【打ち切り】Rank.0にして最強につき

Aksara:q

第1話 遅刻はしても休息なし



 流石にこの時間じゃ学生は少ないな。


 現在の時間は10時過ぎくらいで、彼を除く学生の殆どは教師の教えを受けている頃だろう。“全て”ではなく“殆ど”と表現したのは、今の御時世では極少数だが不真面目は絶えないから。
 彼は完全に不真面目枠に入るのだが、現在進行形で登校している。・・・・・・まぁ、誰が何をしようと遅刻は免れないのだが。


「気温は微妙、日光微妙、今日の受講内容も微妙か、・・・・・・んじゃいつも通りだな」


 そう、本人以外は分からないであろう事を思って、居住区の仄暗い細道に入って行った。




          ●




 この道は学校へ行く際にはいつも通っているのだが、今日はそのいつもとは何処か違っていた。


 ・・・・・・・・・・・・あ?こんな道を通った奴がいるのか?


 裏道の先を真っ直ぐ見据えた瞬間に、そう思う根拠は一つ。
 この裏道には左右の建物から出たであろうゴミが所々に落ちている。それもゴミ袋などではなく、ソファーやらPC、洗濯機などもある。
 そのゴミの配置は誰かが此処を通らない限り変わらない。
 彼のように、配置を把握している人は必然的に通りやすくぶつからない経路が分かるのだが、普通の人が経路を見つけ出すには半月程は掛かるだろう。
 まぁ、それを俺は10数分で見つけ出したのだが、それは例外だ。
 ようするに、誰かこの道を通った事になる。


 よく見つけられたな。だがこんなに荒らされちゃ迷惑極まりねえな。
 ま、退屈しなければ良いけどな。
 

 嘲笑を浮かべた。
 足下に落ちていた小石を拾い上げ、右手で弄りながら歩みを進めた。小石の理由は進めば自ずと分かる。


「・・・・・・・・・〜〜〜」


 3分の1位だろうか。2分ほど進んだら、微かにだが前方に物音が聞こえて来た。何を言っているかまでは聴き取れない。
 妥当に考えれば先に通ったものだろうが、どうやらあまりにも進みが遅い様だ。
 まぁ、これだけ荒らして進んでいれば相手の進むペースも分ってくると言うもの。
 

 この道は確かに学校への近道なのだが、それは経路を知って居るものに限られる。
 どんな道かも想定していない者には寧ろ遠回りになり得るのだが、どうやら見事に苦難を乗り越えて居る最中らしい。この調子ではまだ半刻はこの道に捕まっているであろう。


 と、思っていたのだが。


 あ?


「道を開けて下さい。遅刻しちゃうじゃないですか」


 いや、時間は既に10時半になろうろしているのだけどな。


 彼の先に行っていたのは一人ではなかったようだ。逆から来た可能性もあるけど。
 だが、今の状況はそんな事どうでも良い。
 女子生徒が複数人の男に絡まれてるのすらどうでも良いのだ。
 彼の思考には全く別の疑問が浮かんでいた。


 あ〜ぁ、可哀想に・・・相手が悪いなぁ。南無阿弥陀。いや、ギリギリ大丈夫か?


 それは珍しくも“心配”だった。
 彼は基本的に他人には興味ないはずの人間だ。それも見ず知らずの相手なら尚更の事。
 相手がどれ程困っていようが、邪魔だろうが彼には関係ない事だろう。
 そんな彼が心配する程の状況と言うのはそれはレアなもの。


 でも漏らしそうだなぁ、彼奴。


「嬢ちゃんや、別に俺らはお前を苛めようって訳じゃねぇんだよ。ただ一緒に遊ばないか?って誘ってあげてるだけなんだぜ?」
「学校があるって言ってるじゃないですか。貴方がたの様な愚かしい者と共にする時間は生涯持ち合わせておりませんので」


 そろそろ動くかな。


 彼はその騒動から少し離れた所で廃材の上に腰を掛け、事の転末を見届ける事にした。
 結局学校に着くのはいつになることやら。
 しかもそれは彼だけでなく、絡まれている彼女にも言える。
 

「もう良いです」


 ————————瞬間。


 彼女の周りの空気が変わった。


 それは雰囲気を指す空気ではなく、文字通り彼女の周りだけ目に見える程の冷気が彼に及ぶ直前までの空間の存在概念を凍らせた。


 あーあ、やっぱこうなるか。


 彼女の横顔を見つめて思い出した。


「そういえば居たな。極東区白ヶ夜学園きょくとうくびゃくがやがくえん総十席にて第三席。 “赤眼の星零姫Scarlet Maxwell” ことアリセリシ=S・トルドレス」


 彼女の赤い瞳は深く冷めていた。





「厨二くせぇ・・・・・・・・・」














 人間誰しもが存在すれば何らかの可能性を秘めている。
 それは大小と個人差は在るものの、開花すれば可能性は己の助けとなる。
 助けになるならば、逆に枷にもなり得るその力。


 人類が産まれしも与えられた超常的異能力。




 
・・・・・・・・・・・・・・・人はそれを “恩恵ギフト” と呼ぶ。
 



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【あとがき】


どうも初めまして。作者のAksaraアクサラです
この第1話を読んでいただきありがとう御座います


「おい、文字数少なくね?2000てなんだよ。作者どころか作者(仮)の片隅にすら置けねぇよ」


え、だってちゃんと・・・・・・


「亀投稿としか書いてねぇよ。亀でこの文字数じゃ救えねぇな」


何でコイツに此処まで言われてるんでしょうか・・・・・・?


「ま、次話は山場でも作って最低でも5000は仕上げろ」


5000・・・・・・ ︎
やった事ない文字数・・・・・・・・・が、頑張ります


まぁ先ほども言った通り亀投稿で良くて月一投稿です
ですので読者の方が頑張って下さい
指摘、感想などお待ちしいます。


ありがとう御座いました
「どうも」

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