殺せば殺すほど命が増える!!??~命喰らい~
若き冒険者 スハナ
ここは冒険者中心の国、マナリィ王国。そしてそこにそびえ立つ建物、冒険者ギルドがあった。
今日も冒険者たちはクエストを見ながら仲間のパーティーと話したり相談する者や受付嬢にクエストを受けにいったり報告したり人によっては朝から酒を飲み始める者など様々だ。
そんな中、1人の少年が冒険者ギルドにいた。名をスハナと言う。彼は何と14歳という若さで冒険者をしている。
だがこの世界では14歳で冒険者や他の仕事をする者がいてもおかしくない。この世界では若者が早死にすることがざらにあるからだ。そのため、早くから仕事につくものがいるのだ。
そんなスハナはクエストを見ていた。
「う~ん、ゴブリン討伐かスライム討伐かどちらにしよう…。」
スハナはE級冒険者のため、低ランクの討伐系クエストを受けることが出来るのだ。
「おいおい、またガキが討伐クエストに行くみたいだぜ!」
「ハハハ…ガキはママの元でおっぱいでも吸ってろ!!ここはガキの遊び場じゃあねえんだぞ!」
「「「「ハハハハハハ!」」」」
周りの冒険者たちはスハナのことを余り良く思っていなかった。スハナの若さで冒険者に入る者は沢山いるがなぜかスハナだけが冒険者たちに虐められていた。
その理由は…
「皆さんすいません~。僕達の代のなかでこんな冒険者としての素質もない奴が入ってきてしまって。…おいスハナ!お前も謝れよ。」
「えっ?」
「謝り方も知らないなら俺が教えてやるよ!!」
そう言うとその男はスハナの頭を手で掴み、地面へと叩きつけた。」
ドォォン!
「うぎぁぁぁ!!い、痛いよ!!マルクスくん!!」
「うるさい!!お前みたいな出来損ないが冒険者なんか務まるわけないだろ!!ろくなスキルも無いクセに!!先輩方も僕達も皆、思っているよ…さっさと死ねってね!!」
そうこの男、マルクスの虐めがエスカレートしていき、冒険者全員が鬱憤やストレスをスハナにぶつけているのである。マルクスはスハナと同じ年齢の冒険者だがすでにD級まで昇っている。そしてマルクスに比べて劣っているスハナは虐めの対象になり、毎日殴られ、蹴られ好き放題されているのだ。
「う、うぅ~。僕が何をしたんだよ~。」
スハナは泣きながら小さな声で本音を漏らした。
「あ?なんて言ってるのか聞こえないな~?」
マルクスはそう言いながらスハナの腹を蹴る。何度も何度も何度も…。
「ちょ、ちょっとあんたたち何してんのよ!!」
「げっ、また来やがったぜ!さっさとクエストに行くぞ!」
「ちっ!もう二度と冒険者ギルドに来るんじゃないぞ。」
そうスハナに吐き捨てながらマルクスは去ってい
った。
「大丈夫、スハナくん?」
優しくスハナを呼びかけるのはかつて令を虐めようとした受付嬢、ミナだった。
「ミ、ミナさん…。だ、大丈夫ですから僕に気にしないでください。」
「そんなこと言われてもスハナくんが虐められているところを見て、見て見ぬふりは出来ないわよ。」
「ほ、ほんとに大丈夫ですから…。」
「……そう、でももし困ったことがあったらいつでも私に相談しなさい。私はスハナくんの見方だからね。」
「は、はい。ありがとうごさいます。」
そう言ってトボトボとスハナはスライム討伐を受けてクエストに向かった。
:
:
:
スハナはスライム討伐のため大きな池のある《シーリアス》に来ていた。ここは低ランクの魔物が多く、低級冒険者は大概ここにいる。
スハナはいつも通り、片手剣を持ってスライムを探していた。スライムは酸を発射してくる危険生物だ。そしてスライムは切っても切ってもなかなか死なずスライムの身体の中にある核の部分を破壊しないと死なないため、スハナは必死に身を隠しながら探していた。周りには木が数多く生えており、どこに魔物がいるか分からない。
(ふー、どこにいるんだ。一歩間違えれば本当にマルクスくんの言うとおりになってしまう。気を付けないと!)
それから数十分ほど経ったとき、スライムが水を飲みに池に近づいてきた。
スハナはそれを待っていたかのようにスライムにあるものを投げる。
パリン!
