邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百八十一話 嘲笑う人馬

9章 Grim happy end


「ああ、終わりだとも」

この戦いに勝ったら解放するとでも言われたのか、仲間を斬り殺した青年は機敏な動きで試合の終わりを告げたケンタウロスへ走り寄る。

「ありがとうございます!ありがとうございます!ラドエル様!」

そうして青年はケンタウロスに近寄っていき、ついにラドエルと呼ばれた最も巨大で強大なケンタウロスの前までやってきた。

「俺は自ゆ

そこまで言いかけた時、青年の頭が吹き飛んだ。

比喩ではない。

現実の出来事として、人間の頭が吹き飛んだのである。

無造作に振り払われた斧槍ハルバードにより頸椎は折れ衝突したハルバードの勢いによりそのまま皮膚と肉は断裂し、首から上が千切れて吹き飛んでいく。

肉厚の刃の腹が直接叩きつけられた頭部は豆腐のように粉砕され、頭蓋骨は血液の赤に染まり、空いた穴から脳髄が飛び出し、流れる血と合わせて地面に真っ赤な肉の花を咲かせていた。

「終わりだ。貴様の人生のな。我々によって殺されることで、下等種族たる人間であってもその生に意味があるというものよ」

「違いない!」
「さすがラドエル殿!」

口々に周囲のケンタウロスが同意を示し、その醜悪な顔におぞましい笑みが浮かぶ。

「次は何にしましょうかね」
「磔刑はどうです?磔にして火で炙るなど」
「いやいや、針串刺しも欠かせませんぞ」

大勢の人馬が寄り集まり、下等種族に対する愉悦と嘲笑を隠そうともせずに話を始める。

「やつらは弱者ですからな。上位種族たる我々ケンタウロスならば赤子ですら戦士であり、人間を殺すなど容易いというのに」

「全くだ。何より脆すぎる。軽く踏んだり、蹴り飛ばすだけで終わってしまう。物足りないのだ」

「その通りですよ。さっきもそうだ。ラドエル殿があんな軽くハルバードを凪いだだけで死ぬとは、しかも頭部が吹き飛び、脳髄をばら撒くなど。戦士としての、いや、生物としての恥ですな」

「違いない!」

再び人馬の嘲笑が響きあい、そして夜は更けていく。

いつしか酒盛りが始まり、やはりその席でも人は無様に殺されていた。


誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです

(誤字脱字がありましたら、何話かを明記・・・・・・した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)

いいね、フォローもお願いします

Twitterのフォローもお願いします
(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)

Fictionalizerに参加したいという方は私のTwitterにリンクが載ってますのでそちらからどうぞ

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品