氷炎騎士の騎校生活(スクールライフ)

真木 輝

騎士王戦 予選 ⑩

「アリス!」

秋風がアリスのもとへ走る

「・・・・」

どうやら意識を失っているだけみたいだ

「何をしたんですか?」

秋風はかなりの殺気をもって血原に問う

「あの子が魔力を集中させている間に、私の血であの子に触れたのよ」

「あの子は光を反射させて、血の膜がどこに張り巡らされているのか、わかっていたようだけど」

「魔力を高めるのに集中しすぎて、気づかなかったのよ」

「そうですか・・・」

「アリスはいつ目覚めますか?」

「そうね、5時間後くらいかしらね」

5時間!

なんて時間の長さだ

アリス・・・・

「どいてください」

救急隊がアリスを運ぶ

「さぁ、早く最終試合やりましょう」

「アリスの仇は俺がうつ」

秋風は魔力を高めている

「いい度胸だ、東山」

出てきたのは、序列3位の氷山だ

「どっちの氷が強いか勝負しようじゃないか」

「いいですよ、俺はこの試合で炎を使いません、それで負けても後悔しないでくださいね」

「そ、それでは、両者出揃いましたので試合を開始します」

「バトルスタート!」

先に動いたのは、氷山だ

「こい、『凍氷剣』」

魔法具を出現させる

そして、秋風のもとまで、走り出した

「魔騎士モード 『氷』」

秋風の身体が氷の鎧に覆われていく

「『蒼凍』!」

秋風も魔法具を取りだす

そして、氷山を迎えうった

ガキン!

金属音が響き渡る

「凄まじい剣の打ち合いだぁー、どっちが上でしょうか?」

「うーん、秋風が二刀流なら秋風の方が上だろうが、奴は今一刀流だからな」

「今は氷山くんの方が上だね」

「だけど、多分今日の秋風はひと味違うよ」

炎一郎がそう言ったの瞬間、秋風は動いた

「『落氷弾』!」

秋風は、剣の打ち合いの最中に、魔法を使ってきたのだ

巨大な氷が上から落ちてくる

「くっ」

これは氷山も避けざるを得ない

「貴様、なんで騎士の状態で、魔法士じみたことができる?」

通常の騎士モードなら、武器に魔力を集中させるため

大した魔法は使えない

だが、秋風は騎士モードの最中にかなりの規模の魔法を使ったのだ

「さぁ、それは教えられませんねっ!」

秋風が地面を蹴って飛び出す

「氷よ剣に纏え」

剣が氷の魔力を纏った

「『氷連斬』」

秋風の斬り裂いた先に氷が連なっていく

それを何回も斬りつけるため

フィールドは氷で埋め尽くされていく

「調子にのるなぁ!  『氷盾』」

氷山はそれを氷の盾で防ぐ

そして

「お遊びは終わりだ」

そう、氷山は剣を投げ捨てたのだ

もともと、氷山は魔法士だ

だが、剣も巧い

「『アイス・アンデッド』!」

地面から氷のアンデットが次々と現れる

「進軍だ!」

そしてアンデットたちが秋風を襲う

「『氷の千剣』!」

秋風はそれを、千本の氷の剣で迎え撃つ

「かかったな、バカが」

その瞬間、氷山が笑う

「なっ」

そう、アンデットたちは、氷剣を吸収して大きくなっていくのだ

「こいつらは、氷を吸収するんだよ」

「終わりだ、死ね」

アンデットたちが一斉に秋風に襲いかかる

その時、秋風も剣を地面に突き立てた

「魔騎士モード 『氷』解除」

そして秋風は魔騎士モードを解いたのだ

「へっ、無様だな、諦めたのか?」

「いいや、すいませんね、まだ本気を出してなくて」

「ふっ、ほざけ、今のお前に何ができる」

炎はこの試合では使わない

けど、これは一様、氷だ

「こい、『紅氷龍』!」

秋風は赤い銃を取り出した

   

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