それは簡単に言うと毒薬である。スハナが必死になって採取系のクエストを受けていたとき、同時に取っておいた草をすりつぶし、水と混ぜポーションの入れ物に入れたスハナの自慢の一作だ。
しかし毒薬が効き始めるのは五分後、それまでは必死に逃げなければならないため、スハナは必死に逃げながら隠れた。
そして五分後にスライムに毒薬を当てた場所に来ると1人の男が本を読みながら地べたに座っていた。赤色の髪が太陽に照らされ、美しく輝いており、身長180センチはある身体はモデル体型をしていて座っているポーズってこんなに格好いいものなんだとふいに思ってしまった。
「お前がこのスライムを毒で殺したのか?」
その男はスハナが身を隠しているのにいとも簡単に気づき質問してきた。
「……えっ?」
「このスライムを毒のある草で有名な《毒々草》をすりつぶし水に溶かしたものをスライムに投げ、倒したんだろ?…単純だが面白い戦法だ。スライムに毒を入れている瓶を当ててしまったらスライムの弾力性で割れないため、スライムの近くの地面にあえて投げているあたりもしっかりと考えているようだしな。」
「よ、よく分かりましたね。これが毒だって…。」
「臭いが独特だからな。」
スハナは突然のことであっけにとられていたが思い出したように令に言う。
「ぼ、防具や武器を持たずにここに来たんですか!?き、危険です!ここは確かに低ランクの魔物ばかりですが中にはDランクの魔物もいるんですよ!!」
「あ?……ハハハ!!そうかそうか、確かにそれは危険だったな。それじゃあ俺は帰るとするか。」
そう赤髪の男が言ったとき、スハナの後ろから唸り声が聞こえた。
「グァァァアアア!!」
「うわぁぁぁ!!で、出た!!シーリアスの中で上位の魔物である《ライガー》だ!!」
ライガー、それは白い毛皮に包まれたライオンとタイガーの融合生物である。タイガーとライオンの優秀な能力を引き継いだライガーはこのシーリアスの魔物の中でも2番目に強い。
そしてその鋭利な牙でスハナに襲いかかる。
(あぁ…、終わった。僕の人生もこれまでか…。ごめん、お母さん。僕、お母さんに何も恩返しが出来なかったよ…。次に生まれ帰ったら次はお母さんに恩返しが出来るといいな…。)
涙がポロポロと流れ落ちていった。
ザシュッ!!
何かが突き刺す音がしたがスハナに痛みは感じなかった。痛すぎると逆に痛みを感じないと思った。
スハナは怖くて閉じていた目を開けてみるとそこにはライガーの胸を氷で出来た剣で刺した赤髪の男の姿が見えた。
「おい、何泣いてんだ?」
今日も冒険者たちはクエストを見ながら仲間のパーティーと話したり相談する者や受付嬢にクエストを受けにいったり報告したり人によっては朝から酒を飲み始める者など様々だ。
そんな中、1人の少年が冒険者ギルドにいた。名をスハナと言う。彼は何と14歳という若さで冒険者をしている。
だがこの世界では14歳で冒険者や他の仕事をする者がいてもおかしくない。この世界では若者が早死にすることがざらにあるからだ。そのため、早くから仕事につくものがいるのだ。
そんなスハナはクエストを見ていた。
「う~ん、ゴブリン討伐かスライム討伐かどちらにしよう…。」
スハナはE級冒険者のため、低ランクの討伐系クエストを受けることが出来るのだ。
「おいおい、またガキが討伐クエストに行くみたいだぜ!」
「ハハハ…ガキはママの元でおっぱいでも吸ってろ!!ここはガキの遊び場じゃあねえんだぞ!」
「「「「ハハハハハハ!」」」」
周りの冒険者たちはスハナのことを余り良く思っていなかった。スハナの若さで冒険者に入る者は沢山いるがなぜかスハナだけが冒険者たちに虐められていた。
その理由は…
「皆さんすいません~。僕達の代のなかでこんな冒険者としての素質もない奴が入ってきてしまって。…おいスハナ!お前も謝れよ。」
「えっ?」
「謝り方も知らないなら俺が教えてやるよ!!」
そう言うとその男はスハナの頭を手で掴み、地面へと叩きつけた。」
ドォォン!
