転生して邪神になったのでとりま世界滅ぼします
36話 エルフの都その二
今俺は猛烈な罪悪感を覚えている。目の前でつい最近知り合った少女が、お姉さんと言われると信じてしまうぐらい若い母親にお仕置きを受けているのだ。泣き叫ぶ娘の尻を容赦なく叩き、説教をしている姿はまるで地獄の覇者なのではないかと思うぐらいの恐怖のオーラを放っていた。近くで正座をしている少女たちは恐怖で顔が青ざめ、魚のように口をパクパクしている。ここで俺が何故罪悪感を覚えるかというと、本来なら正座をしている少女たちと並ばなければならないところをめんどくさいので逃げてしまったからだ。
(・・・確かにお母さんのことを思いだすとこの世の終わりぐらいの表情になってたがまさかここまで怖いとは思っていなかったな)
ここはエルフ界の首都アルブヘイムにある、王城アルブヘイム城、それも最深部の王妃の部屋。そこには少女の精神が狂いそうなぐらいの絶叫が、何時間も響いていた。
◆❖◇◇❖◆
─ 三日前 ─
俺たちはウハウハ状態で知り合いが経営するギルド支部に向かったのだが、俺は入口でなにか大量の気配がしたのでスキル『生体感知』で何事か調べた。するとギルドマスターである、ルナとざっと30人、皆ガチガチの甲冑装備で腰の脇に様々な長さの剣を刺していた。俺は前世のラノベ知識のおかげですぐにそれらが騎士だと判った。
「みんなちょ...」
「ん?どうしたのかずと?」
「いや...なんでもない」
「悩み事があるなら私で良ければいつでも相談に乗ってあげるわよ!」
「わ、私もです!」
「ありがとう、本当に大丈夫だから安心して」
(いや、言える訳が無い...うん)
みんなを呼び止めようとした俺だがが、俺はすぐに止めた。ふと冷静に考えてあの騎士は明らかにリアスを迎えに来ていて、どちらが悪いかと言えば、ほぼ間違いなく家出をしたリアスが悪いのだ。それにリアスはあんなに怖がっていたが、お母さんだってきっとものすごく心配しているだろう。そして俺はリアスの母親と迎えにきた騎士達の為にあえて本当のことを彼女達に言わないで置いた。結果俺の予想通りになり、少女達は沢山の騎士達に囲まれて、ギルドの裏側に停めていた、商業用の馬車とは比べ物にならないほど大きく、豪華な馬車に乗せられて行った。行き先は恐らく王城なので、なにか非常事態がなければ大丈夫なのだが、念の為見失わないように俺は、スキル『気配消去』でこっそりと馬車の屋根の上に乗った。
「ちょっと何勝手に悟ってるのよ!あ・な・た・の・せ・い・で、リアム叔母さんにシバかれるのよ!?こんなの炎龍に襲われた時の方がよっぽどマシよ!!」
(・・・そいえば状況を知らせとかないとな)
そう思い、紙とペンをアイテムボックスから取り出し、手紙を書こうとするが...
(・・・揺れて上手くかけない....)
現在俺は走っている馬車から落ちない為に硬化魔法の応用で俺と馬車を一つパーツとして相対位地固定をしている。無論、紙もしてちるのだが、揺れるものは揺れる。結果として紙と俺ごと揺れているのでペンを上手く動かすことは難しい。
「あれぇーねぇ、ルナ〜もしかして私たちって捕まっちゃった?」
「もしかしなくても捕まってるわよ」
「ねぇ...冗談だよね?」
「冗談じゃなかったら?」
「「...」」
相変わらず、リアスはボケをカマしているようだが、そんなことよりも手紙を書かねばならない。
(・・・というか俺が居ないことにまだ気付いてないのか)
何気なく俺はチート能力を持とうが、前世同様、影が薄いということが証明されていて傷ついたのだが、結果からして見ればまだ気付いていないのは好都合だ。
だが....
