このバッドエンドしかない異世界RPGで

無限 輪

第零話:プロローグという名の何か。なんかノリで書いてしまったから次から一話だから本気出すから紳士の方以外はとばしていいからね!そのうち消すかもしれないプロローグだよ。

 ダンッ!俺はテーブルに額を強く打ちつけた。こんな、こんなはずじゃなかったんだ。

 テーブルを挟んだ向かいにあるテレビでは、とあるRPGゲームのエンドロールが流れている。

 俺は正直ゲーマーだ。小学生からアクション、シューティング、RPG、シュミレーションなど全ジャンル名作と呼ばれるゲームはプレイしてきた。

 まぁ金銭的な問題であまり有名でない物はやっていなかったりもするのだが……そこは置いておこう。

 とにかく、あの日決意したのだ。まだ見ぬステージへ上がろうと。つまり新ジャンルの扉を開けようと。

 そう。エロゲである。

 もちろん18禁である。

 しかしエロゲの知識のない俺は友人を頼るしかなかった。そして自称エロゲマスターな彼行きつけのエロゲショップへ案内してもらう事になった。

 店内に入るも店員は“いらっしゃいませ”の声すらかけない。それがマナーだと友人は言う。なるほど、紳士的ですね。

 店内を物色する。もちろん18禁コーナーのパッケージ商品に釘付けだ。そして俺は前屈みのまま動けなくなるというお約束を果たす。もちろん友人も同じだ。

 店内を見回すとお客はぱらぱらと見えるが、さすがは紳士のみなさん、堂々としていらっしゃる。深くは言わない、堂々としていらっしゃるので。

 とにかく友人おすすめのエロゲを掴んでレジへ出す。他にも後ろ髪引かれるパッケージがあったが、思った以上に値が張る商品なので今回はひとつに絞った。

 レジはお互いの顔が見えないよう配慮された作りになっていて否応なくいけないことをしている背徳感に襲われ緊張で手に汗を握る。

「18禁商品になりますので身分証の提示をお願いします」

 な、なん、だ、と!?

 くるっと友人を見ると、“あちゃー”と片手で目を覆い上を向いた。どうやら失念していたようだ。後で聞いたところ、いつもは兄と一緒に来て買ってもらっていたらしい。

 だが、俺は折れない。身分証?出してやろうじゃないか。持っているとも。この学生証をな!

 レジにバーンと音がなるほどの勢いで学生証を出した。そして…………

「17才か……来年、また来な」

 無理でした。友人は「お前……勇者かよ……」と俺を褒めてくるが念願のエロゲは購入不可だった。トボトボと出入口へ向かうが店員に呼び止められた。

「勇者君!R15なら買えるから!R15のエロゲはエロく無くてもエロゲと言えなくもないから!最初はそっちの方がいいよ!案内するから着いてきて!」

 結構大きな声で俺の初冒険をバラしてくれたので、紳士のみなさんから生暖かい目を向けられ、元気出せ!とイイネされた。

 友人など、もう羨望の眼差しだ。

 羞恥を感じながらも店員について行き、R15コーナーへ。ここも色々な商品があり、中にはR18商品のエロ無しVer.などもあった。

 もちろんさっき購入しようとしたタイトルもあったのだが、あれは18禁でプレイした方がいいと友人に言われ、違うタイトルを探す。

 と、ワゴンセールに置いてある、箱無し説明書無しの商品が凄く気になった。150円である。友人曰く、「絶対クソゲー」らしい。

 でも、もう羞恥やら敗北感やらで正常な判断が出来ない状態であったのだろうか。俺はそれを買う事にした。

 レジで店員が「あれ?こんなのあったっけ……」と言っていたような気もするが、右から左である。

 そして家に帰り。ソフトセットからの電源オーン。

 まさかこのゲームにどっぷりハマる事になるとはこの時は全く思っていなかった。

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