いや、なんでもない」
何事もなかったかのように彼は歩き出した。
彼自身、何故その少女が気になったのか疑問を抱いていたがその理由が思い出せずにいた。何か懐かしい…何かが恋しい、でもあってはならない…そんな複雑な感情だった。
そして、その後ろ姿を、その少女が静かに静かに見て、こうつぶやいた。
『お久しぶりね…おにいさん…』
だが、この声を聴いたものは一人もいなかったという。そう、近くにいた大人すらも…
船の客室は差別化もなく、すべてが同じ大きさ、同じような間取りになっていた。違うところがあるとするならば、鍵の穴の中か、窓の一ぐらいであろう。
その、部屋の中家族4人分のベットが置かれた部屋の中で彼はソファーに座って考え込んでいた。
(いったい誰なんだ?あの少女は…懐かしい感じがした…。でも思い出せない。いや思いでしてはならないような…)
数分前にすれ違った少女…彼はそのことが気にかかって仕方がなかった。正体も、素顔も性格も知らないはずの見ず知らずの少女にこんな感覚を抱くのは普通ならあり得ない…。何かしらの接点があるはずだ…そう、彼は推理していた。
「何をボケっとだらしない格好をしているの?聖一?」
「?…ああ、姉さん」
ペットボトルのお茶を両手に持ち、その片方を彼の目の前へと持ってくる。彼はそのお茶を一口飲み、こう結論付けた。
(気のせいだ)
という風に…。
「あぁ、そうそう、この後、探索ついでに散歩へ行こうと思うのだけれど、聖一も来る?」
「いいけど……どこ行くの?」
「ふふふ、秘密」
姉弟らしい?会話を二人は仲良く楽し気に笑って話していた。
「二人とも!昼食の12時半までには帰ってくるのだぞ!」
「「はぁい」」
父が洗面台で髭をそりながら叫んでいるのを元気よく二人は返事する。
その二人の姉弟は父と母を部屋に残し、元気よく廊下へと飛び出していった。一応言っておくが二人とも16歳なのだが…好奇心とはすごいな…彼らの両親はそうつくづく感じさせられた。
❀ ❀ ❀ ❀
彼らは最初に低階層にある映画館へと足を運んだ。映画といっても収容人数は100人ちょっとの小さめの映画館だが…もちろん今は何もやっていない。
「へぇ、いろんな映画があるのか…む?」
映画ポスターに不思議な題名の映画があった。
「【私達は仲良く異世界に飛ばされたけど建国生活は大変だそうですよ…】なんじゃそりゃ?」
それはアニメの劇場版と書かれていた。
「なになに?面白いものあった?」
「うん…これ」
「へぇ…主人公は2人で、地球の指導者だった二人が、新国家を作っていく話だけど、その主人公たちは波乱万丈な生活を送る話か………面白い?」
「さぁ…?」
言い切ってから、もしかしたら面白いかも…と後悔した聖一。そして今、作者はいきなり泣いているであろう。
そんな映画館を去ろうとしたとき、彼はさっき見た少女をまた見た。
「えっ?!」
「どうしたの?」
「今…女の子が……!」
彼は少女が去っていた方向へ振り返って絶句した。
誰もいない廊下、静かな廊下。そう少女が通り過ぎた後、誰もいなかった。
「?、誰もいないけど?」
彼は無言でたたずんでいた。だが、たたずんでいても何もできないので、彼は一階層上にある、カジノ会場へと向かった。
そのころ作者さんは、自然に涙が出てはいないけど、何故か心が折れていたそうな…結局は私だが
カジノ会場はとにかく金ぴかに輝いていた。ここのスポットライトを当てたら反射で誰か目をやられそうなほど…つまり非人道兵器認定してもいいんじゃないかと思うほど、輝いていた。
「はぁ…すごいねぇ」
「でも、僕たち今、お金持っていないよ…」
ため息交じりの真奈つぶやきに聖一は重要なことを洩らす。
つまるところ様が無くなったわけで、彼らはしぶしぶと引き上げる。
「………ってあぁ!もうお昼じゃん…」
「マジで!戻らないと…」
彼らは時計を見て約束の時間が刻一刻とやってきていることに気が付き、急いで会談を駆け上がる。
そんな様子を別の少女がこっそりとみていた。
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