虚弱生産士は今日も死ぬ ―小さな望みは世界を救いました―
区画&転移門説明
「……誰も来ない、そう思っていたんだ。仮に来たとしても『騎士王』で、ボタン一つで速攻退場で自由へゴール……だと思ってたんだが、どうしているのかね?」
「気にするな、『生者』よ。例え人の域を超えようとも、そうした運命から逃れることは難しいものだ」
「……そうじゃないんだよ、『闘仙』さん」
そう、街に懐かしの『闘仙』さんが街に現れたのだ。
相変わらず外套で身を隠しているが、何度もお世話になった声なのですぐに分かった。
なんだか『騎士王』との話し場所になっている屋台の所まで見つけた『闘仙』さんを誘導して、現れた理由を訊いてみると――。
「頼みがあって来たんだ」
「頼み、ですか……『闘仙』さんが」
「そうだ。爺の結界を何らかの形で突破できる者の中で、暇そうだったのが『生者』だったんだ」
「頼み事、断りますよ」
理由があまりに残念だった。
俺は一度も『龍王』さんの結界を破ったことはないし、通り抜けるにも死ななければならない。
なので、どちらかと言えば条件を満たしていないし、そもそも『龍王』さんの結界級の何かに関わりたくない。
「そういうな、ちゃんと報酬もある。特別に『生者』にも、俺の修行場を案内しよう」
「いや、別に強くなりたくはないんで」
「む、そうか……では、観光はどうだ? 俺が一筆書けば、本来なら入れない美味い飯が食える場所にも入れるぞ」
「…………すみません。『闘仙』さんって、この街からどれくらい離れた場所に住んでいるんですか?」
「区画で言うならば、13個程行った先にあるだろうか。そこに隠されたダンジョンを突破した者にのみ、俺の住む場所に繋がる転移門が開かれる」
◆ □ ◆ □ ◆
はい、ここでEHO説明(情報源タクマ)。
区画とは、1km×1kmのエリアのことである。
例えを挙げるなら、E1からE2に移動するためには1km横断せねばならないということだ。
つまり、『闘仙』の拠点まで向かうには、斜めなどの道を考えなければ13キロは移動せねばならない……うん、面倒です。
転移門、古代技術によって造られた二つの地点を繋ぐ関所。
同種の門が全て繋がっており、移動許可がある場所ならばどの門にでも移動できる施設となっている。
転位と異なる点は対ヘノプス戦でも挙げたが、理論上ならばどこへでも行けるということだろう。
転位は座標を知らなければならないが、転移はそれを知らなくても移動ができる。
その分膨大なエネルギーを消費するはずなのだが、転移門は周囲の脈から必要なエネルギーを集めているので問題無いらしい。
以上、EHO説明でした。
◆ □ ◆ □ ◆
「だが俺と共に来てくれるならば、転移門の許可も出すし、さっき言ったことも実現させよう……どうだ?」
俺はこの提案を、少し悩んで(いるような振りをして)から受け入れた。
よくよく考えたら、やることが無くて暇を潰している最中だったからな。
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