邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第百六十九話 酒呑み
7章 あゝ神よ
振り返ったシグレが見たのは、今自分が造ったはずの八塩折之神酒をラッパどころか樽で飲み干す半裸の青年だった。
「ぷはっ!やっぱり上手いな!しかもヤマタを酔わせた時よりも上手くなってやがる!おぉ小僧!お前がこの酒造ったのか?」
短く切りそろえられた美しい黒髪をあろうことか酒で濡らし、野生を体現したかのような筋肉は脈動する。
健康そうな褐色の肌を溢れた八塩折之神酒が滴り落ちて床を濡らしている。
今も樽を抱えて直接酒を呑む青年の隣にはすでに飲み干された樽が転がっており、シグレが酒樽から目を離した一瞬のうちに呑み干したであろうことを如実に表していた。
「え、ええ…その通りですが…」
シグレがそう答えると、青年は酒樽から口を離し、空になったその樽を投げ捨てて一方的に告げた。
「よく作れたな!俺は出来なかったのに!」
『そりゃそうだろうね』
『見るからに素材や設備を壊してそうだしな』
「はあ…ありがとうございます」
「ところでこの酒、もらってってもいいか?」
シグレは突然の提案にたじろぐが、すぐに居住まいを正して返答というか疑問を投げかける。
「何故ですか?というかあなたは誰なんですか?……まあ発言と行動からだいたいの予測はできていますが…」
「ん?わかるのか?」
言ってみろとばかりに青年はニヤニヤしだし、回答を待つ構えになる。
「あなたは生前、というのもおかしいですが遥か昔、神代に数々の悪を打ち滅ぼした大英雄」
「須佐男、正式に言えば須佐之男命ですよね?」
「ほむほむ、それで?」
「あなた様の性格から行くと…勝手に神界の酒を飲んでしまったので宴会用の酒がたりなくなって天照大御神に叱られたって感じですかね?」
「お前、過去視できんの?」
「いえ、できますけど今の状況だと出来ませんよ?」
「一応できるのか‥」
そう言ってスサノオは頭を抱え、数秒後に頭をブンブンと振り乱したあとにシグレに対して土下座した。
「そこまでわかってんなら頼む…ッ!この酒をくれ!」
「別にいいですよ。全部持ってってください」
アイテムボックスから山のように積み上げられた酒樽を取り出しながらシグレは土下座しているスサノオに話しかける。
「マジで!?じゃあもらってくわ!今度くるときは他の酒も頼む!」
そう言って酒を抱えてスサノオはどこかへ消えた。
『速っや……』
それはそれは美しいDOGEZAでしたとさ
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(IDはあらすじにあります)
振り返ったシグレが見たのは、今自分が造ったはずの八塩折之神酒をラッパどころか樽で飲み干す半裸の青年だった。
「ぷはっ!やっぱり上手いな!しかもヤマタを酔わせた時よりも上手くなってやがる!おぉ小僧!お前がこの酒造ったのか?」
短く切りそろえられた美しい黒髪をあろうことか酒で濡らし、野生を体現したかのような筋肉は脈動する。
健康そうな褐色の肌を溢れた八塩折之神酒が滴り落ちて床を濡らしている。
今も樽を抱えて直接酒を呑む青年の隣にはすでに飲み干された樽が転がっており、シグレが酒樽から目を離した一瞬のうちに呑み干したであろうことを如実に表していた。
「え、ええ…その通りですが…」
シグレがそう答えると、青年は酒樽から口を離し、空になったその樽を投げ捨てて一方的に告げた。
「よく作れたな!俺は出来なかったのに!」
『そりゃそうだろうね』
『見るからに素材や設備を壊してそうだしな』
「はあ…ありがとうございます」
「ところでこの酒、もらってってもいいか?」
シグレは突然の提案にたじろぐが、すぐに居住まいを正して返答というか疑問を投げかける。
「何故ですか?というかあなたは誰なんですか?……まあ発言と行動からだいたいの予測はできていますが…」
「ん?わかるのか?」
言ってみろとばかりに青年はニヤニヤしだし、回答を待つ構えになる。
「あなたは生前、というのもおかしいですが遥か昔、神代に数々の悪を打ち滅ぼした大英雄」
「須佐男、正式に言えば須佐之男命ですよね?」
「ほむほむ、それで?」
「あなた様の性格から行くと…勝手に神界の酒を飲んでしまったので宴会用の酒がたりなくなって天照大御神に叱られたって感じですかね?」
「お前、過去視できんの?」
「いえ、できますけど今の状況だと出来ませんよ?」
「一応できるのか‥」
そう言ってスサノオは頭を抱え、数秒後に頭をブンブンと振り乱したあとにシグレに対して土下座した。
「そこまでわかってんなら頼む…ッ!この酒をくれ!」
「別にいいですよ。全部持ってってください」
アイテムボックスから山のように積み上げられた酒樽を取り出しながらシグレは土下座しているスサノオに話しかける。
「マジで!?じゃあもらってくわ!今度くるときは他の酒も頼む!」
そう言って酒を抱えてスサノオはどこかへ消えた。
『速っや……』
それはそれは美しいDOGEZAでしたとさ
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