邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

閑話 毀骸の王子 六頁

閑章 遥か遠く、あの宙の下で。


「……まあ、なんで美しいの、あれが王子様のお后様かしら?」

ホールで王子様と優雅に踊る少女を事情を知らない貴族の少女達はうっとりとした目でみつめていました。

金の髪と美しい紅玉ルビーのような瞳を持つ王子様と、数多の水晶で着飾り、その美貌を惜しげも無く晒す謎の美少女。
そんな二人の踊りは周囲を見惚れさせるには充分だったのです。

一曲が終わり、グランドピアノが奏でる優美な舞踏曲ワルツの音が止まると、王子様に向かって一斉に少女達が迫ってきます。

「王子様!私と、次はわたくしと踊りましょう!」
「いや、私と踊るべきだわ!」

そんな声が王子様の耳朶を打ち、その体を引っ張って連れていこうとしてきます。

周りにいる貴族の息子達は置き去りにされて溜息をつき、少女は迫り来る女性達に足を踏まれたりと地味な嫌がらせを受けていました。

それを見咎めた王子様は、自分を引っ張っていた女性達の手を振りほどき、少女の腕を引っ張って自らの胸に寄りかからせるような体勢にしたあと、毅然とした体勢で「彼女は私のパートナーだ」と言って追い払いました。

その後、少女と王子様は一緒にダンスを踊り、会場を魅了したのでした。

一日目が終わると、少女は少しだけ名残惜しそうにした後、素早く王子様の元から去っていきました。

「家に行って、親に挨拶したい」と王子様は言いましたが、少女はそれを断り、鳥小屋に逃げ込んでしまいました。

困った王子様は少女の父親に頼み、父親は鳥小屋を斧でばらばらにしましたが、もうそこに少女はいませんでした。

それを訝しんだ王子様と父親が急いで帰ると、少女はいつもの灰にまみれたぼろ切れを纏い、いつもどおり家事をしていたのでした。

二日目も、王子様と少女は夜になるまで踊り明かし、自身の夢を語り合いました。

そして夜になるとやはり少女は一人でどこかに消え、いつの間にか家に戻り、ぼろ切れをまとっているのでした。

三日目、やはり最後に一人で帰ろうとした少女を王子様は呼び止め、その白魚のような手を掴みました。
少女はそれを振り払い、また姿を消したのですが、振り払った時にバランスを崩したのか、王城の階段には美しい水晶の靴が片方だけ残されていたのでした。


長いね!閑話!
うん。すいません

はい、幸いにして私のスマホからウイルスが消えました。
これからも努力して参りますので、どうぞご愛読の程よろしくお願いします。

また、ノベルバのSFランキングにて日間、週間、月間、総合全て一位を取る事ができました!ひとえにこれも皆様のおかげです。
本当にありがとうございました!

従魔スキル紹介
神への妄執

神性に対する憎悪の結晶
神性の不死属性無効化
耐性および防御力貫通
神性超特攻

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