(・・・さて、どうしたものかな)
本来ならチート能力で魔法を創るなり、スキルを創るなりすればいいのだが、GREEさん曰く「魔法やスキルにしろ、発動した時に何らかの事象干渉が起きて初めて存在するということが認められるので、そういう部分が曖昧な物はスキルや魔法として認定してもらえず、創れない」ということだそうだ。例えばこの場合で言うと、「馬車の揺れを無くす魔法」を創ろうとしても、揺れを無くすには複数方法があり、具体的にどういう風に作用すればいいか曖昧で、しかもそれだと「馬車の揺れを無くす」という事にのみ魔法が作用するようにしなければならないから、どっちにしろ不可能なのだ。
ということで...『ヘルプGREE』
A:お久~マジこのままあたい誰の記憶にも残らず消えていくのかと思ったわ、つーかマジ暇だったんだけど、いきなり出て来るとビックリして悪いかと思うし、まぁすっかりあたいの存在忘れてる作○の野郎がいけねーんだけど
なんか、見る度に口が悪くなっているのは気の所為だろうか?
A:あ?なんか文句あんのかゴラ、誰のお陰で今まで苦労せずにここまで来れたとおもってんじゃ儂
ひいいいぃ!マジすんませんGREEの姉貴!
いや、マジで俺にもう手に負えないよ、前世の癖で、口悪い人怖いから逆らえないんだよ...
A:んで、オメーはようするに今急ぎで手紙を書きたいわけだ。
そうなんです姉貴!!「馬車の揺れを無くす」というのだと定義が曖昧だからできないんすよ!
A:オメーホント馬鹿じゃねーのか?振動を無くす以前に書ければいいんだから、紙に文字を浮かび上がらせる魔法ならインクを発生させ、文字になるように整えるという具体的な事象干渉があるわけだし、それを創ればいいじゃないかよ、...というか実在するし。
GREE姉貴曰く、元から貴族のお抱えで、コピー機替わりにそういう魔法が使える人を雇っていて、なかなか表舞台で見ることは少ないが、実はかなりの人数がいたりする。
ということでGREE姉貴のお陰でなんとか手紙を書けた訳なので、とりあえずこっそり一番端のダフネちゃんの膝の上に乗せておいた。
(なんにせよ、これで一安心、王城に着くまで寝るか)
とは言ったものの実は全然寝れなかった。俺は魔法の効果により、走行中の馬車から落とされることは無いのだが、それでも振動は直に伝わってくるので、とてもじゃないけど寝れそうになかった。
「あれ?そいえばルナはなんでここにいるの?」
「ちょっと、それは酷くない!?」
「じゃなくて、ルナは私たちを捕まえるのに協力したのになんで連行されてるのかってこと」
「それなんだよ!!本当にアイツら私のこと騙しやがって!騎士道の言葉が聞いて呆れるわ!」
俺は寝れなくて暇なので下の少女達の会話(会議とも言えるが)を盗み聞きしていたのだが、ルナもルナで馬鹿なのかもしれないと思った。
(類は友を呼ぶとはこのことか...)
自分も友達の一人でもあることを棚に上げて失礼なことを言っている青年の姿があったかもしれないが気にするな。
三日後少女達は地獄を味わうのだが、それまでに『家出言い訳討論会』は終わるのだろうか?そんなことを考えながら俺らは馬車で揺らされながら王都に向かった。
─ おまけ ─
「薄情者には成敗が必要だよね、あははは...楽しみだなぁ!あははは...グスン」
(こりゃヤバいな...どうご機嫌を取ればいいのか....)
試しに表情を見たのだが、目が死んでいたとだけ言っておこう。それ以上は語りたくない。怖すぎる。しばらくは、リアスの前に現れることはやめておこうと心に誓うのだった。
A:おい、てめぇあたいの存在忘れてただろ?あ?
