異世界破壊のファートゥム
42話 スカルⅣ
ライアンと会ったリーゴの顔は悲しそうだった。それと同じくらい喜びに満ちた暖かい声をしていた。
 「ライアンさん、どうして…?貴方は死んだはずだ。」
ゆっくりとライアンの家の扉が開く。
海斗、鈴華、俊哉が家から恐る恐る顔を出すとそこには言い合っているライアンとリーゴの姿があった。
 「リーゴ!何しにここに来た!」
リーゴの姿を見ると俊哉を先頭に三人が戦闘体制へと切り替えた。
 「ハッハハー、ヨイヨイ。こやつはワシに用が有って来たんじゃよ。なぁー?」
目付きをガラリと変えたライアンは近寄りがたい空気を出し、その空気に圧倒されリーゴは頷く事しかできなかった。
圧倒されていたのはリーゴだけでは無かった、俊哉を含めた三人も修行中一度も見たことがない表情ライアンの表情にただ従うしかないと理解した。
リーゴとライアンは場所を変え話をする事になった。三人は前日のように修行をしているよう言われた。
 「それで、リーゴよお前は何を言いにここに来たんじゃよ?」
 「ライアンその前にどうして…。」
ライアンがリーゴに怒鳴り始めた。その声は修行していた三人にも聞こえる大きさで。
 「そんなの後でいいわい!何を言いに来たんだと聞いとるんじゃよ。ワシわ!」
リーゴは申し訳なさそうにここに来た理由を説明し始めた。何をライアンに伝えようとしていたのかも含め。
 「黒魔術はどうした。そんな禁忌に触れようとしたお前を今さら、どうにかしてやれるほどワシは優しくはないぞ?それはお前が一番分かっとるよな?」
リーゴは謝るしかなかった。
自分の誤りを謝る。それしかできなかった。
謝っているとライアンはため息を一つつき180度顔色を変えた。
 「まぁ、足を洗ったんだろ。なら、良いよ。飯でも食べてくか?リーゴ。」
その言葉はまるで父親のような、暖く心地いい言葉だった。
リーゴ、ライアン、海斗、鈴華、俊哉の気まずい静かな5人飯が始まった。
その気まずそうな空気に耐えきれずライアンが話始める。
 「なに、リーゴのやつが何かをしようとしているのならワシが止めてやるから遠慮せず騒ぎなさいな。」
先人を切ったのはやはり俊哉だった。
 「リーゴ、王都での能力者狩りの時は助かった。ありがとう。」
少し警戒しながら、また少し恥ずかしがりながら俊哉はリーゴに感謝の気持ちを伝えた。
リーゴはすました顔をしながら「良い。」とだけ告げた。
それからは各々話したいことを話始めた。リーゴに敵意が無い事が分かり語り合える雰囲気になった。
 「それでライアンさん。どうして今この場に?さっきから言っているが貴方は死んだはず。」
その答えを教えてくれたのはなんとライアンではなく鈴華だった。
 「理由は簡単よ。俊哉の能力の影響ね。どれだけ調べても俊哉の能力に関しては出てこなかった。いや、アルカナをもってしても知ることが出来ない秘密事項だったと言った方が良いわね。だからここからは私の憶測でしかないけど…。」
鈴華は俊哉とライアンの目を伺いながら言うかどうか迷いながら話を続ける。
 「おそらく俊哉の能力は時間に干渉できる能力なのよ。その能力とアルカナが反応し俊哉の無意識に能力が発動しこの辺り一帯だけ時間が過去に戻った。そんなところかしら。」
ライアンの目を再度見正解かを伺う鈴華にライアンが大きな口をかけて笑いながら答える。
 「まぁ、大方正解じゃろう。俊哉君の能力はちと違うがまぁ、こればかりは本人が言いたいか言いたくないかに任せるしかないな。」
他の者が一斉に俊哉の顔を見る。反射的に顔を反らす俊哉の反応を見て全員が理解した。俊哉は自分の能力を明かす気は無いのだと言うことを。故に誰もこれ以上詮索をする事はしなかった。ただ一人を覗いて。
 「俊哉、あんた本当に一体何者よ?何度アルカナを使っても出てこなかった。王族の能力はアルカナでは出てこないことは判明した。それでも軽いヒントくらいは出てきた。」
そう、鈴華は理解していたのだ。運命のアルカナの能力を。例えば、ミアの能力なら未来。とヒントらしき形でしか出てこないことを。いろいろ試してみることで分かっていた。
 「あんたの結果は無よ。ヒントすら出てこない。王族の能力ですら出てくるのに。ねえ、貴方は本当に、一体何者なの?」
俊哉の申し訳なさそうな顔を見て暴走しそうになる鈴華を止めたのは海斗だった。
 「鈴華、それくらいにしなよ。君が自分の苗字が大武(おおたけ)だって事をを隠そうとしたように俊哉にも隠したいことは有るんだよ。当然僕にも。だからこれ以上は俊哉に悪いよ。これから共に行動するならそこら辺気を付けないと。いつか崩壊しちゃうよ。」
静寂が続き、みなそれぞれご飯を食べ終わる。
その頃
ピンクの髪色をした少しギャルっぽい女の子が髪を弄りながら俊哉達を乗せ草原に待たせていた馭者と話していた。
 「あんたさー、ちゃんと仕事してんだろうね?」
馭者は俊哉に関する王都移動時の俊哉、リオン、あきの会話と、今回の俊哉、鈴華、海斗の会話を事細かく説明した。
 「へー、俊哉ってやつのバックに色欲のキテラが。そんで異世界破壊かー。それに、死神の所持者リーゴを仲間にして黒魔術師団の破壊ねー。
アハ!楽しくなりそうじゃねえか!
