邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

SS 妹達の二人旅 玖

SS一章 『妹達の二人旅』


関所での一幕が終わり、馬車から降りた一行は冒険者ギルドへと向かっていく。
人族の男が投げ捨てるように渡してきた羊皮紙に記された簡素な地図をたどりながら都市の雑踏をかき分けて進んでいく。

鉱山都市というだけあってやはり露店や周りの店にあるのは鉱石や金属関係の物が多く、露店には何か魔術をかけられているのであろう冒険者用装身具アクセサリーや精錬済みの金属塊インゴットが所狭しと並べられ、昼間から繁盛している。

通りの端にはアクセサリーショップや鍛冶屋などが並び立ち、工房の熱気が伝わってくるようである。
そうした鍛冶店の棚や壁には一般的な長剣や短剣の他に熊を叩き切れそうな戦斧ハルバード、刀身が曲がりくねった波状剣フランベルシュ、マインゴーシュやソードブレイカーなどの珍しい武器が並んでいる。

また、店の中に陳列されているアクセサリーのほとんどに宝石が使われており、モルテン鉱山ここがただの金属資源が豊富にあるだけの場所ではないのが容易にうかがえる。

「この都市はご覧の通り良質な金属や武具などが多数存在しており、それらの買い付けにくる行商人などが多いのも相まって経済の中心地になっております」

デキる観光ガイドと化したクーリによる観光案内を聞き、すぐに他のものに目移りしてしまうため何処かに行ってしまいそうな遊理を捕獲しつつ一行は進む。

活気のある職人街メインストリートと打って変わって、今度は鍛冶屋などの金属関連の店を見かけなくなり、食料品店や商業ギルドなどが目立つようになってくる。

「ここは食料品店などが集まる通りですね。大きな商会などはここに支部を構えることで良質な金属製品の入手に成功しています」

そこから進んでいくと、今度は鶴嘴をもった労働者などが目立つようになり、ちょうど昼だからだろうが周囲の食堂から芳しい匂いが漏れ出てきて3人の鼻孔をくすぐる。

「ここは宿屋街ですね。鉱山労働者が利用する宿から貴族用の最高級のものまで幅広いものがあります」

「ご飯食べない?」
「だめですよ。至急きてくれと言われているのですから待たせてはいけません」

そんな話をしながら進んでいくと、周囲の建造物と見比べても一際大きな建物が見えてくる。

真鍮か何かでできているのであろう看板に大きく交差する剣の紋章が描かれ、中からは笑い声が聞こえる。

「到着いたしました。冒険者ギルドでございます」

そうクーリが言ったのを皮切りに、3人は中へと入って行った。


観光回

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(IDはあらすじにあります)

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