インフルエンザに囚われたラノベ作家のパパを助けに
第八章 剣
ここはどこだろう。
先程までは、遺跡の部屋にいた。
明かりを灯そうと、呪文を唱える。
「ライト。」
しかし、暗闇はそのままだ、
指で星型を描いてみても、カーソルさえここでは出てこない。
手を前に伸ばして、手探りで歩いてみる。
何もない空間。
「サラ、エバンズ、ロドリゴ。」
大声で、三人を呼んでみたが、返事はない。
これまで、ずっと仲間がいたので、1人になると急に不安になる。
いったい何が、起きたのだろう?
確か、剣を引き抜こうと、剣の柄に手をかけたはずだった。
そこから先が、思い出せない。
目をぎゅっと閉じて、おそるおそる、また開けてみる。
まわりは暗いまま。
何も起きない。
困った。
頼りの魔法は使えない。
何か、出来ることは?
自分の持ち物を確認してみる。
頭の上を両手で押さえ、肩、腕、胸、腹と何かないか暗闇の中でポンポンと叩いてみる。
ズボンまで、叩き降りていくとポケットに、入っている玉を発見。
役に立つかは分からないが、とりあえずポケットから、玉を取り出してみる。
手を開く。
玉は、掌の上で少しずつ明るくなり、やがて、白く輝きはじめた。
眩しい。
あふれる光にまぶたを閉じ、ゆっくりと開く。
少し明るさに目が慣れた。
玉は、ぼんやりとあたりを照らす。
あかりは、部屋の中央にいた。
その部屋は...、四方を壁で囲まれているので、どうやら部屋という事は分かったが、扉がどこにもなかった。
うーん。どうしよう。
念のため、もう一度、指で星型を描いてみるが、やはりカーソルは出てこない。
仕方がないので、少し歩いて壁のところへ行ってみる。
手で触ってみる。
ひんやりとさらさらな壁の感触。
ぐるっと部屋の中をあるいて、試しにあちこちをトントンと叩いてみる。
隠し扉もどこにもなさそうだ。
床も一通り確認したが、変わったところは、どこにもない。
どうやったら、ここから出られるのだろう。
出口らしきものは、全く見当たらない。
うーん。
ただ、良く考えると不思議なことがいくつかある。
まず、入り口が無い。
もう一度、部屋をぐるっと見回してみるが、天井にも、壁にも、床にも、それらしきものは見当たらない。
入り口がないのにどうやって入ったんだろう。
それに、ここでは、魔法が使えない。
この世界では、魔法が使えるはずなのにだ。
ということは、先ほどまでいた世界とは、違う場所ということだ。
ただ、一瞬で遠くに飛ばされたという感覚もなかった。
何か分かりそうな気がしてきた。
もう一度、壁のところに行って、壁を叩いてみる。
どんどん。
あれ、手が痛くない。
今度はかなり強く。
バンバン。
やはり、手が痛まない。
それならと、壁から少し下がり、助走をつけ、目をぎゅっとつむり、壁に飛び込む。
激突?
しかし、痛みはなく、何かをすっと通り抜けた感覚。
「あかり、あかり、あかり、大丈夫?」
目を開けると、心配そうに覗きこんでいるサラの視線があった。
「突然、倒れたから、心配した。」
サラが、私をぎゅっと抱きしめる。
私は意識を失っていたらしい。
剣はまだそこに突き刺さったままだ。
どうしよう。
左手に玉をぎゅっと握りしめ、右手で、剣の柄に手をかける。
今度は、何も起きない。
剣の柄を握りしめ、力を込める。
スパンっと剣が床から抜ける。
これで、三種の神器は、揃った。
「さあ、行こう。」
エバンズが明るく言う。  
魔物を倒すとか、特に何かが、起こったわけでもなく、少し物足りなく思ったが、剣を手にしたことには変わりない。
「うん。いこう。」
私は、引き抜いた剣を掲げながら3人に顔を向けた。
先程までは、遺跡の部屋にいた。
明かりを灯そうと、呪文を唱える。
「ライト。」
しかし、暗闇はそのままだ、
指で星型を描いてみても、カーソルさえここでは出てこない。
手を前に伸ばして、手探りで歩いてみる。
何もない空間。
「サラ、エバンズ、ロドリゴ。」
大声で、三人を呼んでみたが、返事はない。
これまで、ずっと仲間がいたので、1人になると急に不安になる。
いったい何が、起きたのだろう?
