邪神と一緒にVRMMO 〜邪神と自由に生きていく〜
第百八話 邪教と禁忌と生命と 下
6章 玩具は盤上で踊る
「実はね…」
そう前置きをして、神妙な顔でアリスは話始める。
「はじめはただの行方不明者の捜索だったの、いや、誘拐事件の捜査、と言ったほうがいいか」
「最初はただの失踪事件だと思ってたんだけどね」
お手上げといった様子でアリスは手を挙げ、なおも喋り続ける。
「全ての事件で消える前に不審な男と会っていたところを親族が見ていたみたいなのよ」
「親族があれはだれかと聞いても反応はなく、翌日にふらっと消えたらしいわ」
「ほう、それは興味深いな」
セフィロの反応に対しアリスは一拍おいて紅茶を飲む
「そして、それを調べるうちに、今回の本題へとたどり着いたの」
「ある邪教の活動が活発化しているらしいのよ」
「具体的には?」
「さっき言ったように各地で人間を誘拐したりヤバイ薬を闇市場で大量購入してるらしいわ」
「そしてここ数日、その邪教の支部と思われるところに大量の魔法触媒が持ち込まれたわ」
「そして最後に、誘拐された人を見つけるために放った私の使い魔の眼に写ったのは、スライムのような肌色の肉の塊と、不揃いな肉体で今にも崩れ落ちそうな合成獣や、培養槽に入れられた何かだった。」
「クズどもが!命をなんだと思っておるんじゃ!」
それを聞いたセフィロは嫌悪の色を隠そうともせずに罵詈雑言を吐く、手に持ったティーカップが震え、中に紅茶が溢れそうになる。
「セフィロ、落ち着いて。ここにいる全員があなたと同じ気持ちだわ。あんな生命への冒涜行為を許せるはずがない」
たしなめるようにいうアリスの言葉の節々から、マグマのように煮えたぎる怒りが伝わってくる。
もちろんシグレだってこのような生命への冒涜は言語道断だ。
すでにあの魔法使いの時のように憤怒が使える段階まで怒っており、今おとなしくしているのは先輩達が大人しくしているのに加えてシグレ自身の自制心の賜物である。
「この事態を重く見て、我ら王国は冒険者達にクエストを発令します。セフィロも、あなたも、手伝ってくれる?」
その半ば答えの決まった問いに2人は即座に返答した。
「「もちろんです(じゃ)」」
かくして、役者は出揃った。
さあさあ次から演劇が始まります。皆様どうぞお楽しみください。
書くの忘れてましたが、始まりの街は王国の辺境です
ごじだつじや作品へのご意見等ございましたらコメントしていただければ幸いです。
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「実はね…」
そう前置きをして、神妙な顔でアリスは話始める。
「はじめはただの行方不明者の捜索だったの、いや、誘拐事件の捜査、と言ったほうがいいか」
「最初はただの失踪事件だと思ってたんだけどね」
お手上げといった様子でアリスは手を挙げ、なおも喋り続ける。
「全ての事件で消える前に不審な男と会っていたところを親族が見ていたみたいなのよ」
「親族があれはだれかと聞いても反応はなく、翌日にふらっと消えたらしいわ」
「ほう、それは興味深いな」
セフィロの反応に対しアリスは一拍おいて紅茶を飲む
「そして、それを調べるうちに、今回の本題へとたどり着いたの」
「ある邪教の活動が活発化しているらしいのよ」
「具体的には?」
「さっき言ったように各地で人間を誘拐したりヤバイ薬を闇市場で大量購入してるらしいわ」
「そしてここ数日、その邪教の支部と思われるところに大量の魔法触媒が持ち込まれたわ」
「そして最後に、誘拐された人を見つけるために放った私の使い魔の眼に写ったのは、スライムのような肌色の肉の塊と、不揃いな肉体で今にも崩れ落ちそうな合成獣や、培養槽に入れられた何かだった。」
「クズどもが!命をなんだと思っておるんじゃ!」
それを聞いたセフィロは嫌悪の色を隠そうともせずに罵詈雑言を吐く、手に持ったティーカップが震え、中に紅茶が溢れそうになる。
「セフィロ、落ち着いて。ここにいる全員があなたと同じ気持ちだわ。あんな生命への冒涜行為を許せるはずがない」
たしなめるようにいうアリスの言葉の節々から、マグマのように煮えたぎる怒りが伝わってくる。
もちろんシグレだってこのような生命への冒涜は言語道断だ。
すでにあの魔法使いの時のように憤怒が使える段階まで怒っており、今おとなしくしているのは先輩達が大人しくしているのに加えてシグレ自身の自制心の賜物である。
「この事態を重く見て、我ら王国は冒険者達にクエストを発令します。セフィロも、あなたも、手伝ってくれる?」
その半ば答えの決まった問いに2人は即座に返答した。
「「もちろんです(じゃ)」」
かくして、役者は出揃った。
さあさあ次から演劇が始まります。皆様どうぞお楽しみください。
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