イセカマジックストーリー《異世界×オカマ×魔法》
1-2決断
「ん、んん…眩しい…」
もちろん願いなど叶うはずもなく、カーテンの隙間から射し込む光がベッドに寝る俺の顔を照らしていた。
「はぁ、今日もダメだったかぁ…少しくらい、俺にも面白いこと起こらないかな…?」
こうして毎朝の日課になってしまった落胆を終え、準備をして家を出た。
「あ…!」
自転車の鍵を部屋に忘れたことに気付いたが、まぁ早く行っても疲れるだけだし、歩くことにした。
いつもより少し遅く学校に着く。
「はぁ…」
やはりこの教室の前に来ると溜め息が出てしまう。今からまた地獄が始まるかと思うと仕方ないのだが。
ガラガラガラ
扉を開けると、ホームルーム開始時間5分前だというのに何故か既に担任が来ており、何やら神妙な面持ちで教卓にいる。
「これで、全員揃ったな…?山本、早く席につけ。」
どうしたのだろうか。いつになくローテンションだ。
「あ、はい」
俺が席につくと、担任の重い口がようやく開いた。
「とても、悲しい知らせがある。じ、実は昨夜、根室が車に跳ねられた。跳ねた車の運転手が急いで病院に連れていったらしいが…残念なことに、亡くなった。」
クラスがざわつく。突然そんなことを言われたら驚くのも無理はないが。
ざわついたまま、ホームルームは終わった。
「アイツ死んだって、まじぃ?ウケんだけどー!いらなかったし死んで当然!クラスがきれいになったわぁ」
根室をいじめていた奴らだ。
クラスメイトが死んで、そのテンションとはクレイジーだな。
「でも残念…根室は結構いじめやすかったんだけどなぁ。ねえ!今度は誰やる?」
うわ、もう次のターゲットの話かよ。たしかに交通事故なら責任も何も感じないか…
「俺が死んでも、そんな感じなのかな…?」
無意識に声が出てしまった。誰かに聞かれてはないだろうか?
そんなこんなで授業は始まった。
キーンコーンカーンコーン
昼休みだ。今日も赤井がいない。授業サボって飯でも食べているのだろうか?まぁ、どーだっていいんだが。
「屋上で食べるか…」
基本は使われていない屋上だが、鍵はかかっていないため出入りは自由だ。
弁当を持ち、階段を上る。このまま飛び降り自殺でもしようか、と考えながら。
屋上には先客はいなかった。自殺するにはいいかもしれない。下を見下ろす。
この高さから落ちたら、まぁ助からないだろう。都合もいい。死ぬか。俺の代わりなんていくらでもいるんだし。
フェンスなどはないため、なんの手間もいらなかった。青空を見上げ、笑顔で空へ一歩踏み出す。バランスをとれなくなった体は回転を始めて落ちた。
地面が近付いてくる。
怖い、固そう、痛そう!
し、死ぬ!
地面に着いた瞬間はとてもとても長く感じた。スローに見えたという方が正確だろう。
その分、痛みもじわじわきた。
気付くと自分の血が地面を濡らしていた。
まじか、即死じゃねえのか…
意識が遠くなる。寝る瞬間のように。
「どうか、俺を…異…世界…へ…」
何を言っているんだ。死ぬっていうときに、なんで祈ってんだよ。
自分の能天気さに呆れた。そして、瞼を閉じた。
その時にはもう、俺の中に生命はなかった。
もちろん願いなど叶うはずもなく、カーテンの隙間から射し込む光がベッドに寝る俺の顔を照らしていた。
「はぁ、今日もダメだったかぁ…少しくらい、俺にも面白いこと起こらないかな…?」
こうして毎朝の日課になってしまった落胆を終え、準備をして家を出た。
「あ…!」
自転車の鍵を部屋に忘れたことに気付いたが、まぁ早く行っても疲れるだけだし、歩くことにした。
いつもより少し遅く学校に着く。
「はぁ…」
やはりこの教室の前に来ると溜め息が出てしまう。今からまた地獄が始まるかと思うと仕方ないのだが。
ガラガラガラ
扉を開けると、ホームルーム開始時間5分前だというのに何故か既に担任が来ており、何やら神妙な面持ちで教卓にいる。
「これで、全員揃ったな…?山本、早く席につけ。」
どうしたのだろうか。いつになくローテンションだ。
「あ、はい」
俺が席につくと、担任の重い口がようやく開いた。
「とても、悲しい知らせがある。じ、実は昨夜、根室が車に跳ねられた。跳ねた車の運転手が急いで病院に連れていったらしいが…残念なことに、亡くなった。」
クラスがざわつく。突然そんなことを言われたら驚くのも無理はないが。
ざわついたまま、ホームルームは終わった。
「アイツ死んだって、まじぃ?ウケんだけどー!いらなかったし死んで当然!クラスがきれいになったわぁ」
根室をいじめていた奴らだ。
クラスメイトが死んで、そのテンションとはクレイジーだな。
「でも残念…根室は結構いじめやすかったんだけどなぁ。ねえ!今度は誰やる?」
うわ、もう次のターゲットの話かよ。たしかに交通事故なら責任も何も感じないか…
「俺が死んでも、そんな感じなのかな…?」
無意識に声が出てしまった。誰かに聞かれてはないだろうか?
そんなこんなで授業は始まった。
キーンコーンカーンコーン
昼休みだ。今日も赤井がいない。授業サボって飯でも食べているのだろうか?まぁ、どーだっていいんだが。
「屋上で食べるか…」
基本は使われていない屋上だが、鍵はかかっていないため出入りは自由だ。
弁当を持ち、階段を上る。このまま飛び降り自殺でもしようか、と考えながら。
屋上には先客はいなかった。自殺するにはいいかもしれない。下を見下ろす。
この高さから落ちたら、まぁ助からないだろう。都合もいい。死ぬか。俺の代わりなんていくらでもいるんだし。
フェンスなどはないため、なんの手間もいらなかった。青空を見上げ、笑顔で空へ一歩踏み出す。バランスをとれなくなった体は回転を始めて落ちた。
地面が近付いてくる。
怖い、固そう、痛そう!
し、死ぬ!
地面に着いた瞬間はとてもとても長く感じた。スローに見えたという方が正確だろう。
その分、痛みもじわじわきた。
気付くと自分の血が地面を濡らしていた。
まじか、即死じゃねえのか…
意識が遠くなる。寝る瞬間のように。
「どうか、俺を…異…世界…へ…」
何を言っているんだ。死ぬっていうときに、なんで祈ってんだよ。
自分の能天気さに呆れた。そして、瞼を閉じた。
その時にはもう、俺の中に生命はなかった。
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