「うぎぁぁぁ!!い、痛いよ!!マルクスくん!!」
「うるさい!!お前みたいな出来損ないが冒険者なんか務まるわけないだろ!!ろくなスキルも無いクセに!!先輩方も僕達も皆、思っているよ…さっさと死ねってね!!」
そうこの男、マルクスの虐めがエスカレートしていき、冒険者全員が鬱憤やストレスをスハナにぶつけているのである。マルクスはスハナと同じ年齢の冒険者だがすでにD級まで昇っている。そしてマルクスに比べて劣っているスハナは虐めの対象になり、毎日殴られ、蹴られ好き放題されているのだ。
「う、うぅ~。僕が何をしたんだよ~。」
スハナは泣きながら小さな声で本音を漏らした。
「あ?なんて言ってるのか聞こえないな~?」
マルクスはそう言いながらスハナの腹を蹴る。何度も何度も何度も…。
「ちょ、ちょっとあんたたち何してんのよ!!」
「げっ、また来やがったぜ!さっさとクエストに行くぞ!」
「ちっ!もう二度と冒険者ギルドに来るんじゃないぞ。」
そうスハナに吐き捨てながらマルクスは去ってい
った。
「大丈夫、スハナくん?」
優しくスハナを呼びかけるのはかつて令を虐めようとした受付嬢、ミナだった。
「ミ、ミナさん…。だ、大丈夫ですから僕に気にしないでください。」
「そんなこと言われてもスハナくんが虐められているところを見て、見て見ぬふりは出来ないわよ。」
「ほ、ほんとに大丈夫ですから…。」
「……そう、でももし困ったことがあったらいつでも私に相談しなさい。私はスハナくんの見方だからね。」
「は、はい。ありがとうごさいます。」
そう言ってトボトボとスハナはスライム討伐を受けてクエストに向かった。
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スハナはスライム討伐のため大きな池のある《シーリアス》に来ていた。ここは低ランクの魔物が多く、低級冒険者は大概ここにいる。
スハナはいつも通り、片手剣を持ってスライムを探していた。スライムは酸を発射してくる危険生物だ。そしてスライムは切っても切ってもなかなか死なずスライムの身体の中にある核の部分を破壊しないと死なないため、スハナは必死に身を隠しながら探していた。周りには木が数多く生えており、どこに魔物がいるか分からない。
(ふー、どこにいるんだ。一歩間違えれば本当にマルクスくんの言うとおりになってしまう。気を付けないと!)
それから数十分ほど経ったとき、スライムが水を飲みに池に近づいてきた。
スハナはそれを待っていたかのようにスライムにあるものを投げる。
パリン!
それは簡単に言うと毒薬である。スハナが必死になって採取系のクエストを受けていたとき、同時に取っておいた草をすりつぶし、水と混ぜポーションの入れ物に入れたスハナの自慢の一作だ。
しかし毒薬が効き始めるのは五分後、それまでは必死に逃げなければならないため、スハナは必死に逃げながら隠れた。
そして五分後にスライムに毒薬を当てた場所に来ると1人の男が本を読みながら地べたに座っていた。赤色の髪が太陽に照らされ、美しく輝いており、身長180センチはある身体はモデル体型をしていて座っているポーズってこんなに格好いいものなんだとふいに思ってしまった。
「お前がこのスライムを毒で殺したのか?」
その男はスハナが身を隠しているのにいとも簡単に気づき質問してきた。
「……えっ?」
「このスライムを毒のある草で有名な《毒々草》をすりつぶし水に溶かしたものをスライムに投げ、倒したんだろ?…単純だが面白い戦法だ。スライムに毒を入れている瓶を当ててしまったらスライムの弾力性で割れないため、スライムの近くの地面にあえて投げているあたりもしっかりと考えているようだしな。」
「よ、よく分かりましたね。これが毒だって…。」
「臭いが独特だからな。」
スハナは突然のことであっけにとられていたが思い出したように令に言う。
「ぼ、防具や武器を持たずにここに来たんですか!?き、危険です!ここは確かに低ランクの魔物ばかりですが中にはDランクの魔物もいるんですよ!!」
「あ?……ハハハ!!そうかそうか、確かにそれは危険だったな。それじゃあ俺は帰るとするか。」
そう赤髪の男が言ったとき、スハナの後ろから唸り声が聞こえた。
「グァァァアアア!!」
「うわぁぁぁ!!で、出た!!シーリアスの中で上位の魔物である《ライガー》だ!!」
ライガー、それは白い毛皮に包まれたライオンとタイガーの融合生物である。タイガーとライオンの優秀な能力を引き継いだライガーはこのシーリアスの魔物の中でも2番目に強い。
そしてその鋭利な牙でスハナに襲いかかる。
(あぁ…、終わった。僕の人生もこれまでか…。ごめん、お母さん。僕、お母さんに何も恩返しが出来なかったよ…。次に生まれ帰ったら次はお母さんに恩返しが出来るといいな…。)
涙がポロポロと流れ落ちていった。
ザシュッ!!
何かが突き刺す音がしたがスハナに痛みは感じなかった。痛すぎると逆に痛みを感じないと思った。
スハナは怖くて閉じていた目を開けてみるとそこにはライガーの胸を氷で出来た剣で刺した赤髪の男の姿が見えた。
「おい、何泣いてんだ?」
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