作者「いや...そのなんと言いますか」
A:グダグダ言ってねーで土下座しろや!!
作者「はいぃ!!」m(_ _汗)m
はい、ということで前回から2週間ぶりですね、なんとか今日に間に合って良かったという感じです。期末までそこまで忙しくないので、週一ぐらいなら投稿出来そうです。毎度ご愛読ありがとうございます!
(・・・確かにお母さんのことを思いだすとこの世の終わりぐらいの表情になってたがまさかここまで怖いとは思っていなかったな)
ここはエルフ界の首都アルブヘイムにある、王城アルブヘイム城、それも最深部の王妃の部屋。そこには少女の精神が狂いそうなぐらいの絶叫が、何時間も響いていた。
◆❖◇◇❖◆
─ 三日前 ─
俺たちはウハウハ状態で知り合いが経営するギルド支部に向かったのだが、俺は入口でなにか大量の気配がしたのでスキル『生体感知』で何事か調べた。するとギルドマスターである、ルナとざっと30人、皆ガチガチの甲冑装備で腰の脇に様々な長さの剣を刺していた。俺は前世のラノベ知識のおかげですぐにそれらが騎士だと判った。
「みんなちょ...」
「ん?どうしたのかずと?」
「いや...なんでもない」
「悩み事があるなら私で良ければいつでも相談に乗ってあげるわよ!」
「わ、私もです!」
「ありがとう、本当に大丈夫だから安心して」
(いや、言える訳が無い...うん)
みんなを呼び止めようとした俺だがが、俺はすぐに止めた。ふと冷静に考えてあの騎士は明らかにリアスを迎えに来ていて、どちらが悪いかと言えば、ほぼ間違いなく家出をしたリアスが悪いのだ。それにリアスはあんなに怖がっていたが、お母さんだってきっとものすごく心配しているだろう。そして俺はリアスの母親と迎えにきた騎士達の為にあえて本当のことを彼女達に言わないで置いた。結果俺の予想通りになり、少女達は沢山の騎士達に囲まれて、ギルドの裏側に停めていた、商業用の馬車とは比べ物にならないほど大きく、豪華な馬車に乗せられて行った。行き先は恐らく王城なので、なにか非常事態がなければ大丈夫なのだが、念の為見失わないように俺は、スキル『気配消去』でこっそりと馬車の屋根の上に乗った。
「ちょっと何勝手に悟ってるのよ!あ・な・た・の・せ・い・で、リアム叔母さんにシバかれるのよ!?こんなの炎龍に襲われた時の方がよっぽどマシよ!!」
(・・・そいえば状況を知らせとかないとな)
そう思い、紙とペンをアイテムボックスから取り出し、手紙を書こうとするが...
(・・・揺れて上手くかけない....)
現在俺は走っている馬車から落ちない為に硬化魔法の応用で俺と馬車を一つパーツとして相対位地固定をしている。無論、紙もしてちるのだが、揺れるものは揺れる。結果として紙と俺ごと揺れているのでペンを上手く動かすことは難しい。
「あれぇーねぇ、ルナ〜もしかして私たちって捕まっちゃった?」
「もしかしなくても捕まってるわよ」
「ねぇ...冗談だよね?」
「冗談じゃなかったら?」
「「...」」
相変わらず、リアスはボケをカマしているようだが、そんなことよりも手紙を書かねばならない。
(・・・というか俺が居ないことにまだ気付いてないのか)
何気なく俺はチート能力を持とうが、前世同様、影が薄いということが証明されていて傷ついたのだが、結果からして見ればまだ気付いていないのは好都合だ。
だが....
