【打ち切り】Rank.0にして最強につき

Aksara:q

第7話 ストーカー注意



 ・・・・・・・・・・・・・・・。


「出て来ねえな」
「出て来ませんね」


 これで出て来たらそれはそれで只の間抜けだが、鎌掛けでもハッタリでもなく本当にいる事に気付いてるからなぁ。
 察するに相手は大した事の無い小物だから相手はトルドレスに任せても良いんだがな。その間に俺は帰るけど。


「なぁ、トルドレス」
「何ですか先輩?」
「アレ相手にする必要無いから帰って良いか?」
「良いですよ。なんなら私が殺っておきますけど」


 目を煌々と輝かせて物騒な事言ってんなぁ。
 あー、でもどうだかねぇ、此奴がやられるとは思ってないが、相手のRankは7とかだ。無傷とはいかねえだろうよ。
 その事を知らないから万が一にも負ける可能性がある。
 別にこの世は全てRankで決まる、とかじゃないし。
 下のRankに負ける事だってある。
 実際、俺は一応無敗だし。
 取り敢えず、後輩に後始末押し付けたとなっちゃ先輩ズラ出来なくなっちまうからな。

「そーだな。じゃあこうするか」


 ————————パチンッ


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「「へ?」」


 突如、背中越しに此方を見るフードを目深に被って口元をマスクで隠す怪しい女が現れた。
 呼んだの俺なのに怪しいとか言っちゃ悪いか。でも俺らを付けてたんだから文句無えよな?
 あまりにも突然過ぎたのか、二人は互いを見やって固まっている。
 先に動いたのはトルドレスだった。


「・・・・・・・・・えーっと、先輩?一体何をしたんですか?そしてこの方は?」
「あ?何って俺らを付けてた奴を呼んだだけだが。何か特別な事でもあったか?」


 ん?本当に何言ってんだ?
 此奴だって付けられてる事に気付いてたのに。
 と言うか相手も戸惑っているのが分かるな。スゲーキョロキョロしてるわ。

 
「特別な事も何も・・・・・・・・・今どうやって魔法使ったんですか?」
「は?魔法なんて難解な物使ってねえけど」


 おいおい此奴中等部主席だと聴いてるんだが、大丈夫なのか中等部。
 ・・・・・・・・・まぁ、逆に一目見て理解されたらそれはそれで俺がショックを受けるんだけどな。そうならなくて良かった。いや本当に。
 それよりも今は目の前のストーカーだな。
 ストーカーは俺らの前で警戒心むき出し対峙している。一方的だが。
 逃げ出すなんて愚行をしない辺り、まだ脳があるらしい。


「ストーカーなどではない!」
「へ?・・・・・・・・・私たち一言もそんな事言ってないですけど、失礼ですが頭の方大丈夫ですか?」


 ・・・・・・・・・へぇ、 “悟り” か。


 この情報に関しては結構有名な話だが、 “覚り” とは簡単に言えば『相手の心情を読み取る』力で、一定以上極めれば “悟り” と言われる『相手の心の声を聴く』とされる力となる。
 この力は恩恵であり、恩恵とは努力して得られるものではなく、生まれながらにして持つ場合が殆どのケースだ。


 だが、ストーカーと呼ばれるのは嫌そうだからな。何と呼ぼうか。


 “男。口で名を尋ねろ。答えてやる”


 完全に端末だな。


「まぁ、そう言ってやるな。此奴も何かと色々溜まってるのかもしれないだろ。こんな下らない事やってるくらいだしよ」
「そうですね、相手の力量も計れない下っ端ですもんね」



 俺の言葉にトルドレスの更なる追い打ちがストーカーを襲う。
 そのせいでストーカーが俺らを睨んでいる。


 此奴本当にズバッと言うなぁ・・・・・・あ?