確か、剣を引き抜こうと、剣の柄に手をかけたはずだった。
そこから先が、思い出せない。
目をぎゅっと閉じて、おそるおそる、また開けてみる。
まわりは暗いまま。
何も起きない。
困った。
頼りの魔法は使えない。
何か、出来ることは?
自分の持ち物を確認してみる。
頭の上を両手で押さえ、肩、腕、胸、腹と何かないか暗闇の中でポンポンと叩いてみる。
ズボンまで、叩き降りていくとポケットに、入っている玉を発見。
役に立つかは分からないが、とりあえずポケットから、玉を取り出してみる。
手を開く。
玉は、掌の上で少しずつ明るくなり、やがて、白く輝きはじめた。
眩しい。
あふれる光にまぶたを閉じ、ゆっくりと開く。
少し明るさに目が慣れた。
玉は、ぼんやりとあたりを照らす。
あかりは、部屋の中央にいた。
その部屋は...、四方を壁で囲まれているので、どうやら部屋という事は分かったが、扉がどこにもなかった。
うーん。どうしよう。
念のため、もう一度、指で星型を描いてみるが、やはりカーソルは出てこない。
仕方がないので、少し歩いて壁のところへ行ってみる。
手で触ってみる。
ひんやりとさらさらな壁の感触。
ぐるっと部屋の中をあるいて、試しにあちこちをトントンと叩いてみる。
隠し扉もどこにもなさそうだ。
床も一通り確認したが、変わったところは、どこにもない。
どうやったら、ここから出られるのだろう。
出口らしきものは、全く見当たらない。
うーん。
ただ、良く考えると不思議なことがいくつかある。
まず、入り口が無い。
もう一度、部屋をぐるっと見回してみるが、天井にも、壁にも、床にも、それらしきものは見当たらない。
入り口がないのにどうやって入ったんだろう。
それに、ここでは、魔法が使えない。
この世界では、魔法が使えるはずなのにだ。
ということは、先ほどまでいた世界とは、違う場所ということだ。
ただ、一瞬で遠くに飛ばされたという感覚もなかった。
何か分かりそうな気がしてきた。
もう一度、壁のところに行って、壁を叩いてみる。
どんどん。
あれ、手が痛くない。
今度はかなり強く。
バンバン。
やはり、手が痛まない。
それならと、壁から少し下がり、助走をつけ、目をぎゅっとつむり、壁に飛び込む。
激突?
しかし、痛みはなく、何かをすっと通り抜けた感覚。
「あかり、あかり、あかり、大丈夫?」
目を開けると、心配そうに覗きこんでいるサラの視線があった。
「突然、倒れたから、心配した。」
サラが、私をぎゅっと抱きしめる。
私は意識を失っていたらしい。
剣はまだそこに突き刺さったままだ。
どうしよう。
左手に玉をぎゅっと握りしめ、右手で、剣の柄に手をかける。
今度は、何も起きない。
剣の柄を握りしめ、力を込める。
スパンっと剣が床から抜ける。
これで、三種の神器は、揃った。
「さあ、行こう。」
エバンズが明るく言う。  
魔物を倒すとか、特に何かが、起こったわけでもなく、少し物足りなく思ったが、剣を手にしたことには変わりない。
「うん。いこう。」
私は、引き抜いた剣を掲げながら3人に顔を向けた。
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