無理やり連れて行かれた異世界で私はカースト最下位でした。でも好きな人がいるから頑張れるます!

太もやし

みんな大好き、うわさ話

 廊下を歩くブリジットちゃんに手を振ると、ブリジットちゃんは小走りで駆けてきた。

「何があったの、リンカちゃん!?」

 部屋に私を押して、部屋の扉をキッチリ閉めたあと、ブリジットちゃんは顔色を変えてそう言った。

「何があったのか、私もよくわからない……嵐みたいな人だった……」

 顔を横に振って答える。きっと私の顔は今、情けない顔しているだろう。

「そうだよね、わからないよね。だって、あの人はエトワールの小鳥姫、ミレイユ・ダナー先輩だもの」

 ブリジットちゃんは私に何かあったみたいに、優しく抱きしめてくれた。その思いやりが嬉しくて、私もブリジットちゃんに抱きつく。

「小鳥姫ってあだ名、なんだか、可愛いね」

「そう、あだ名と外見は可愛いけど、学校一の変人なんだよ。だけどダナー先輩はエトワールの首席で、本当にすごい人みたいだよ」

 確かに、あの気迫はすごかった。すごい美少女だったけど、すごい怖い人だった。

「エトワールの首席って、この学校の1番って事? 変な人だったけど、本当はすごい人なんだね」

 そう言うと、ブリジットちゃんは焦った顔で自分の口を押さえた。

「そう言えば、リンカちゃんの前、前学期の終わりに入学した子がいるんだけど、今はその子が一番になったんだった。だから今は、ダナー先輩は学校で2番目の魔法使いだね」

 本当にすごいな、私の前に来た子!

「その子のこと、こっちに来たときからみんな話してるね。本当にすごい子なんだなー」

 ブリジットちゃんは顔を曇らせた。聞いちゃいけないことを聞いたのかな……

 私の気まずい顔を見たブリジットちゃんは、顔の前で両手を振り、元気そうなフリをした。

「あ、変な顔をしちゃった、ごめんね。その子、アナスタシア・ホーネットさんは最初、身分制度なんておかしいって言っていたんだけど、今は学校のクイーンビーなの」

「クイーンビーって女王Bってこと? Aは誰?」

 ブリジットちゃんは少し止まったあと、ゆっくりと話だした。うう、馬鹿でごめんね。

「……クイーンビーって言うのは、女王蜂って意味で、スクールカースト、学校での序列のことね。それの1番上にいる女子のことで、男子はジョックって言うんだよ」

 ふんふん、わかりやすい。ありがとう、ブリジットちゃん。あれ、でもよく考えると……

「身分制度を反対してたのに、スクールカーストには賛成なの?」

 ブリジットちゃんは悲しそうな顔で、首を横に振った。

「ううん、今じゃ身分制度に大賛成みたいなの。ソルをいじめることにためらいはないし、自分の悪口を言った子はみんなで無視するように命令するの」

「え? それって最低な子じゃん!」

 ブリジットちゃんの話が少し遅れて、脳で処理された私は大きな声を出した。するとブリジットちゃんは、焦りながら口に人差し指を立てて、しーと言った。

「あ、ごめん……」

 小さな声で謝る。そうだね、また壁ドンされたら大変だもんね。

「悪口を誰かに聞かれて、ホーネットさんに告げ口されたら大変なの。ホーネットさんにはリンカちゃんも気をつけてね」

 ブリジットちゃんは小さな声で囁いた。あ、そっちか。

「ホーネットさんはプラチナブロンドの胸辺りまである長い髪で、氷みたいな灰色の瞳だから、特徴を覚えておいてね。ホーネットさんが道を歩いているときは、端によって頭を下げるの」

「わかった、気をつけるよ。ありがとうね、ブリジットちゃん。あ、そうだ、ブリジットちゃん。私が上の階級の人に絡まれたら、私を無視してね。迷惑はかけたくないから」

 そして私たちは、明日の準備をしてから、明日に備えて眠ることにした。

 夢でハルトさんに出会えるといいな、なんて思いながら、私は目をつむった。

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