邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第二百五十六話 告別:Farewell
7章 あゝ神よ
「あなただけは、生きていて欲しかった」
雪崩のようにその身に襲いかかる黒獣を圧倒しつつ、シグレはその光景を見守つている。否、もはや見えてすらいないクー・フーリンであったモノに対し優しく語りかける。
その間にも黒獣は三桁を軽く超える数がシグレに襲いかかるがシグレはその悉くを斬り伏せ、圧壊し、抉り、灼き、ありとあらゆる手段において黒獣を滅していた。
『…………』
『………………』
「■■ ■     ■ ️■■____」
答えるものはおらず、クー・フーリンは言葉にならない呻き声を撒き散らすのみであった。
「こんなことを言うには過ごした時間も何もかもが少なすぎると人は言うのでしょう」
尚も龍種並の力を持つ黒獣は渦から出現し続け、シグレに襲いかかる。
しかし、やはりシグレはそれらなど些事と言わんばかりに目を向けず、ただ滅す。
意識はクーフーリンから離さず、その状態で一歩も動かずにシグレは迫り来る黒獣を撃滅して行く。
「そんなことを言うんじゃない。と貴方は笑って言うのでしょう」
そして、シグレは歩み出す。
迫る黒獣は蹴散らして。
黒い大地を踏みしめて。
ゆっくりと、力強く。
「おおらかに、恐るるものなど何もないというように、きっと貴方は笑うのでしょう」
そして、ドン!と周囲の小石が浮かび上がり、地に亀裂が出来るほどの力で地を踏みしめ、シグレは吠えた。
「私の知るクー・フーリンは!英雄クー・フーリンはいつだってそうだった!」
それと同時にシグレの腕がクーフーリンの胸を貫き、その心臓を抉り出した。
「全て蟲に置換されたはずの身体で心臓のみは置換されておらず、心臓には思考を強制する悪夢の杭が深々と刺さっている。これが、あなたを狂気に堕としたものです」
「■ ■■■  ■ ァァァァ……。
ありがとな。これで………ゴフッ、人として……」
「最後、に……」
「はい、なんでしょう」
口から血を吐き虚ろな目で力無く横たわるクー・フーリンにシグレは耳を貸す。
「……………………」
「分かりました。さようなら、光の御子、真の英雄であったものよ」
「ああ、さようなら。そして、ありがとう」
その言葉と同時に、シグレはゲイボルグを粉々に粉砕した。
ー___________…………………ー
「貴方の遺志は、此処に」
クー・フーリン死亡。
胸を貫かれたあたりで心臓に杭を打ち込まれていたんですね
巧妙な偽装とともに精神を衰弱させる呪いがかかっていたのです
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
(誤字脱字がありましたら、何話かを明記した上で修正点をコメントしていただければ幸いです)
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(IDは@87lnRyPJncjxbEpです)
「あなただけは、生きていて欲しかった」
雪崩のようにその身に襲いかかる黒獣を圧倒しつつ、シグレはその光景を見守つている。否、もはや見えてすらいないクー・フーリンであったモノに対し優しく語りかける。
その間にも黒獣は三桁を軽く超える数がシグレに襲いかかるがシグレはその悉くを斬り伏せ、圧壊し、抉り、灼き、ありとあらゆる手段において黒獣を滅していた。
『…………』
『………………』
「■■ ■     ■ ️■■____」
答えるものはおらず、クー・フーリンは言葉にならない呻き声を撒き散らすのみであった。
「こんなことを言うには過ごした時間も何もかもが少なすぎると人は言うのでしょう」
尚も龍種並の力を持つ黒獣は渦から出現し続け、シグレに襲いかかる。
しかし、やはりシグレはそれらなど些事と言わんばかりに目を向けず、ただ滅す。
意識はクーフーリンから離さず、その状態で一歩も動かずにシグレは迫り来る黒獣を撃滅して行く。
「そんなことを言うんじゃない。と貴方は笑って言うのでしょう」
そして、シグレは歩み出す。
迫る黒獣は蹴散らして。
黒い大地を踏みしめて。
ゆっくりと、力強く。
「おおらかに、恐るるものなど何もないというように、きっと貴方は笑うのでしょう」
そして、ドン!と周囲の小石が浮かび上がり、地に亀裂が出来るほどの力で地を踏みしめ、シグレは吠えた。
「私の知るクー・フーリンは!英雄クー・フーリンはいつだってそうだった!」
それと同時にシグレの腕がクーフーリンの胸を貫き、その心臓を抉り出した。
「全て蟲に置換されたはずの身体で心臓のみは置換されておらず、心臓には思考を強制する悪夢の杭が深々と刺さっている。これが、あなたを狂気に堕としたものです」
「■ ■■■  ■ ァァァァ……。
ありがとな。これで………ゴフッ、人として……」
「最後、に……」
「はい、なんでしょう」
口から血を吐き虚ろな目で力無く横たわるクー・フーリンにシグレは耳を貸す。
「……………………」
「分かりました。さようなら、光の御子、真の英雄であったものよ」
「ああ、さようなら。そして、ありがとう」
その言葉と同時に、シグレはゲイボルグを粉々に粉砕した。
ー___________…………………ー
「貴方の遺志は、此処に」
クー・フーリン死亡。
胸を貫かれたあたりで心臓に杭を打ち込まれていたんですね
巧妙な偽装とともに精神を衰弱させる呪いがかかっていたのです
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