邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百六十八話 サーチ・イズ・アンデット

9章 Grim happy end


そう言えば、このエリアの名称は「荊骸の森」と言うらしい。
荊骸の森というのならばアンデットが出てきそうなものだが、その肝心なアンデットに一度も遭遇していない。
考えられるのはアンデットが何かしらの理由で居ないか、それともそもそもアンデットが出現しないのか。
後者であるならばなぜそんな名前なのかが気になるところである。 
荊はわかる。
この森は尋常ではない量、それこそ大量発生でもしたのかと言うくらいに荊が群生している。
足元どころか腰程にまでを埋め尽くすように群生している荊は、鉈などで切り払わなければならないため、シグレの歩みを妨げている張本人だったりする。
この通り、荊については非常にわかりやすいのだが、もう一つ。
「骸」というのが分からない。

「夜しか出現しなかったりするんですかね……」

現在の時刻は昼。
荊の中で目覚めたのが日の出から少しだった程度、現在の太陽は中天に位置し、森の木々に遮られているが陽光は燦々と降り注いでいる。
可能性としてはあり得る話であろう。
であれば、地中にでも眠っているか、どこか、例えば洞窟などに隠れているか。
そんなことをする知能があるならある程度の強さは保証されているし、少し怪物が強いここの森で生きているのも納得である。

広域魔力感知エリア・マナサーチ広域生命感知エリア・ライフサーチ、射影の水鏡」

二つの感知魔術の結果が作り出された水の窓にそれぞれ生命は赤、魔力は青の点で反映される。

「…………いないようですね。それでは、何が「骸」の原因なんでしょうか?」

アンデットは生命な無きもの。
故に、アンデットがいるのであれば魔力感知により青い点のみが浮かび上がる箇所があるはずだが___結果はなし。
魔術によって感知することが出来た対象、その数十を超える全ての反応が赤と青の混ざりあった紫の点であった。
つまり、正常なる生命のみしかここには存在しないことを意味する。
そんなことを考えつつ、シグレは森の外、街の方へと進んでいく。
現在位置は森の中心から400mほどの場所だと確認し、これからの道のりに若干の気後れを覚えたシグレは、ため息をつくのだった。



誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです

(誤字脱字がありましたら、何話かを明記・・・・・・した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)

いいね、フォローもお願いします

Twitterのフォローもお願いします
(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)

Fictionalizerに参加したいという方は私のTwitterにリンクが載ってますのでそちらからどうぞ





「邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く