邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百十七話 大量発生

7章 あゝ神よ


「さて……これくらいですかね」

始まりの街の北門を抜けた先の草原に立つシグレの目の前には幾千ものモンスターの屍が力無く横たわり、目覚めの時を待っていた。

「範囲拡大、アンデッド化」

シグレのその一言ともにもの言わぬ屍であったものが立ちあがる。
関節が錆び付いたかのような鈍い動きなどではない。
生前と同じ、むしろそれ以上の機敏さで新たに二度目の生を受けたアンデッド達は動き出した。

「全収納っと」

そして、次の瞬間には全てが消える。
幾千ものアンデッドの大群が突如消滅したことに後方にいるプレイヤー達は戦き、あるいは呆けた表情で立っている。

「さて、これでアンデッドの在庫は最低でも万を超えたはず……いやあ魔典様々ですねぇ……これだけの死体があれば改造も捗るというものです……」

今回のモンスター大量発生ではどうやら状態異常を扱う敵が多かったようで毒袋や毒鱗粉、酸の粘液など、様々な搦手による攻撃手段を持つモンスターの死体を確保できた。これは状態異常デバフ専門のモンスターを作ってもいいかもしれない。
というか現在進行形で魔典により死体の分解及び接続による改造が行われているのだがそれは関係ないだろう。

それにしても簡単であった。
シグレがやったことと言えば死体を崩さないように死神でブーストした即死魔法を全員に掛けただけである。

もはや戦闘ではない。
虐殺、或いは搾取と言ったところか。
ちなみに搾取するものは肉体そのものである。ん?魂?そんなものの行先は知らん。ゴミ箱にポイだ。

ちなみにこれらの出来事はシグレが戦線に出てからわずか三分後の出来事である。

最初の二分でプレイヤー達に話をつけて北側に陣取り、すぐさま即死魔法を行使した後にアンデッド化、ここまでわずか三分ほど、多分これが一番早いと思います。

後方にいたひとりのプレイヤーが、その場の人々全員の心を代弁した。

「どうしてこうなった……」


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