第八十九話人形のチカラ

5章蹂躙

時は少し巻き戻る…（観戦開始したあたり）

「アンタ、どの神の加護持ってんの？」

彼と対峙したフブキはそう問うた。

「それは…知る必要のないこと」

「そう。じゃあ無理やりにでも聞かせてもらうわよ。『ノーブルスラスト』ッ！」

細剣レイピアを持ったフブキが彼に向かって突進し、周りからは魔符や魔法使いほうだいからの援護が襲いかかる。

「悪を成す者アヴェスター」

「なっ………」

その一言で、繰り出された全ての攻撃に対全く同じ現象によって相殺された。

フブキの刺突はどこからか現れた黒い細剣レイピアによって防がれ。

魔法は全く同じもので相殺され、弓矢もどこからか放たれた黒い弓矢に相殺される。

「何よ！これ！」

「あなたが知る必要はない」

「チッ！氷の棺桶アイシクルコフィン！」

「悪を成すアヴェス…つッ!?」

フブキが自身の神の加護を用いて発動した魔法が反射されないのを見てその美しい口元を歪める。

「どーやら私の魔法は防げないようね！」

「苦痛の首」

彼の腕が中ほどから蛇の頭に変貌し、フブキへと迫る。
取るに足らないと魔法で切り裂こうとしたフブキは異変に気付く。
自分のHPゲージが減っている。
それどころか痛覚設定をかなり下げているにも関わらず体に激痛が走る。
思わずその場から離れると痛みと継続ダメージは徐々に薄れていく。

「あの首から一定の範囲内に入ったらダメージか。めんどくさいわね」

ドゴォン！

轟音が鳴り響く
彼が反射的に振り向くとその目に映し出されたのは追い詰められるリーダーマリスであった。

「マリス！」

今起こっている全てを投げ捨ててマリスの元へ向かおうとする彼の首筋にフブキは細剣レイピアを突きつける。

「あら、あなたの相手は私たちよ？」

「悪を成すアヴェス…」

細剣レイピアや普通の弓なら防げると彼は再び悪を成す者アヴェスターを起動するがなぜかフブキの氷に覆われた細剣レイピアを反射できず、体に突き刺さった細剣レイピアによって強制的に動きを止められてしまう。
そして、その隙に回り込んだフブキたちに進路を妨害されてしまう。

「どいて…！」

「あら、あなたって感情あるのね。てっきりあれマリスの操り人形かと思ってたわ」

「どいて…！」

「どかないわよ。言ったでしょう？あなたの相手は私たちだと」

「じゃあ…押し通る…！絶対悪アジ・ダハーカ！」

氷の女王は息を呑む。

対するは人形の少年。
その身に宿すは悪神が作った『悪を成す人形アジ・ダハーカ』

アヴェスター割とチート。

『悪』属性持ち以外の攻撃を受け付けず。その攻撃を学習して自動的に反撃します。

『悪』属性を持ってるのはモンスターか邪神かレッドプレイヤーです。

あとフブキの魔法が効いたのは神の加護を媒介とした物であればアヴェスターを貫通できるからです。

アジ・ダハーカを悪を成す人形と書いたのは元ネタの拝火教ゾロアスター教だとアジ・ダハーカはアンラ・マンユによって創造され、人生？の全て(死ぬことも)が既に決定されていてそれに沿って行動しているため、それをクロシヲの友人が「神の玩具…人形みたい」と思っただけで深い意味は無いです。

次回は悪魔側

誤字脱字等ございましたらコメントしていただければ幸いです

いいね、フォローもお願いします

色々ありましたが祝100話目！(閑話含めて)
ここまでクロシヲの豆腐メンタルが崩れずに済んでいるのも皆様のおかげです！これからも面白い？小説を書けるよう一層努力してまいります。

乞うご期待！