邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

SS 妹達の二人旅 廿弐

SS一章 『妹達の二人旅』


「なっ!?」

砕け散ったポーション瓶の破片がギルドマスターの手を切り、飛び散った真紅の薬液がその傷を癒す。

すぐさま全員が轟音の発生源へと向き、立ち込める土煙の奥にいる何かを警戒した。

だが、動きはない。

揺らめく土煙に異変はなく、聞こえるのは四人の呼吸音のみ。

「!」

ガレキが崩れる音がした。

その音はだんだんと四人のいる場所へと近づいてくる。

そして、土煙が完全に晴れる頃、それ・・は姿を現した。

「はっ!いいザマだなぁギルマスさんよォ?」

現れたのは、痩身の青年だった。
くたびれた革鎧レザーアーマーを纏い、右手には異形の鞭を持っている。

「サイールド…貴様か…ッ!」

そう言って男を睨んだギルドマスターは、ある異変に気づく。

(あの鞭…どこで手に入れた?私の知るサイールドは剣士だったはず…)
視線に気づいたのか、男が上機嫌に先端が分かたれ、それぞれに鉤爪の付いた異形の鞭を見せつけるように持ち上げる。

「いいだろぉ…これ、追跡する群蛇チェイサーズヴァイパーって言うんだ。どんなに逃げようがどこまでも追いかける最高の逸品さ!そォら!」

それと同時に幾重にも重なり合った鞭がギルドマスターへと迫る。
一瞬回避を考えるが、背後の二人にあたる可能性を考えてすぐさま切り捨てる。

明らかに手馴れた者の動きで鞭を振り抜いたサイールドの顔が喜悦に歪み、鞭がギルドマスターの小さな体に迫る。

「旋風撃」

だが、ギルドマスターがハルバードを振り回すとそのすべての鞭が弾かれ、サイールドの元へと戻っていく。

「サイールド!どこでそれを手に入れた!」

「アンタに答える義理はねぇなぁ!」

そう言って鞭の数が増え、再び鋭い先端がギルドマスターへと迫る。

「無駄だ!旋風げ…

「お前じゃねぇんだよォ!」

迫っていた蛇たちはギルドマスターのハルバードを避け、後ろ_倒れたふたりとクーリのいる場所_へと向かっていく。

「おおっとぉ?ポーションなんて使うなよ?」

その鞭は寸分の狂いもなく先ほどと同じようにクーリの手の中のポーションを穿ち、周りに破片を撒き散らした。


はい、やばいね

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(IDはあらすじにあります)

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