邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第二百九十七話 原典超越
8章 復活儀式
『……ふむ、原典の神話と違う。か。確かにその通りだな。生前の私は、こんなものなど持っていなかった』
そう言う目の前の英雄が白銀の篭手に包まれた右手を上げると、ガントレットの装甲の一部が金属音をたてて動き、その手を顕にした。
「黄金の腕……存外に趣味が悪いようで」
そう、目の前に立つ英雄の腕は、黄金に染っていた。
『生憎、望んだものでは無いのでな。これは私の趣味ではない。外せるものなら外して欲しいくらいだよ』
「そうですか。それにしても……アンドヴァリの指環とは、また奇異なものを」
『そのとおり、妖精に守られし富と権威の象徴たるこの指環だが、その願望の叶え方がまた特殊でな』
そう言いながらジークフリートは自らが身につける白銀の甲冑に触れた。
「なるほど、富と権威の象徴たるアンドヴァリの指環。その能力は……」
「『物質の黄金化』」
『その通りだ。この趣味の悪い金色の野原も忌々しいこの指環のせいだよ。触れたものはなんでも黄金になってしまう。それみたいに』
するとジークフリートはシグレの胸を指さした。
指さされたところをシグレが見ると、胸の一部分が黄金へと変化していた。
「……なるほど、恐ろしい」
黄金に変化した胸を抉りとると同時に瞬時に再生させながら、シグレは従魔と共に突貫する。
巨兵が大地を揺らし、兎達はあらゆる角度、あらゆる時空から無差別に出現し奇襲をしかけ続ける。
堕天使と機械仕掛けの雄牛が英雄と剣を打ち合わせ、狼と粘体、そして機械仕掛けの豚水牛がそれを支援する。
「不壊装晶、展開」
あらゆる魔法的、物質的な補助を戦闘しながら終えたシグレは、今までの様子見のような剣戟を辞めて堕天使とともに一気に英雄へと切りかかる。
剣は不壊装晶によって防げる。が、こちらの攻撃も鎧によって弾かれる。
『うん。いいな』
「強さの桁が違いすぎませんかねぇ……」
従魔とシグレの猛攻をいなし、強引に弾くことで隙を作り出した英雄は、距離をとって片手で大剣をくるくると弄びながらそう宣った。
『強さの桁が違う。か、存在の格にそこまで差はないのだがな』
「そもそも、どうやって理の外に来たんですか?あなたは、唯一の弱点たる背中を貫かれ、死亡したはずです」
その言葉に英雄はふむふむと頷くような動作を返し、シグレの問いへの返答を事も無げに言い出した。
『それは、嘘だからさ』
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『生憎、望んだものでは無いのでな。これは私の趣味ではない。外せるものなら外して欲しいくらいだよ』
「そうですか。それにしても……アンドヴァリの指環とは、また奇異なものを」
『そのとおり、妖精に守られし富と権威の象徴たるこの指環だが、その願望の叶え方がまた特殊でな』
そう言いながらジークフリートは自らが身につける白銀の甲冑に触れた。
「なるほど、富と権威の象徴たるアンドヴァリの指環。その能力は……」
「『物質の黄金化』」
『その通りだ。この趣味の悪い金色の野原も忌々しいこの指環のせいだよ。触れたものはなんでも黄金になってしまう。それみたいに』
するとジークフリートはシグレの胸を指さした。
指さされたところをシグレが見ると、胸の一部分が黄金へと変化していた。
「……なるほど、恐ろしい」
黄金に変化した胸を抉りとると同時に瞬時に再生させながら、シグレは従魔と共に突貫する。
巨兵が大地を揺らし、兎達はあらゆる角度、あらゆる時空から無差別に出現し奇襲をしかけ続ける。
堕天使と機械仕掛けの雄牛が英雄と剣を打ち合わせ、狼と粘体、そして機械仕掛けの豚水牛がそれを支援する。
「不壊装晶、展開」
あらゆる魔法的、物質的な補助を戦闘しながら終えたシグレは、今までの様子見のような剣戟を辞めて堕天使とともに一気に英雄へと切りかかる。
剣は不壊装晶によって防げる。が、こちらの攻撃も鎧によって弾かれる。
『うん。いいな』
「強さの桁が違いすぎませんかねぇ……」
従魔とシグレの猛攻をいなし、強引に弾くことで隙を作り出した英雄は、距離をとって片手で大剣をくるくると弄びながらそう宣った。
『強さの桁が違う。か、存在の格にそこまで差はないのだがな』
「そもそも、どうやって理の外に来たんですか?あなたは、唯一の弱点たる背中を貫かれ、死亡したはずです」
その言葉に英雄はふむふむと頷くような動作を返し、シグレの問いへの返答を事も無げに言い出した。
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