邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第三百六話 形勢

8章 復活儀式


『黄金が周囲になければファフニールの加護による防護も意味は無い。うまく異世界に引きずり込んで大ダメージを与えられたわけだ』

これでジークフリートの被弾は三回、これにより、刻ム命ノ疵シュテンペル・ダス・リーブンの効果でジークフリートは残り四回の攻撃被弾で即座に死亡し、消滅する。
故に、ジークフリートに許された被弾は残り三回まで、どんなかすり傷であろうとそれ以上はファフニールの加護すら貫通して即死させられ、ジークフリートかれの守護するクトゥルフの封印の一端は解除されるだろう。

『形勢逆転……かな?』
「見かけ上は、ですけどね」

一人と一匹ふたりによる破壊の杖ヴァナルガンドの同時発動により深手を負ったジークフリートは、残った力で異世界を突き破り、脱出してきた。
鮮血の滴り落ちるその肉体には痛々しい傷痕が余さず刻まれ、逆に傷がない所を探す方が難しいと言った有様だった。
翼には穴が開き、飛ぶことすら出来ないその姿は瀕死の鳥を想起させる。
誰が見ても、シグレの圧倒的優勢である。










「と、思うんでしょうが。向こうは神呪を解呪したんですよね」
『先程のものも、運動能力ステータスの低下があってこそ成すことが出来たもの。それがなくなったと来たら、攻撃を命中させるのは難しくなる』

怪我や損耗ダメージを見ればシグレの圧倒的優位であろうが、実際のところ、むしろジークフリートを仕留めきれずに神呪を解呪され、本来の力を取り戻させてしまったシグレの方が劣勢であった。

『認めよう。君は、わたしが剣を交え、血を流した幾多の強敵達、その全てより、圧倒的に強い!小人ニーベルンゲンの戦士達よりも勇壮で、あらゆる怪物よりも強靭で、そしてなにより、あの邪龍であったファフニールよりも恐ろしい』

ボタボタと剥がれ落ちる肉を片手で抑えながらもバルムンクを握りしめ、純然たる殺意を込めた鋭い眼光をシグレに向けながら、唐突にジークフリートはそう言い放った。

「………全然恐れてなんかいないじゃないですか…嘘つきのようで」

『いいや?怖いさ、怖いとも。
だから、全力で排除するんだよ・・・・・・・・・・

そう言いながら、ボロボロの体でジークフリートは疾走した。



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