邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第二百五話 もっふもふに埋もれながら

7章 あゝ神よ


青薔薇の残党を討伐したシグレは、狼の集落へとやって来ていた。

集落、と言っても広場のようなものなのだが、フェンリルが張り、シグレが補強した結界は壊されてはいないようである。

『壊せたら怖い』
『壊されたらダメだからな?』

そんなやり取りを済ませてシグレが中に入ると、一斉に仔狼が飛び掛ってくる。

その数は数十にものぼり、いかにシグレが大人だろうと押し倒されてしまった。
そして身体中を這い回る仔狼のもふもふの毛皮に埋もれながらシグレが身体を起こすと、目の前には二人組の少女がいた。

「誰!?」
「ん……もふもふ…行っちゃった……」

赤い髪をショートにし、シグレを見るなり叫んだ少女は短剣を構え、もう一人の銀髪の少女は何も持っていない。

「どうも、ここの管理人です。あと、ここは傷害禁止エリアなのでダメージは与えられませんよ」

「え?え?そうなの!?」
「……管理人…さん……?」

「はい、と言っても正式なものでは無いんですけどね。というか子供達、真面目な話をするので一旦どいていただけますか?」

「「「「「「はぁ〜い……」」」」」」
「よろしい、後で料理を振る舞いますからね」
「やったぁ!ありがとう!」

未練たらたらと言った様子であったが、料理をチラつかせると手のひら返しである。
美食は時に剣よりも強いのだ。

「え?え?話してること、分かるの?」
「ええ」
「どう……やって?」
「スキルです。初期スキルなのでSPスキルポイントさえあれば取れますよ?」

「マジで!?」
「ほんと……?」

「嘘言っても私に得がありませんよ」

『あれ?仔狼戻ってきてね?』
(別に構いませんよ、一旦どいてもらったのも挨拶の邪魔になると思っただけなので)
『なるほど』
『感覚共有してぇ……』
(いいですよ)
『キャッホイ!』

もふもふに包まれながら赤髪の少女がシグレに非礼を詫びる。

「そうだね。何も知らないのに疑ってごめんなさい。そうだ。自己紹介忘れてた!私はフェリア、そしてこっちは……」

「ネム……よろしく、お姉さん」

「ええ、私はシグレと言います。よろしくお願いしますね」

「私は火魔法使いで、ネムは双剣士なの、二人でパーティ組んでるんだ。ネムはいつもはこんなのだけど、戦闘になるとすごいんだよ」

「フェリア……は…、いつも、厨二…な…詠唱、してる」

「ちょっ!ネムはそれ言わないでって

「そのくせ…魔法は、失敗するお茶目ちゃん……なの」

「やめてーーーーーーー!!!!!」

もふもふの仔狼達に囲まれたフェリアの悲痛な叫びが、集落へと響き渡った。


厨二病ドジっ娘とほわほわ少女、濃い?(疑問)

皐月:ハッ!お兄さまになにか……
遊理:女の子でも会ったのかな?だとしたら……

もふもふに喜ぶ邪神とは……

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