邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百五十三話 準備の終わり

8章 復活儀式


そんなわけで、シグレは今世界中を飛び回っていた。

空を駆け、地を疾駆し、海を越え、果てには天上の神の国にまでも渡り歩き、あまたの聖獣、幻獣、神達を味方へと引き込んでゆく。

「やっぱり目の前に具体的な脅威が存在すると人に限らず生物って団結するんですね。まあ今の我々にとっては都合がいいので、ありがたいのですが」
『生存本能とか、そういったものが奥底で働いてるんじゃないかなぁ。神とはいえど生物であることからは脱出できないわけだし、というか生物でなくなった瞬間自我もなにもかもが消え失せるからね』
「なるほど、神になっても『種の保存』を初めとしたあらゆる生物に存在する本能は無くならずにそのまま存在し続けているんですね」
『ああ、そういう事だ。そして、配給も終わったな』
「ええ、ニャルラトホテプが差し向けてくるものへ対抗するための魔道具、ティンダロスくらいは軽く追い返せるはずです。これで、こちらの時間軸においては大丈夫でしょう。ある程度力のない種族でも自衛だけはできるくらいの性能になっていますから、先程も言ったようにティンダロスの猟犬くらいなら追い返せますよ……回復系の魔道具以外にはクトゥルフ神話の生物以外に使用できないようロックをかけておきましたので、あくようされることはまずないとおもいます。何かしら悪意があった振った場合は効果が発動しないようにしましたし」

そんなことを話しつつ、シグレは話している間ずっと手をつけていた地面から光が漏れ出たことを確認すると、安堵の溜息を零して立ち上がった。

「そして、これで全世界に私の気、プラーナと言うんでしたか、が行き渡りました。これで有事の際は念じるだけで防御や妨害、こちらの支援といった内容の結界が自動展開されます。もちろん何が展開されるかは選択可能ですし、全てを展開することも可能です。そして、最後に全世界に設置した転移門によって被害があった時は即連携できるようにしておきました。これで私がいなくなった瞬間にすぐさまこちらの時間軸に存在する遍く全ての存在が消失することはまず無いでしょう」

地面に手を当て、数十秒ほど、手を当てられた地面が光り輝き、そこかしこの亀裂や僅かな隙間から光が漏れだすまでを見届け、やっと立ち上がったシグレはそんなことを言った。

『準備万端って感じだね』
「ええ、これで後顧の憂いは無くなりました。あとは、出発するのみです」


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