邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第三百十一話 どこにでもある英雄譚
8章 復活儀式
突きつけられた現実に、宣告された絶望に、死してなおジークフリートは立ち向かう。
なんども無様に這いずりながら立ち上がり、降り注ぐ絶望の雨にちっぽけな勇気で立ち向かう。
鮮血滴り、骨の砕け散った腕をぐちゃぐちゃに潰し、関節がねじ曲がり、骨の突き出た両の足で強引に立つ。
それだけでも常人ならば、いや、ジークフリートほどの英雄であっても死ぬほどのダメージと気絶するほどの痛みを受けるであろうが、ジークフリートはファフニールの加護を無理矢理発動させる。
砕けた腕でバルムンクを捧げ持ち、後先考えずに自分の全魔力を放出することで推進力を生み出し、自分の肉体を一本の矢と化した。
「転輪の魔、無間の相克、相贖いて龍と為す。懺悔の言葉は天道に、慟哭の叫びは外道へと。大神の恩寵を贄とし、邪龍の欲を肯定す。指し示す八十四の光帯、捧ぐ欲望の泥。創世の力をここに」
この身に宿る神の力を、ただ、この一撃に。
自分の全てを注ぎ込み、加速し、光を纏いジークフリートは突撃した。
光が弾け飛ぶ。
闇が空間を呑む。
全てを滅する黒白の波動が、ただ一人、満身創痍で突撃する一人の雄に迫る。
「全てを穿つ…………不滅の剣ッッ!!」
真正面に掲げられた神の刃が光を放つ。
剣身が極彩色の光に包まれ、その光がジークフリートへと伝播する。
バルムンクと同じように光がその身を包み、光速を超える神の裁きと激突した。
黒白の波動はジークフリートを呑み込み、喰らい尽くし、消滅させんと咆哮し轟音を上げながら一本の光の矢と化したジークフリートとせめぎ合う。
己の全てを以て、理不尽な神の裁きに立ち向かう。
まるでそれは、どこにでもある英雄譚のようで____
交錯する光が膨張し、黒白の波動がより一層輝きを増して光の矢を押し返す。
負けじと黒白の波動が突き進まんとするが、徐々にその光の剣に引き裂かれていく。
『ォォォォォォォオォオォ!!』
ジークフリートの魂の叫びとともに、光の剣はその刃を延ばしてゆき、一般的な両手剣の大きさだったものが数十mもの巨大な剣へと変化した。
そして、加速し続け、遂には黒白の波動を打ち破った。
ジークフリートの全てが、理不尽な神の裁きを上回ったのであった。
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
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砕けた腕でバルムンクを捧げ持ち、後先考えずに自分の全魔力を放出することで推進力を生み出し、自分の肉体を一本の矢と化した。
「転輪の魔、無間の相克、相贖いて龍と為す。懺悔の言葉は天道に、慟哭の叫びは外道へと。大神の恩寵を贄とし、邪龍の欲を肯定す。指し示す八十四の光帯、捧ぐ欲望の泥。創世の力をここに」
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自分の全てを注ぎ込み、加速し、光を纏いジークフリートは突撃した。
光が弾け飛ぶ。
闇が空間を呑む。
全てを滅する黒白の波動が、ただ一人、満身創痍で突撃する一人の雄に迫る。
「全てを穿つ…………不滅の剣ッッ!!」
真正面に掲げられた神の刃が光を放つ。
剣身が極彩色の光に包まれ、その光がジークフリートへと伝播する。
バルムンクと同じように光がその身を包み、光速を超える神の裁きと激突した。
黒白の波動はジークフリートを呑み込み、喰らい尽くし、消滅させんと咆哮し轟音を上げながら一本の光の矢と化したジークフリートとせめぎ合う。
己の全てを以て、理不尽な神の裁きに立ち向かう。
まるでそれは、どこにでもある英雄譚のようで____
交錯する光が膨張し、黒白の波動がより一層輝きを増して光の矢を押し返す。
負けじと黒白の波動が突き進まんとするが、徐々にその光の剣に引き裂かれていく。
『ォォォォォォォオォオォ!!』
ジークフリートの魂の叫びとともに、光の剣はその刃を延ばしてゆき、一般的な両手剣の大きさだったものが数十mもの巨大な剣へと変化した。
そして、加速し続け、遂には黒白の波動を打ち破った。
ジークフリートの全てが、理不尽な神の裁きを上回ったのであった。
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