邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百七十三話 それは、超越するもの

7章 あゝ神よ


「さあ?何故でしょうね?少なくとも言えるのは、私はここで____

額から汗を垂らし、薄ら笑いを顔に貼り付けたシグレがその言葉を言い切るより前に投げられた小瓶は魔法陣の中で砕け散り、ドス黒い瘴気がメルの中へと吸収されていく。

「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!」

メルの悲鳴が極光とともに木霊する。

「空間隔離、空間希釈、奪魔の牢獄ローバー・ジェイル 、天網恢恢・無間獄鎖、神の錨ディバインアンカー、八卦封縛、神縛鎖エルキドゥ

次の瞬間にはもうその叫び声は聞こえない。
隔離された空間からは暴れ回らんとするメルの姿のみが視認でき、幾重にも巻きついた錨や鎖、封印術によって動くことすら許されない。

瘴気はメルの体を黒く染め、ぐちゃぐちゃに掻き回して突き破る。
痙攣したと思ったらドロリとその粘液の体が溶け始め、そして今度は硬い、光沢を持つ物体へと変化する。
そしてそれはぬらぬらとした光沢を持つ玉虫色のタールのようなものに変わったかと思えば、極彩色に光り輝く。

その間にも幾重にも巻きついていたはずの鎖は弾かれ、侵され、そして消滅していく。そして、それとほぼ同時に新たな鎖がそれへと迫る。
一瞬でも気を抜けば終わる。そんなギリギリのバランスの中にある拮抗。
そんな地獄は、シグレに時を永遠と誤認させた。

神々は語らない。
いや、語れない。
強大な力、自分たちをも滅ぼしうる相手に対し、そんな余裕はない。
ただ、自分の命のために、目の前の絶望を閉じ込め続ける。

そして、その時は訪れた。

「GRRRRRRRRRRRAAAAAAAAA!!!!!」

最早瘴気なのか、粘体なのか、それとも存在するのかすら不明となったそれが隔離された空間をものともせず衝撃によって吹き飛ばされたにも関わらず神々を無視してシグレへ猛進する。

『何故、なぜ私が……何故!』
『俺は悪くない!俺は、俺は悪くないんだ!』
『あいつさえいなければ!』
『ああ、なんでお前が生きているんだ!』

取り込まれた負の感情が高らかに歌う。
その怨恨を、その憎悪を、その悪を、讃えるように高らかに。
それは個人の感情から、より大きな、恨みの結晶へ。

『死ね!死ね死ね死ね死ね!』
『憎い憎い憎い憎い憎い』
『消えろ消えろ消えろ消えろ!消えろ!』

そして、それは現れた。

『『『『『『『『『全テ、キエロ!!』』』』』』』』』


はい、やばいね
駄菓子菓子、これからもクロシヲは自重しない

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