邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第百七十一話 憎悪の結晶
7章 あゝ神よ
「だって_________
__それは、究極の憎悪ですから」
一匹の、いや、ひとりの誇り高き狼がいた。
憎悪に呑まれ、復讐に呑まれ、鮮血と殺戮に酔いしれた愚かな獣。
全てを知らぬ愚者はそう嗤うだろう。
それは神であっても例外ではない。
それの生に、安寧は無かった。
それの生に、友はいなかった。
それの生に、愛など無かった。
それの生に、正義など無かった。
安寧を維持するはずの神は安寧を否定し
友となるはずのモノは神に殺された。
愛は初めから無く、与えられたのは痛みのみ
正義を謳う偽者が、全てを奪って去って行く
だから、それは殺した。
_だから、それは奪った。
__だから、それは全てを恨んだ。
全テ、殺シテヤル。
『究極の…憎悪』
シグレが唐突に何も無いはずのインベントリを開く。
硬質で澄んだ音が静寂を破り、白い空間へどこまでも響いていく。
そして、シグレはそれを取り出した。
今、シグレの手のひらに収まるそれは、世界を殺しかねない感情の極々小さな欠片の残滓。
変質してしまった世界への憎悪。
取り出した途端に、シグレの創り出した異空間が揺れ始める。
空気には瘴気が溢れ、真っ白だったはずの空間は黒く変色して崩れ、塵と成り果てている。
崩れた塵は即座に地面に溶けて消え、そこから空間を切り取ったかのように黒い瘴気が立ち昇る。
その元凶は、たった一本の小瓶。
かつて全てを蝕むとされたそれを、全て浄化し切ったはずのそれを、シグレは手に持っていた。
「世界、そして概念というのは存外に脆いものです。常に流転し、止まることなどなく、何事においても変わり得る。
当然のことです。生物の感情で簡単に改変できるのですから」
『どういう…事だ?』
「見ればわかりますよ。見れば…ね。
まあクトゥルフ様達は既に知っていると思いますが。スキル全開放」
『『『『『な…』』』』』
神々は絶句する。
ソレを見てしまったから、ソレを知ってしまったから。
世界悪
世界を恨み、復讐に殉じた狼の感情に侵されたものの残滓。
蓋を開ければ最後、世界は塗り潰されるのを待つのみである。
単純な死は訪れない。
あるのはただ何も無い虚無。
死の忘却を迎えることすら許されない。
そして全ては、消えてなくなる。
そして幻聴が耳に響く。
『殺せ!殺せ!世界を!全てを!』
幾人もの狂気の籠った声が耳朶を打ち、思考は誘導されてその声に従いそうになる。
なるほど小瓶の封印を解いていなくてこれなのだ。開けば世界を殺すことなど容易いだろう。
それを阻まんとする者すら狂気へと堕落させ、虚無へと導いてしまうのだから。
『な…なぜそんなものを持っている!』
「あなたがたなら知っているはずですよ?そして、もう、時間が無いんです」
はい、ヤバいもん隠し持ってやがったぞこいつ
シルにあげたら絶対に飲み込まれて暴れ回るね
驚いてんのはクトゥルフ、ヨグ=ソトース、クトゥグア、サタンになります
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
いいね、フォローもお願いします
Twitterのフォローもお願いします
(IDはあらすじにあります)
「だって_________
__それは、究極の憎悪ですから」
一匹の、いや、ひとりの誇り高き狼がいた。
憎悪に呑まれ、復讐に呑まれ、鮮血と殺戮に酔いしれた愚かな獣。
全てを知らぬ愚者はそう嗤うだろう。
それは神であっても例外ではない。
それの生に、安寧は無かった。
それの生に、友はいなかった。
それの生に、愛など無かった。
それの生に、正義など無かった。
安寧を維持するはずの神は安寧を否定し
友となるはずのモノは神に殺された。
愛は初めから無く、与えられたのは痛みのみ
正義を謳う偽者が、全てを奪って去って行く
だから、それは殺した。
_だから、それは奪った。
__だから、それは全てを恨んだ。
全テ、殺シテヤル。
『究極の…憎悪』
シグレが唐突に何も無いはずのインベントリを開く。
硬質で澄んだ音が静寂を破り、白い空間へどこまでも響いていく。
そして、シグレはそれを取り出した。
今、シグレの手のひらに収まるそれは、世界を殺しかねない感情の極々小さな欠片の残滓。
変質してしまった世界への憎悪。
取り出した途端に、シグレの創り出した異空間が揺れ始める。
空気には瘴気が溢れ、真っ白だったはずの空間は黒く変色して崩れ、塵と成り果てている。
崩れた塵は即座に地面に溶けて消え、そこから空間を切り取ったかのように黒い瘴気が立ち昇る。
その元凶は、たった一本の小瓶。
かつて全てを蝕むとされたそれを、全て浄化し切ったはずのそれを、シグレは手に持っていた。
「世界、そして概念というのは存外に脆いものです。常に流転し、止まることなどなく、何事においても変わり得る。
当然のことです。生物の感情で簡単に改変できるのですから」
『どういう…事だ?』
「見ればわかりますよ。見れば…ね。
まあクトゥルフ様達は既に知っていると思いますが。スキル全開放」
『『『『『な…』』』』』
神々は絶句する。
ソレを見てしまったから、ソレを知ってしまったから。
世界悪
世界を恨み、復讐に殉じた狼の感情に侵されたものの残滓。
蓋を開ければ最後、世界は塗り潰されるのを待つのみである。
単純な死は訪れない。
あるのはただ何も無い虚無。
死の忘却を迎えることすら許されない。
そして全ては、消えてなくなる。
そして幻聴が耳に響く。
『殺せ!殺せ!世界を!全てを!』
幾人もの狂気の籠った声が耳朶を打ち、思考は誘導されてその声に従いそうになる。
なるほど小瓶の封印を解いていなくてこれなのだ。開けば世界を殺すことなど容易いだろう。
それを阻まんとする者すら狂気へと堕落させ、虚無へと導いてしまうのだから。
『な…なぜそんなものを持っている!』
「あなたがたなら知っているはずですよ?そして、もう、時間が無いんです」
はい、ヤバいもん隠し持ってやがったぞこいつ
シルにあげたら絶対に飲み込まれて暴れ回るね
驚いてんのはクトゥルフ、ヨグ=ソトース、クトゥグア、サタンになります
誤字脱字や作品への意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです
いいね、フォローもお願いします
Twitterのフォローもお願いします
(IDはあらすじにあります)
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
1168
-
-
4503
-
-
439
-
-
2813
-
-
11128
-
-
4112
-
-
35
-
-
32
-
-
3
コメント
空間の覇者 セロリ
このくらい自重が無い方が俺は好き