邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百六十話 支配ーDominationー

7章 あゝ神よ


「なんでこのタイミングなんですかね?」

本の片付けをしたシグレは、後回しにしていた疑問を呼び覚ます。

《支配》、恐ろしく単純で、恐ろしく強大なこの能力を何故今取得したのか、シグレはそれを疑問に思っていた。

『こればかりは笑って済ませられないねぇ…』
『ん?面白いことになっているじゃあないか!何をやったんだい?』
『おお!面白そうだな!オレも混ぜろ!』
『同じく!』

いつもおどけているクトゥルフが真顔になったり、黙らせていたアドラメレクやサタン、加護だけ与えて何もしないクトゥグアまで現れた。文字通りの混沌カオスである。

そんな神々すら畏れる称号及びスキルはこちら

相互共有
一定時間一部スキル、ステータスを使い魔に共有可能
加護は祝福として共有される
対象の数は無制限
また、自身の眷属に限りスキルなどを譲渡可能

支配
自らが支配、もしくは隷属、眷属状態にあるもののステータス三倍にし、ダメージを30%軽減し、状態異常耐性を極上昇する
契約条件緩和
絶対的な支配(抵抗無効化)
接触した無機物を支配する(死体や植物は支配できる)
精神干渉及び物理的干渉による行動阻害を無効化
支配無効

うん。端的に言って頭おかしいね。
設計者でてこいよ

『お、おう…』
『『ファ?』』
『無理もないな…』

(あ、神が全員固まった)

『ぼくかえるね』
『おれもかえる』
『おれも』

なんか惚けた声でアドラメレクとクトゥグアとサタン駄神がかえっていく。

『原因に関しては恐らく、としか言えんが固有魔術の会得だろうな』

「ですが、話を聞く限りあるいは空っぽのおもちゃ箱固有魔術の開発はかなり前だったはずですよね?」

『だが、その時点では固有魔術と気づいていなかったのだろう?固有魔術であると自覚したため、神格やスキルなどに影響を及ぼしたのではないか?』

『次の種族進化で化け物になるよねこれ…』

「これ、なんでスキルなど・・・・・って曖昧な表現なんですかね?」

『ああ、多分スキル以外に加護、というかその下位の祝福も可能だ』

『あ、そうそう、神として上級以上になったら加護与えられるようになるから』

「唐突すぎですよ…効果とかはどうなるんですかね?」

『基本はその神の神格に基づいたものだな。だが、神としてのシグレの権能は多岐に渡るからな…よく分からんがありそうなのは運命湾曲とかじゃないか?』

「運命湾曲とは?」

『あるべきこと、結果を捩じ伏せて現実を改変することだよ』

『簡単に言えば武器の軌道を捻じ曲げて“攻撃で怪我をする”という事実をなかったことにする感じだな』

「うわぁ…」

シグレはそう言いながらおもむろに支配の詳細の一文にその視線を注ぐ。

『どしたん?』

「“自らが支配、もしくは隷属、眷属状態にあるもののステータス三倍にし、ダメージを30%軽減し、状態異常耐性を極上昇する”……」

「あれ?この強化もしかしてスキルで呼んだやつ深きものどもとかにも適用されます?」

『『あ゛』』


あとは分かるな?

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