祐太様に報告しないと。」
 「ライアンさん、どうして…?貴方は死んだはずだ。」
ゆっくりとライアンの家の扉が開く。
海斗、鈴華、俊哉が家から恐る恐る顔を出すとそこには言い合っているライアンとリーゴの姿があった。
 「リーゴ!何しにここに来た!」
リーゴの姿を見ると俊哉を先頭に三人が戦闘体制へと切り替えた。
 「ハッハハー、ヨイヨイ。こやつはワシに用が有って来たんじゃよ。なぁー?」
目付きをガラリと変えたライアンは近寄りがたい空気を出し、その空気に圧倒されリーゴは頷く事しかできなかった。
圧倒されていたのはリーゴだけでは無かった、俊哉を含めた三人も修行中一度も見たことがない表情ライアンの表情にただ従うしかないと理解した。
リーゴとライアンは場所を変え話をする事になった。三人は前日のように修行をしているよう言われた。
 「それで、リーゴよお前は何を言いにここに来たんじゃよ?」
 「ライアンその前にどうして…。」
ライアンがリーゴに怒鳴り始めた。その声は修行していた三人にも聞こえる大きさで。
 「そんなの後でいいわい!何を言いに来たんだと聞いとるんじゃよ。ワシわ!」
リーゴは申し訳なさそうにここに来た理由を説明し始めた。何をライアンに伝えようとしていたのかも含め。
 「黒魔術はどうした。そんな禁忌に触れようとしたお前を今さら、どうにかしてやれるほどワシは優しくはないぞ?それはお前が一番分かっとるよな?」
リーゴは謝るしかなかった。
自分の誤りを謝る。それしかできなかった。
謝っているとライアンはため息を一つつき180度顔色を変えた。
 「まぁ、足を洗ったんだろ。なら、良いよ。飯でも食べてくか?リーゴ。」
その言葉はまるで父親のような、暖く心地いい言葉だった。
リーゴ、ライアン、海斗、鈴華、俊哉の気まずい静かな5人飯が始まった。
その気まずそうな空気に耐えきれずライアンが話始める。
 「なに、リーゴのやつが何かをしようとしているのならワシが止めてやるから遠慮せず騒ぎなさいな。」
先人を切ったのはやはり俊哉だった。
 「リーゴ、王都での能力者狩りの時は助かった。ありがとう。」
少し警戒しながら、また少し恥ずかしがりながら俊哉はリーゴに感謝の気持ちを伝えた。
リーゴはすました顔をしながら「良い。」とだけ告げた。
それからは各々話したいことを話始めた。リーゴに敵意が無い事が分かり語り合える雰囲気になった。
 「それでライアンさん。どうして今この場に?さっきから言っているが貴方は死んだはず。」
その答えを教えてくれたのはなんとライアンではなく鈴華だった。
 「理由は簡単よ。俊哉の能力の影響ね。どれだけ調べても俊哉の能力に関しては出てこなかった。いや、アルカナをもってしても知ることが出来ない秘密事項だったと言った方が良いわね。だからここからは私の憶測でしかないけど…。」
鈴華は俊哉とライアンの目を伺いながら言うかどうか迷いながら話を続ける。
 「おそらく俊哉の能力は時間に干渉できる能力なのよ。その能力とアルカナが反応し俊哉の無意識に能力が発動しこの辺り一帯だけ時間が過去に戻った。そんなところかしら。」
ライアンの目を再度見正解かを伺う鈴華にライアンが大きな口をかけて笑いながら答える。
 「まぁ、大方正解じゃろう。俊哉君の能力はちと違うがまぁ、こればかりは本人が言いたいか言いたくないかに任せるしかないな。」
他の者が一斉に俊哉の顔を見る。反射的に顔を反らす俊哉の反応を見て全員が理解した。俊哉は自分の能力を明かす気は無いのだと言うことを。故に誰もこれ以上詮索をする事はしなかった。ただ一人を覗いて。
 「俊哉、あんた本当に一体何者よ?何度アルカナを使っても出てこなかった。王族の能力はアルカナでは出てこないことは判明した。それでも軽いヒントくらいは出てきた。」
そう、鈴華は理解していたのだ。運命のアルカナの能力を。例えば、ミアの能力なら未来。とヒントらしき形でしか出てこないことを。いろいろ試してみることで分かっていた。
 「あんたの結果は無よ。ヒントすら出てこない。王族の能力ですら出てくるのに。ねえ、貴方は本当に、一体何者なの?」
俊哉の申し訳なさそうな顔を見て暴走しそうになる鈴華を止めたのは海斗だった。
 「鈴華、それくらいにしなよ。君が自分の苗字が大武(おおたけ)だって事をを隠そうとしたように俊哉にも隠したいことは有るんだよ。当然僕にも。だからこれ以上は俊哉に悪いよ。これから共に行動するならそこら辺気を付けないと。いつか崩壊しちゃうよ。」
静寂が続き、みなそれぞれご飯を食べ終わる。
その頃
ピンクの髪色をした少しギャルっぽい女の子が髪を弄りながら俊哉達を乗せ草原に待たせていた馭者と話していた。
 「あんたさー、ちゃんと仕事してんだろうね?」
馭者は俊哉に関する王都移動時の俊哉、リオン、あきの会話と、今回の俊哉、鈴華、海斗の会話を事細かく説明した。
 「へー、俊哉ってやつのバックに色欲のキテラが。そんで異世界破壊かー。それに、死神の所持者リーゴを仲間にして黒魔術師団の破壊ねー。
アハ!楽しくなりそうじゃねえか!
祐太様に報告しないと。」
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コメント
蒼葉 悠人
久しぶりの投稿ですか読んでくれると嬉しいです。