 苦笑しながらトルドレスの方を横目で見やったが、そこで微弱な力の流れも見えた。


 あぁ、成る程な。納得したわ。
 お前、トルドレスの外殻魔力に悟り弾かれてんのかよ。


  “五月蝿い。余計な事を言うな。そう言うお前は外殻魔力どころか所持魔力すらも全く感じない雑魚だろ” 


 ・・・・・・・・・・・・・・・。


「まぁ、良いや。テメェどっか行きな」


「「え?」」


 二回目だな、この反応。


「え、はい?いや先輩?良いんですか逃しちゃって」


 俺の言葉がそれ程意外だったのか、再びトルドレス。
 相手も戸惑っている様子だ。


「構わねえよ。どうせ拷問までしたって此奴は何も話さねえし、それにその必要は無えからな。無駄な手間を掛けたくねえんだよ。それより早く帰ろうぜ。ふぁ〜あ・・・・・・・・・もう眠くてしょうがねえ」
「まぁ、先輩がそう言うなら構いませんけど。それじゃあストーカーさん。失礼します」


 ストーカーを置いて俺らは家に向かって歩き出した。
 ストーカーは背後でボケーっと突っ立っていた。


 ・・・・・・————————


「気ぃ付けろよ〜」


 軽く手を振ってその場から歩き去った。


————————————————————



「え、お前が住んでんの此処なのかよ」


 俺らが立っているのは和風の大きな屋敷の門の前だ。
 正に豪邸。
 屋敷は二メートルと少しくらいの壁に囲まれており、その広さは学校並み、下手すればそれ以上だ。
 基本的には一階のみだが、屋敷の四隅には五階建ての櫓の様な物が建っている。
 門から入っても玄関の扉まで五〇メートル程離れている。


 マジかよ・・・・・・・・・。


 この屋敷が視界に入って来た瞬間、まさかとは思ったがそのまさかだとは。
 此ればかりは少しだけ驚いたわ。
 だけど、もっと言えば驚きよりも呆れと納得の方が大きかった。
 何故なら、俺はこの屋敷を知っている。
 いや、この屋敷の存在自体はこの区域に住んでいる人々なら皆知っている筈だ。その詳細は知らずともな。
 だから正しく言うのならば、この屋敷の家主を知っている。


「ええ、そうですよ。此処が私の住んでいる家です」


 トルドレスは迷わず門の前に近づいた途端に、門が独りでに開き始めた。
 門をくぐって行く姿を、俺は呆れて見ていた。
 そして振り返って来たトルドレスは、イタズラが成功したかのような笑みを浮かべて俺の方を向く。


「どうですか?驚きましたか?」
「・・・・・・・・・ああ、少しだけな。お前がテメェと住んでるとは思いもしなかったわ」


 今度はトルドレスが、しかし其処には意外性が混じった驚きを見せていた。
 門の上の影は余裕の笑みを浮かべていた。


「一応聞いておくが、お前らどんな関係なの?」
「それには儂が答えよう!」


 月を隠す雲が開き、門の上の影を月光が射す。
 そこに腕を組んで立っていたのは、金髪ワンピースの美少女。



 即ち——————————学園長だった。
















【あとがき】


今回もまたどうもどうも。
いや〜いつもより短い気がするんですよね〜今回。
一〇〇〇文字以上としか作成条件つけてないんで、甘いとは思うんですけどね。
正直二〇〇〇に増やしても良い気もするんですけど、モチベーションがね・・・・・・・・・。

「テメェは五〇〇〇なきゃ読者に伝わらんだろ」

ハハハそんな事言うなよ!そんな事無いよね?よね?
まぁ、そんな事より、察してる方も居るかと思いますが、今回内容薄いです。
いえいつもなんですが今回は特に。
臨機応変をモットーにしてるんで溜めてないんですよ。
・・・・・・・・・まぁ、だから月一ペースなんですけどね。
簡単に言うとネタ切れです。
はい、早いですね。
ですのでここ数話はハッキリしない内容が続くと思いますが、頑張って!諦めないで読んでください!お願いします!

「何言ってんだ此奴?」

えー、最後まで読んで頂きありがとう御座います!
誤字脱字感想はお待ちしております!
七月に頂いた二つの感想はとても励みになりましたので、それは次の話で思い出して頑張ります(笑)。

それでは失礼します。

「またな」



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