僕の価値観はひねくれている

りむ/白猫の手紙

本当の支え

小3の頃から手に入らないものを望んでいた。
どれだけ願っても、どれだけ努力しても絶対に手に入らないもの。
それを無意識に欲していた。

それに似たものは、
            誰でも持っていて
            簡単に手にいれることができて
            何よりも必要なものだ。

でも、その反面に
            壊れやすくて
            なくしやすくて
            ずっと持っておくことが難しい。

しかもそれは、心の持ちようによって、いくらでも価値が変化してしまう。

そんな「偽物」は誰でも持っていた。


それを欲しいと意識し始めたのは中3の時だった。

クラス全体からいじめられたのがきっかけだった。

そのせいで、今まで持っていた「偽物」は、どんどんなくなっていった。

なくなっていくのを黙って感じるしか出来なかった。

つらかった。

今まで当たり前に持っていたものがなくなれば、誰でもつらく感じるだろう。

仲が良かった友達も僕をいじめ、ただの知り合いでも、僕を笑って蔑んだ。

親友だと思っていた奴も助けてはくれなかった。

それが堪らなくつらかった。

だから臆病になった。
             遠慮するようになった。
             望まなくなった。

でも、昔願った思いは今でも生きていて、
いつか手に入れたいと期待する反面、
また、なくすと諦めている気持ちがあった。

僕はただ、「本物の支え」が欲しいだけなのだ。




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