第三百三十五話横たわる大賢者

8章復活儀式

「師匠！」

そして、到着したのは実験室、そこにいたのは、血まみれで横たわる・・・・・・・・・セフィロだった・・・・・・・・・。

「………急いで来た意味ないじゃあないですか」
『訂正しよう。この大賢者やっぱり優秀だけどダメだ………』

血まみれで横たわるセフィロに対し、そこに到着したシグレは横たわるセフィロに回復魔法ヒールをかけ、粒子操作を起動し、セフィロの絹でできた服や丁寧に織り込まれ優美な刺繍が施された赤と金の絨毯と壁掛け織物タペストリーから血液の成分を分離させ、それを抹消した。

「師匠、起きてください。実験の事故と言ってもそんなに重篤なものではないのでしょう？」
「………そうじゃが、少しは心配しろよお主。師匠が血まみれで倒れとるんじゃぞ？」
「焦りましたし心配しましたよ？実際、資料室の入り口からこちらまで走ってきたわけですし」
「…………物を壊してはおらんじゃろうな。もし此処の蔵書を壊していたなら………」
「ありませんのでご安心ください、そもそも壊した程度なら私の能力ちからで時を戻して復元できますし」

シグレがそう言った瞬間、未だ横たわっていたセフィロが勢いよく顔を上げ、興奮した様子で「何！？それはまことか！」と叫んだ。

「え、ええ、できますけど……」
「ちょっとこっちに来い！」

気圧されたシグレがそう答えると、大賢者セフィロは勢いよく立ち上がり、シグレの腕を引っ張っていった。

「えっ……ちょっと、どこに行くんですか師匠！？」
「くればわかるわ！やったぞ……ついに…ついに喪われし旧魔導文明の遺産をこの手に……」

いくつもの扉を抜け、長い廊下を走り、ようやくたどり着いたその場所は、分厚い樫の扉で封印されていた。
その扉や外壁には幾重にも封印や結界が張り巡らされており、シグレの力を持ってしても一瞬で突破することは不可能であろうほどの強度であった。

『すごい強度だねぇ。どんな大切なものを隠しているんだろうか。ワクワクしてきたゼェ！』
『落ち着けクトゥルフ、しかし、ここまでの結界はそうそうお目にかかれん、確かに中身が気になるな…』

そんな話をしているとセフィロが何事かをつぶやき、扉がゆっくりと開け放たれた。
その先にあったのは、バラバラに砕け散った紙のかけらだった。

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