邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第三百十五話 End of hero
8章 復活儀式
「さようなら」
背中に触れた何かを起点に、自分が崩れ落ちていく。
ジークフリートが激痛に耐えながら慌てて後ろを振り返ると、そこには自らの手でジークフリートの背中の菩提樹の模様にその五指を触れさせたシグレがいた。
おかしい。
そう思いながら目の前のシグレであるはずのものへと振り返り、そしてその顔を見上げる。
がっしりと掴んでいた目の前のシグレの足首だったものが粘性を帯びたように流れ出す。
そして、黄金に変わった所すら粘体のようにに変化し、液体の飛び散る音を立てながら、シグレの身体は溶解した。
『……は?』
理解できない事象を認識する間もなく、自らの体は崩れ落ちていく。
見上げた美しい顔は無残にも溶けてゆき、黄金へと変わったはずの体はやはり黒々とした粘液が滴り落ちている。
べちゃべちゃと音を立ててシグレであったものが崩れ去ってゆき、溶け落ちた粘液がジークフリートの顔や手にかかってしまった。
『ぐわぁぁぁぁぁぁあぁ!?』
そして突如、満身創痍のジークフリートに焼けるような苦痛が走る。
「神をも溶かし尽くす粘液と約束された滅び、その二種に蝕まれたあなたは既に助かりませんよ」
そう言ったのは、真横から現れたシグレだった。
「腹を貫いた時も、そして最後の抵抗をした今も、貴方はただ、私の分身を相手にしていただけだったのですよ」
そう言ったのは、目の前で溶け消えるシグレだったものの後ろから現れたシグレで。
「私は無限に分裂、増殖が可能なのですから」
その言葉と同時に、目の前の地面から無数の黒々とした粘液が溢れ出す。
「つまり」
それはだんだんと人の形をとってゆき、そして、シグレの形となった。
「あなたの行動は、全くの無駄だった」
そうして生まれたシグレの分身たちは、ジークフリートに向けて、言葉の刃を容赦なく突きつけた。
ジークフリートの周り、360°は囲まれている。
地中はどうか?無理だ、そもそも大地を操る権能を持つやつにそれは愚策だろう。
空は?正面突破は?
『ああ、だめだ』
崩れゆく偽りの肉体に少しの名残惜しさを感じながら、ジークフリートの体は風化し、一陣の風によって吹き飛ばされて行った。
それと同時に分身は消滅し、シグレは立ち去っていく。
あとには、ジークフリートの剣が突き立てられていた。
うーん……
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
いいね、フォローもお願いします
Twitterのフォローもお願いします
(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)
Fictionalizerに参加したいという方は私のTwitterにリンクが載ってますのでそちらからどうぞ
「さようなら」
背中に触れた何かを起点に、自分が崩れ落ちていく。
ジークフリートが激痛に耐えながら慌てて後ろを振り返ると、そこには自らの手でジークフリートの背中の菩提樹の模様にその五指を触れさせたシグレがいた。
おかしい。
そう思いながら目の前のシグレであるはずのものへと振り返り、そしてその顔を見上げる。
がっしりと掴んでいた目の前のシグレの足首だったものが粘性を帯びたように流れ出す。
そして、黄金に変わった所すら粘体のようにに変化し、液体の飛び散る音を立てながら、シグレの身体は溶解した。
『……は?』
理解できない事象を認識する間もなく、自らの体は崩れ落ちていく。
見上げた美しい顔は無残にも溶けてゆき、黄金へと変わったはずの体はやはり黒々とした粘液が滴り落ちている。
べちゃべちゃと音を立ててシグレであったものが崩れ去ってゆき、溶け落ちた粘液がジークフリートの顔や手にかかってしまった。
『ぐわぁぁぁぁぁぁあぁ!?』
そして突如、満身創痍のジークフリートに焼けるような苦痛が走る。
「神をも溶かし尽くす粘液と約束された滅び、その二種に蝕まれたあなたは既に助かりませんよ」
そう言ったのは、真横から現れたシグレだった。
「腹を貫いた時も、そして最後の抵抗をした今も、貴方はただ、私の分身を相手にしていただけだったのですよ」
そう言ったのは、目の前で溶け消えるシグレだったものの後ろから現れたシグレで。
「私は無限に分裂、増殖が可能なのですから」
その言葉と同時に、目の前の地面から無数の黒々とした粘液が溢れ出す。
「つまり」
それはだんだんと人の形をとってゆき、そして、シグレの形となった。
「あなたの行動は、全くの無駄だった」
そうして生まれたシグレの分身たちは、ジークフリートに向けて、言葉の刃を容赦なく突きつけた。
ジークフリートの周り、360°は囲まれている。
地中はどうか?無理だ、そもそも大地を操る権能を持つやつにそれは愚策だろう。
空は?正面突破は?
『ああ、だめだ』
崩れゆく偽りの肉体に少しの名残惜しさを感じながら、ジークフリートの体は風化し、一陣の風によって吹き飛ばされて行った。
それと同時に分身は消滅し、シグレは立ち去っていく。
あとには、ジークフリートの剣が突き立てられていた。
うーん……
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
いいね、フォローもお願いします
Twitterのフォローもお願いします
(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)
Fictionalizerに参加したいという方は私のTwitterにリンクが載ってますのでそちらからどうぞ
コメント