人類がアップデートされるなかで俺は取り残されました
始まる高校生活
100年前、宇宙から降り注いだ謎のエネルギーが人々を包み込み、人類はアビリティ(超能力)を使えるようになった。
超能力は親から子へと遺伝し、今ではほぼみんながアビリティを使えるようになっている。
しかし、ごく稀に超能力を使えない人間もいる。その中の一人がこの俺だ。
俺の名前は石橋豊。今日から東京の私立高校に通う。年は十六歳、身長は百七十センチメートルの痩せ型である。去年より二センチ身長が伸びた。嬉しい。
俺は全くアビリティを使うことができない。アビリティはサイコキネシス、瞬間移動、テレパシーなどさまざまな種類が存在するのだが、俺はどれも使用することができない。
この国では、小学校にアビリティを調べる診査を病院で受けるのだが、診断の結果、俺はアビリティを持たない人間だと診断された。
滅多にないケースらしい。普通の人間は小学校の低学年にはアビリティを使えるようになる。遅くとも中学校には使えるようになるのだが、俺は使えるようにならないらしい。
アビリティが使えないと知った、父親は俺に対して軽薄な態度を取るようになった。
悲しいことだが、アビリティを使えない人間は差別されるのが普通である。
しかし、そんな俺を母親は暖かく接してくれた。俺のことを全く愛してくれない父親と離婚し、女手一つで育ててくれた。
だが、母親は俺が高校に上がる前に亡くなってしまった。
最後に母親は俺に対してこんな言葉を投げかけてくれた。
「豊。あなたはとってもいい子よ。アビリティなんかなくってもきっといい人生を歩んでいけるわ」
母親が亡くなった後は親族の金銭的な援助をしてくれるということで、なんとか高校に通うことができた。
高校は卒業してからはアビリティを使う必要のない職業につこうと考えている。
例えば、IT企業のプログラマーなどはアビリティを使う必要がないらしい。
まだ、詳しく進路を決めているわけではないが今日から高校生活が始まる。頑張っていこうと思う。
教室に入ると、当然のことながら色んな生徒がいた。金髪の生徒やピンクの髪の生徒。別に頭髪に関する決まりはないのだが、モヒカンのやつもいる。さすがにあれだろう。
「みんな、席につけ! 私は担任の橘蒼だ。よろしくな!」
年はアラサーくらいだろうか? 長髪の黒髪の先生が話した。
「じゃあ、一番端のそこの生徒から自己紹介をしてもらおう! 名前と趣味とアビリティについて紹介してくれ!」
「先ほど、ダサいと思ったモヒカンの男がたった。
「はじめまして! 宮口辰博です。趣味はギターです! 俺のアビリティは音を具体化させることができます!」
随分と変わったアビリティだなと思う。そんなアビリティ初めて知った。
「へぇ! 宮口くん、ちょっとやってみてくれないか」
「うっす! それじゃ、石!」
宮口が叫ぶと彼の口から石という文字が(物理的に)出てきた。
そして、ゴン! という音を立てて落ちた。ちなみにこの石という文字は材質も石である。
「へぇ、変わった能力だなぁ」
「ありがとうございます!」
別に褒めてないんじゃないだろうか。
その後も、次々と生徒が自己紹介を行った。何人か気になる生徒がいた。
「氷室氷花です。趣味は読書。アビリティは触れたものの体温を下げることができます。」
水色の髪と白く透き通った肌をした生徒が自己紹介をした。
能力自体は俺も似た能力を見たことがあるから気にならなかったが。問題は容姿である。
こんな綺麗な女性は冗談ではなく見たことがない。
男子生徒のみならず、女子生徒まで彼女の美しさに目を奪われていた。
「そうか、読書が好きなのか。何を読むんだ?」
先生が質問をした。
「トマト・ピンチョンです。」
何の本かさっぱり分からなかった。
もう一人個人的に気になる生徒がいた。
「はじめまして、白鳥一馬です。趣味はサーフィン、アビリティは時間の流れを遅めることができます。」
この白鳥という生徒、金髪の長身でかなりのイケメンである。容姿もだが、アビリティのことが気になった。この世界では時に関するアビリティを使えるものはかなり重宝される。というか、使えるものがいない。かなりのレアなのである。
例えるなら覇王色の覇気持ちくらいレアである。
「へぇ。時間の流れを遅めるアビリティね。便利な能力ね」
「そうでもありませんよ。アビリティ使うとかなり疲れますし」
余裕そうな笑みで答えた。くそ、こいつ。将来は安泰ってことか。
こんな珍しいアビリティの持ち主、企業や組織がほっておくわけがないだろう。俺とは真逆の存在である。
そして、ついに俺の番がやってきた。
「はじめまして。石橋豊と言います。趣味はネットサーフィン。アビリティは......持っていません」
自己紹介すると、教室がざわざわしだした。
ところどころから、悪口が聞こえてくる。
ーーうわ、あいつアビリティつかえないんだな。
ーーまじかよ。よく、普通の高校に通えるよな。
ーーしかも、趣味がネットサーフィンだって。
アビリティを持ってないことで悪口を言われるのはともかく、趣味がネットサーフィンなのは、何が悪いのかよく分からない。別にいいだろ。
「そうか、豊はアビリティが使えないのか。まぁ、別に使えなくても生きていく方法はたくさんある。気にするなよ。一年間よろしくな。」
