邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
閑話 毀骸の王子 十頁
閑章 遥か遠く、あの宙の下で。
「あ……?僕が……真祖?」
「ああ、そうだとも、君は吸血鬼だ。それも真祖。16年前、死んだ君を蘇らせて、真祖にしたのがこの私、天晶鬼アルクェイドさ」
「天、しょ…う……き?」
「そうそう、空間と水晶の上位悪魔。君たちの言う「魔王」の一人だよ。ああ、君たちの呼び名だと『血晶の魔王』の呼び名の方が有名かな?」
「…………ッ!?」
殴られ続ける中、その名前を聞いた王子が身動ぎをしようとし、無理に動いたためか激痛を感じて短い呻き声をあげる。
無理もない。
何せ相手は、魔王なのだから。
魔王____世を脅かす悪の権化。
世界から悪の象徴に認められたもの。
悪逆非道、残虐無比、魔王の話には必ずそういった単語が付随しているほどである。
ましてや『血晶の魔王』?
冗談が過ぎる。
歴代最強にして最悪の魔王が、何故こんな所に?
思考が纏まらない。
疑問が尽きない。
とめどなく流れてくる情報の嵐が、抑えようのない溢れ出る感情と欲望が噴出する。
「血を飲みたくなったり、血を見た時に興奮しなかった?」
そうだ、いつ頃からか自分は無性に血のように赤い葡萄酒を求めていた。
そうだ、あの少女の卑しい姉たちが自分の足を切り落としていた時、なぜだか胸が熱くなった。
「怪我をしてもすぐ治ったり、銀に何か忌避感を感じたことは?」
あった。あれは13の夏、8歳の時にもあった。
銀製の物なんて、触れるだけで発疹が出る。
不可解だった断片が、与えられた情報で縫い合わされてひとつの大きな真実となる。
王子様は、理解させられてしまった。
「理解が追いついていないみたいだね。君のために、純然たる事実だけを言ってあげよう」
やめろ、それを言うな、言わないでくれ。
王子様の悲痛な叫びは喉を通らずに音なき悲鳴となって虚しくも虚空へと溶け消える。
「君はね」
淡々と語る声無き悲鳴は加速し、嗚咽をもらし、泣き叫びながら王子様は懇願する。
告げないでくれ、認めないでくれ、僕に知らせないでくれ、僕を否定しないでくれ。
それは、言ったらダメなんだ。
言ったら、言ったら、それを、口にしてしまったら。
僕は_______
「壊れてっ…………
「人じゃあ、無いんだよ」
頭上の星空には、水瓶の星々が爛々と輝いていた。
残酷は、終わらない。
従魔スキル紹介
理滅
理を滅す。
不死、及び攻撃無効を無効化する。
Fictionalizer作家紹介
今回紹介するのは進撃マニアの新人さんこと黒山羊さんの作品!
「僕は過ちを正すため過去に飛んだ」ドン!
見所、現代的な路線で描いた所です。内容は濃く、考えさせられるようなものにしています。
とまあ、またもや私とは作風が違いますね。
駄菓子菓子。面白いものは面白い。
是非一度読んでみてください。
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
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(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)
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「あ……?僕が……真祖?」
「ああ、そうだとも、君は吸血鬼だ。それも真祖。16年前、死んだ君を蘇らせて、真祖にしたのがこの私、天晶鬼アルクェイドさ」
「天、しょ…う……き?」
「そうそう、空間と水晶の上位悪魔。君たちの言う「魔王」の一人だよ。ああ、君たちの呼び名だと『血晶の魔王』の呼び名の方が有名かな?」
「…………ッ!?」
殴られ続ける中、その名前を聞いた王子が身動ぎをしようとし、無理に動いたためか激痛を感じて短い呻き声をあげる。
無理もない。
何せ相手は、魔王なのだから。
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悪逆非道、残虐無比、魔王の話には必ずそういった単語が付随しているほどである。
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思考が纏まらない。
疑問が尽きない。
とめどなく流れてくる情報の嵐が、抑えようのない溢れ出る感情と欲望が噴出する。
「血を飲みたくなったり、血を見た時に興奮しなかった?」
そうだ、いつ頃からか自分は無性に血のように赤い葡萄酒を求めていた。
そうだ、あの少女の卑しい姉たちが自分の足を切り落としていた時、なぜだか胸が熱くなった。
「怪我をしてもすぐ治ったり、銀に何か忌避感を感じたことは?」
あった。あれは13の夏、8歳の時にもあった。
銀製の物なんて、触れるだけで発疹が出る。
不可解だった断片が、与えられた情報で縫い合わされてひとつの大きな真実となる。
王子様は、理解させられてしまった。
「理解が追いついていないみたいだね。君のために、純然たる事実だけを言ってあげよう」
やめろ、それを言うな、言わないでくれ。
王子様の悲痛な叫びは喉を通らずに音なき悲鳴となって虚しくも虚空へと溶け消える。
「君はね」
淡々と語る声無き悲鳴は加速し、嗚咽をもらし、泣き叫びながら王子様は懇願する。
告げないでくれ、認めないでくれ、僕に知らせないでくれ、僕を否定しないでくれ。
それは、言ったらダメなんだ。
言ったら、言ったら、それを、口にしてしまったら。
僕は_______
「壊れてっ…………
「人じゃあ、無いんだよ」
頭上の星空には、水瓶の星々が爛々と輝いていた。
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不死、及び攻撃無効を無効化する。
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見所、現代的な路線で描いた所です。内容は濃く、考えさせられるようなものにしています。
とまあ、またもや私とは作風が違いますね。
駄菓子菓子。面白いものは面白い。
是非一度読んでみてください。
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