星の剣

　さて、無事翔に転送した『フライハット』なのだが、性能を記録するために(鑑定)をしただけでしっかり視ていなかったな(そういえば、どうやって転送したんだろうな？　翔に直接訊いたら、メールが届いていたと言ってたんだが……)。

　ログにデータは記載させれているし、今から見てみるか――

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星鉱剣フライハット　製作者：ツクル

星具：剣

星鉱石を元に鍛え上げられた最硬の剣
装備者の意思に従い、柔軟性を持つことも可
万物を切り裂き、装備者に勝利を齎す

(詳細を調べるには鑑定のLvが足りません)

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　……うん、素晴らしい一品だ。
　息子に渡すには少し物足りないが、まあ初心者の打った物だし仕方ないか。
　使った鉱石って、星鉱石っていうのか。
　確かに星ならば相当に硬いんだろうな。
　柔軟性も持てるって、本当に不思議な鉱石だな。さっすがファンタジー鉱石。

「さて、次は何を作ろっかなー？」

　転送装置は対象さえ明確に分かれば誰にでも使えるので、マイやルリにも俺の作品をプレゼントすることが可能だ。
　しかし、ショウのケースと異なり何かを求められているわけでは無いので、今すぐに作り上げる必要は無い。

「うーん、やっぱり服か？　それともプロテクターみたいな物にしよっか？」

　衣食住と言われるように、生活には三つの要素が必要である。
　食はゲームでは必要ないし、住はもう整っているし……今は衣に集中すべきなのか？
　衣ならばサイズやデザインを変えればみんなにも届けられるし、多くても困らないし。
　だが、ここはファンタジーなゲームの中。
　命を守るような装備を先に作っておくべきなのかも知れない。
　特にルリなんていつもの展開上、女教皇か聖女になってしまうかもしれないので特に危険だ。
　暗殺などの事態も考え、やはり安全第一にするべきか？

　いや、ショウの剣みたいなありえない素材が使えるんだ。
　ただの服みたいでも実は凄い効果がある、みたいな装備もあるのか？
　なら、その素材を明確にイメージしながら作成してみれば……イケるのかもしれない。

「だが、そんなイメージ……」

　服が硬い、それはイメージし難い。
　鉱石が硬いのはほぼ当たり前だ。
　だからこそ俺も、それのイメージが簡単に定まったのだろう。
　しかし、服が硬いのか……どうすればできるのだろうか。

　とりあえずネットを開き、色々と探してみる。さて、本当にできるのやら。