異世界でデスゲーム~この世界で神になる~
絶望と渇望
「下等な雑種如きが、我を見上げる事自体が罪だ」
天高くに舞い上がった真紅の龍は荘厳たる声で語りかける。
威圧感が有り、重厚で気高き声は地を這う人間を見下していた。
「即ち……極刑にしてくれる」
「コイツが……。覇者王……」
五本生えた指は、龍の最高峰である事を意味し、逞しく、そして大地に莫大な影を作る左右に伸びた翼は恐怖を植え付ける。
白銀の目は額に一つ、左右に二つずつ付いていた。それが、あらゆる攻撃を未然に防ぎ、戦って数時間無傷でいられる理由だろう。
神々しいさと畏怖を同時に知ら占める姿は正に、
「……いや、それだけじゃーないな……。圧倒的な、力の差だ」
「大気となり、消えるがいい」
牙が乱雑に生えた大きい口を開き、ギロッと爬虫類の如く鋭い瞳は大地を写す。
「これは……マズイです!!」
口の前には、いくつもの魔法陣が展開され、様々な色に発光していた。
焦せり、上擦った四枚の翼をもった天使は男性の前に立ち障壁を造りあげる。
「そんな障壁話にもならん!死ぬがいい!!」
「貴方だけは、生きてください。──ん、逢えて幸せでした」
刹那、一本の閃光と共に白煙と爆炎が巻き起こり、大地は半壊。凄まじい熱気が蜃気楼を作り上げる中、男性は膝を付き倒れた女性の頭を抱えていた。
「おい、おい……。まさか、そんな……」
「そんなに泣かないでくだ、さい。私はいつでも此処にいます、から……」
物凄い破壊力を持った閃光を、全身全霊を込めて防いだ代償はデカかった。
片腕と両眼は機能を喪い、真っ青になり震えた左手で男性の顔を探るように持ち上げる。
ピタリと頬に触れた、手の甲は今迄感じた事の無い冷たさを伴い、心に突き刺さった。
「おい、今……治癒を」
手のひらは、淡く緑色に発光し翳した顔は、目や鼻から血を流している。瀕死の重傷を負った女性は、その手を取ると、
「いいえ。その力は自分の、為……に御使い下さい……」
焼け野原と化した大地を見下し覇者王は嘲笑いながら言った。
「ほう。ならば、貴様は生かしといてやる。そして、広めるがいい我が恐怖と絶望を」
天高くに舞い上がった真紅の龍は荘厳たる声で語りかける。
威圧感が有り、重厚で気高き声は地を這う人間を見下していた。
「即ち……極刑にしてくれる」
「コイツが……。覇者王……」
五本生えた指は、龍の最高峰である事を意味し、逞しく、そして大地に莫大な影を作る左右に伸びた翼は恐怖を植え付ける。
白銀の目は額に一つ、左右に二つずつ付いていた。それが、あらゆる攻撃を未然に防ぎ、戦って数時間無傷でいられる理由だろう。
神々しいさと畏怖を同時に知ら占める姿は正に、
「……いや、それだけじゃーないな……。圧倒的な、力の差だ」
「大気となり、消えるがいい」
牙が乱雑に生えた大きい口を開き、ギロッと爬虫類の如く鋭い瞳は大地を写す。
「これは……マズイです!!」
口の前には、いくつもの魔法陣が展開され、様々な色に発光していた。
焦せり、上擦った四枚の翼をもった天使は男性の前に立ち障壁を造りあげる。
「そんな障壁話にもならん!死ぬがいい!!」
「貴方だけは、生きてください。──ん、逢えて幸せでした」
刹那、一本の閃光と共に白煙と爆炎が巻き起こり、大地は半壊。凄まじい熱気が蜃気楼を作り上げる中、男性は膝を付き倒れた女性の頭を抱えていた。
「おい、おい……。まさか、そんな……」
「そんなに泣かないでくだ、さい。私はいつでも此処にいます、から……」
物凄い破壊力を持った閃光を、全身全霊を込めて防いだ代償はデカかった。
片腕と両眼は機能を喪い、真っ青になり震えた左手で男性の顔を探るように持ち上げる。
ピタリと頬に触れた、手の甲は今迄感じた事の無い冷たさを伴い、心に突き刺さった。
「おい、今……治癒を」
手のひらは、淡く緑色に発光し翳した顔は、目や鼻から血を流している。瀕死の重傷を負った女性は、その手を取ると、
「いいえ。その力は自分の、為……に御使い下さい……」
焼け野原と化した大地を見下し覇者王は嘲笑いながら言った。
「ほう。ならば、貴様は生かしといてやる。そして、広めるがいい我が恐怖と絶望を」
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