邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜

クロシヲ

第百三十五話 宣告と超越

6章 玩具は盤上で踊る


「ねぇ…今、どんな気持ちだい?」

「……」

シグレは顔を歪め、内心で歯噛みする。
倒したと思っていた道化ロキは偽者で、リーダーこのおとこに変身し、自分の無様な様を見て内心でほくそ笑んでいたのだろう。

「どんな気持ちだい?」

同じことを聞き返してきたロキに、シグレは瞳のみを動かし無言の敵意でそれに応える。

「何か!言え!よ!」

それを見たロキは憤慨し、何度もなんども、何度もシグレを蹴りつける。
当然シグレはボールのように吹っ飛び、着々とHPを消耗していく。

「ホラホラホラホラホラァ!さっきの威勢はどうした!何が「貴様を殺す!!」だ!できてねぇーだろーが!」

身体強化すら使わず、ただすの身体能力で嬲るようにロキはシグレのHPを削っていく。
そして、HPがレッドゾーンへと突入し、少しずつ、少しずつ減っていく。

ロキの蹴りに合わせてHPバーが少しずつ減っていく様は、死刑執行台への道筋のようで、シグレに刻一刻と近づく死神の足音を、確実に大きくしていた。

そして、最後の一ドットのHPが砕け散る。

ロキの足が光の粒子となったシグレの体を通り抜け、空を切る。

「なんだ…死んだのか…ニャルも不甲斐ないな、こんな奴にしてやられるなんて」

そう言ってロキは振り向き、気だるそうに頭を搔く。

死をメメン想えモリ

かすれるような声に気づかず、ロキは上機嫌に鼻歌を歌う。
そして、反逆の一撃が、ロキの喉元へと打ち込まれる。

死の宣告デクアレイション・オブ・デス

唐突に自身の身に降り注いだ呪いに、ロキは戦慄する。
一瞬にして呪いの強さや効果を知ったロキは、光となって消えているはずのシグレへと向きなおる。

「チッ!やってくれたなぁ!くそがぁぁぁぁぁ!」

怒り狂ったロキは衝動に身を任せ、シグレの体を蹴り飛ばす。

「とでも思ったぁ〜?」

足元のシグレを笑顔で見下しながらロキは笑顔で囁く。

「残念☆嘘でしたぁ〜。いやぁ〜見ものだったよぉ?キミが無様に私の手の平で踊る様はねぇ?ニャルもこれに負けるなんて不甲斐ないねぇ」

「ほんっとーに無駄な抵抗、お疲れぇ〜」

そして、無防備に横たわるシグレの体に、無慈悲に剣が突き立てられた。



はい、抵抗は無意味だった

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(IDはあらすじにあります)


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