君はゴリラ
2話 . ゴリラと初めて会った時
今日は西中学校の入学式。朝早くから雨が降った。学校の職員玄関の前にはクラス分けのポスターが貼られている。
「あれ?莉帆ちゃん1年4組!?私も4組だよ!仲良くしてねえ〜?」
四年生の時だけ同じクラスだった女の子から突然話しかけられた。一人でいるのが不安だった私は暫くその女の子と一緒にいるようにした。
初めて入る教室。初々しく制服を着こなす中学一年生が沢山席に座っていた。廊下側の一番前の席。ニヤニヤしながら周りを眺めている黒い顔の人。
「あの人ゴリラだ。」
目が合った瞬間そう呟いてしまった。運良く例のゴリラさんには聞こえてなかったらしく、命拾いしたなと思った。それが古生稜祐( こいけりょうすけ )、またはゴリラとの初めての出会い。
入学式が終わると各自家に帰る。私は母とお買い物に行った。近くの100円ショップ。西中の制服を着たまま、店内を母と歩いていた。するとピンクの服を着た肌の黒い人がニヤニヤしながらこっちを見ていた。カートに小さい子を乗せて時々目が合った。気持ち悪くて逃げ回っていた。見覚えのある顔と顔色だったけど、その時は全く気づかなかった。
そう、ピンクの男は稜祐だった。小さい弟がいるらしい。カートに弟を乗せて買い物なんて、良いお兄ちゃんじゃん。ゴリラやるじゃん。なんて。稜祐のこと考えたりしてた。
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