(・・・さて、どうしたものかな)
本来ならチート能力で魔法を創るなり、スキルを創るなりすればいいのだが、GREEさん曰く「魔法やスキルにしろ、発動した時に何らかの事象干渉が起きて初めて存在するということが認められるので、そういう部分が曖昧な物はスキルや魔法として認定してもらえず、創れない」ということだそうだ。例えばこの場合で言うと、「馬車の揺れを無くす魔法」を創ろうとしても、揺れを無くすには複数方法があり、具体的にどういう風に作用すればいいか曖昧で、しかもそれだと「馬車の揺れを無くす」という事にのみ魔法が作用するようにしなければならないから、どっちにしろ不可能なのだ。
ということで...『ヘルプGREE』
A:お久~マジこのままあたい誰の記憶にも残らず消えていくのかと思ったわ、つーかマジ暇だったんだけど、いきなり出て来るとビックリして悪いかと思うし、まぁすっかりあたいの存在忘れてる作○の野郎がいけねーんだけど
なんか、見る度に口が悪くなっているのは気の所為だろうか?
A:あ?なんか文句あんのかゴラ、誰のお陰で今まで苦労せずにここまで来れたとおもってんじゃ儂
ひいいいぃ!マジすんませんGREEの姉貴!
いや、マジで俺にもう手に負えないよ、前世の癖で、口悪い人怖いから逆らえないんだよ...
A:んで、オメーはようするに今急ぎで手紙を書きたいわけだ。
そうなんです姉貴!!「馬車の揺れを無くす」というのだと定義が曖昧だからできないんすよ!
A:オメーホント馬鹿じゃねーのか?振動を無くす以前に書ければいいんだから、紙に文字を浮かび上がらせる魔法ならインクを発生させ、文字になるように整えるという具体的な事象干渉があるわけだし、それを創ればいいじゃないかよ、...というか実在するし。
GREE姉貴曰く、元から貴族のお抱えで、コピー機替わりにそういう魔法が使える人を雇っていて、なかなか表舞台で見ることは少ないが、実はかなりの人数がいたりする。
ということでGREE姉貴のお陰でなんとか手紙を書けた訳なので、とりあえずこっそり一番端のダフネちゃんの膝の上に乗せておいた。
(なんにせよ、これで一安心、王城に着くまで寝るか)
とは言ったものの実は全然寝れなかった。俺は魔法の効果により、走行中の馬車から落とされることは無いのだが、それでも振動は直に伝わってくるので、とてもじゃないけど寝れそうになかった。
「あれ?そいえばルナはなんでここにいるの?」
「ちょっと、それは酷くない!?」
「じゃなくて、ルナは私たちを捕まえるのに協力したのになんで連行されてるのかってこと」
「それなんだよ!!本当にアイツら私のこと騙しやがって!騎士道の言葉が聞いて呆れるわ!」
俺は寝れなくて暇なので下の少女達の会話(会議とも言えるが)を盗み聞きしていたのだが、ルナもルナで馬鹿なのかもしれないと思った。
(類は友を呼ぶとはこのことか...)
自分も友達の一人でもあることを棚に上げて失礼なことを言っている青年の姿があったかもしれないが気にするな。
三日後少女達は地獄を味わうのだが、それまでに『家出言い訳討論会』は終わるのだろうか?そんなことを考えながら俺らは馬車で揺らされながら王都に向かった。
─ おまけ ─
「薄情者には成敗が必要だよね、あははは...楽しみだなぁ!あははは...グスン」
(こりゃヤバいな...どうご機嫌を取ればいいのか....)
試しに表情を見たのだが、目が死んでいたとだけ言っておこう。それ以上は語りたくない。怖すぎる。しばらくは、リアスの前に現れることはやめておこうと心に誓うのだった。
A:おい、てめぇあたいの存在忘れてただろ?あ?
作者「いや...そのなんと言いますか」
A:グダグダ言ってねーで土下座しろや!!
作者「はいぃ!!」m(_ _汗)m
はい、ということで前回から2週間ぶりですね、なんとか今日に間に合って良かったという感じです。期末までそこまで忙しくないので、週一ぐらいなら投稿出来そうです。毎度ご愛読ありがとうございます!
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