この先生、結構いい人かもしれない。今まで、俺がアビリティを使えないということであからさまに差別する先生がいた。
とりあえずは今はこの学校の座学でトップを取れるように頑張るか。
超能力は親から子へと遺伝し、今ではほぼみんながアビリティを使えるようになっている。
しかし、ごく稀に超能力を使えない人間もいる。その中の一人がこの俺だ。
俺の名前は石橋豊。今日から東京の私立高校に通う。年は十六歳、身長は百七十センチメートルの痩せ型である。去年より二センチ身長が伸びた。嬉しい。
俺は全くアビリティを使うことができない。アビリティはサイコキネシス、瞬間移動、テレパシーなどさまざまな種類が存在するのだが、俺はどれも使用することができない。
この国では、小学校にアビリティを調べる診査を病院で受けるのだが、診断の結果、俺はアビリティを持たない人間だと診断された。
滅多にないケースらしい。普通の人間は小学校の低学年にはアビリティを使えるようになる。遅くとも中学校には使えるようになるのだが、俺は使えるようにならないらしい。
アビリティが使えないと知った、父親は俺に対して軽薄な態度を取るようになった。
悲しいことだが、アビリティを使えない人間は差別されるのが普通である。
しかし、そんな俺を母親は暖かく接してくれた。俺のことを全く愛してくれない父親と離婚し、女手一つで育ててくれた。
だが、母親は俺が高校に上がる前に亡くなってしまった。
最後に母親は俺に対してこんな言葉を投げかけてくれた。
「豊。あなたはとってもいい子よ。アビリティなんかなくってもきっといい人生を歩んでいけるわ」
母親が亡くなった後は親族の金銭的な援助をしてくれるということで、なんとか高校に通うことができた。
高校は卒業してからはアビリティを使う必要のない職業につこうと考えている。
例えば、IT企業のプログラマーなどはアビリティを使う必要がないらしい。
まだ、詳しく進路を決めているわけではないが今日から高校生活が始まる。頑張っていこうと思う。
教室に入ると、当然のことながら色んな生徒がいた。金髪の生徒やピンクの髪の生徒。別に頭髪に関する決まりはないのだが、モヒカンのやつもいる。さすがにあれだろう。
「みんな、席につけ! 私は担任の橘蒼だ。よろしくな!」
年はアラサーくらいだろうか? 長髪の黒髪の先生が話した。
「じゃあ、一番端のそこの生徒から自己紹介をしてもらおう! 名前と趣味とアビリティについて紹介してくれ!」
「先ほど、ダサいと思ったモヒカンの男がたった。
「はじめまして! 宮口辰博です。趣味はギターです! 俺のアビリティは音を具体化させることができます!」
随分と変わったアビリティだなと思う。そんなアビリティ初めて知った。
「へぇ! 宮口くん、ちょっとやってみてくれないか」
「うっす! それじゃ、石!」
宮口が叫ぶと彼の口から石という文字が(物理的に)出てきた。
そして、ゴン! という音を立てて落ちた。ちなみにこの石という文字は材質も石である。
「へぇ、変わった能力だなぁ」
「ありがとうございます!」
別に褒めてないんじゃないだろうか。
その後も、次々と生徒が自己紹介を行った。何人か気になる生徒がいた。
「氷室氷花です。趣味は読書。アビリティは触れたものの体温を下げることができます。」
水色の髪と白く透き通った肌をした生徒が自己紹介をした。
能力自体は俺も似た能力を見たことがあるから気にならなかったが。問題は容姿である。
こんな綺麗な女性は冗談ではなく見たことがない。
男子生徒のみならず、女子生徒まで彼女の美しさに目を奪われていた。
「そうか、読書が好きなのか。何を読むんだ?」
先生が質問をした。
「トマト・ピンチョンです。」
何の本かさっぱり分からなかった。
もう一人個人的に気になる生徒がいた。
「はじめまして、白鳥一馬です。趣味はサーフィン、アビリティは時間の流れを遅めることができます。」
この白鳥という生徒、金髪の長身でかなりのイケメンである。容姿もだが、アビリティのことが気になった。この世界では時に関するアビリティを使えるものはかなり重宝される。というか、使えるものがいない。かなりのレアなのである。
例えるなら覇王色の覇気持ちくらいレアである。
「へぇ。時間の流れを遅めるアビリティね。便利な能力ね」
「そうでもありませんよ。アビリティ使うとかなり疲れますし」
余裕そうな笑みで答えた。くそ、こいつ。将来は安泰ってことか。
こんな珍しいアビリティの持ち主、企業や組織がほっておくわけがないだろう。俺とは真逆の存在である。
そして、ついに俺の番がやってきた。
「はじめまして。石橋豊と言います。趣味はネットサーフィン。アビリティは......持っていません」
自己紹介すると、教室がざわざわしだした。
ところどころから、悪口が聞こえてくる。
ーーうわ、あいつアビリティつかえないんだな。
ーーまじかよ。よく、普通の高校に通えるよな。
ーーしかも、趣味がネットサーフィンだって。
アビリティを持ってないことで悪口を言われるのはともかく、趣味がネットサーフィンなのは、何が悪いのかよく分からない。別にいいだろ。
「そうか、豊はアビリティが使えないのか。まぁ、別に使えなくても生きていく方法はたくさんある。気にするなよ。一年間よろしくな。」
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