殺せば殺すほど命が増える!!??~命喰らい~
天使の下女
チュンチュン
今日も鳥のさえずりと共に忙しい朝が始まった。
一室の部屋から一人の少女が出てきた。彼女の名はテール、見た目は18歳程度と若い。テールは水色の髪色にショートの髪型で身長は149センチと小柄だ。そんな姿のテールは少女と言う言葉が相応しいだろう。
しかし女性の魅力がまだ無いように思われるテールだが、彼女を前にした男はほとんどの者が胸を奪われるだろう。なぜなら彼女の顔は可愛らしくまるで小動物のような可愛さを持つからだ。テールを見た男は守りたくなる本能を刺激し、その愛らしい顔の表情にときめいてしまう。
「よし!今日も頑張るぞ!えいえいおー!」
テールは陽気に声を上げながら嬉しそうにある場所に移動する。
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「おはようごさいます!!」
テールは大きな声で挨拶をする。可愛らしげのある声で聞く者をも元気させる。
そしてその場所は大食堂と呼ばれる大人数が食事をすることが出来るようにと作られた場所だ。そこには一人の女性が食事をとっていた。
「おはよう、テール。どうしたの?こんなに早く起きるなんて珍しいじゃない。」
彼女の名はシーナ、18歳程度の見た目に深緑の髪色にポニーテールの髪型で身長は165センチの少し大人っぽい女性だ。シーナもテール同様、町中で歩けばほとんどの男が目を奪われてしまうだろう。
その容姿は少女から大人の女性へと変わっている狭間で両方の魅力を感じる。アーモンド型の目に高い鼻、そして弾力性がありそうな潤いのある唇その全てがまさに完璧な美女だろう。モデルや女優すらも超えるその容姿に男はシーナの虜だ。
「今日はね、あの令様の連れてきた客人のクイ様の看病を任された日なの!!」
「それは大役じゃない!いつも以上に気合いを入れる必要があるわね。」
「うん!そしてクイ様が今日お目覚めになるそうなの。だから朝からいつもより早起きしていつ何時も対応できるようにしたいんだ!」
「ふふ、それは良いことね。じゃあ一緒にご飯を食べましょう。」
「うん!…そういえばシーナは今日は何の当番なの?」
「私は令様のお部屋の掃除よ。」
「えーー!!いいなー!令様のお部屋の掃除なんて、羨ましい!」
「まぁまぁ、テールも来週は当番でしょ。」
「そうだけどさ-、やっぱり令様に関わることは私達《天使の下女》の最高の仕事じゃん!」
「ま、気持ちは分からないでもないわよ。令様を見るたびに胸がドキドキするし、あの凛々しいお顔を見るたびに見とれてしまうわ。」
「それに私達に分け隔てなく優しく接してくれるよね。近くにいるだけで私なんか気絶しそうだよー。」
「フフフ、私もよ。…そろそろ時間だから私は行くわね。」
「令様のお部屋の掃除だもんね!頑張ってね!」
「ええ、死力を尽くすつもりよ!」
こうしてシーナは大食堂を出て行った。
ここは令の創った《巨大浮遊島動像》で出来た天空島に作られた天空城の中だ。
ここには令のお世話や城の清掃、そしてお食事の用意などの雑務をするために生み出された総勢78名の《天使の下女》が居る。その中の2人がテールとシーナである。彼女達はメイド服に身を包む美女である。そしてほとんどの雑務をこなすことの出来るスキルがあり、雑務においては完璧な仕事をする。一切妥協をせず、令に尽くすことに誇りを感じている。
そんな彼女達の1番人気の仕事が令の付き人である。令に関わることは全て名誉ある仕事だがその中でも令の付き人は近くで令のお世話が出来るうえ、令を24時間休息なしで見られる彼女達の至福の時と言ってもいいほど人気の仕事だ。令は何度も24時間ずっと仕事をするのはつらいだろうと仕事時間を変えるように勧めたが《天使の下女》全員の反対によりやむなく令の提案は廃止になった。
1番過酷な仕事のはずが彼女達が1番幸せな時間と感じているこの仕事は全員が均等に出来るようにと三ヶ月に一度しか回ってこないため未だ令の付き人をしていない者もいる。令は24時間ずっといかなるときでも付いてこられるのがあまり好きではないのだが彼女達のキラキラと光る楽しそうな目を見るたびに止めることが出来ないのだった。
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二十畳程の大きな部屋にキングサイズのベットで寝ている一人のヴァンパイアがいた。名はクイ=イレルガン、歳はすでに700を超えているが見た目は小学生ほどにしか見えず、可愛らしい容姿をしている。
「うぅ…。」
ある日、クイは目覚めた。天井を見るとそこには大きなシャンデリアがあり、白銀に光るシャンデリアは見るからに高級そうだ。
「……ここは、どこだ?」
ここがどこで今まで何をしていたのか瞬時に思い出すことは出来なかったため自分自身に問いかけるように独り言を呟く。
「おはようごさいます、クイ様!」
テールの無邪気な笑顔に思わずクイも見とれてしまう。
「…あ、あぁ、おはよう。…君は?」
「私は創造主の令様によって創られた《天使の下女》の一人、テールです。ここは令様がお作りになられた楽園《エデン》です。」
「楽園《エデン》だって?…聞いたことがないな。」
「クイ様はヴァンパイア族とサンライ族の壮絶なる戦いによって一度命を落としましたが令様の右手で《5天守護者》のカリス様によって再び再誕したのです。」
「…あれは夢じゃなかったのか。一度死んだが生き返るとはまるで夢物語のようだな。」
「令様に不可能はありません。どんなことでも令様の手にかかれば可能ですよ。」
「…ハハ、嘘と決めつけることが出来ないのが怖いね。それで今から僕はどうすればいいのだい?」
「クイ様は一度頭以外の身体を失いました。カリス様によって身体を再生させましたが筋力はほとんどなく立つこともままならないでしょう。ですのでリハビリをしていただくことになります。」
「なるほど。確かに身体の筋肉がほとんどなくガリガリに細いな。これじゃあミイラだ。」
「はい、ですのでまずはお食事を取っていただき、栄養が十分にとれた後はリハビリを10分程度すればいつも以上の筋肉が付いているでしょう。」
「ま、待ってくれ!!食事をして10分でいつもの筋力に戻ると言うのかい!?」
「はい、食べていただく食材は食べればすぐに消化され体中に栄養が回る物や一口食べれば骨折程度であれば治ってしまう豆や飲めば力がみなぎる水などがありますのですぐに治るかと思いますが…。」
「そんな食材を僕は聞いたことがないぞ!!」
「令様が創られた生物や一般的な生物を独自に《天使の下女》が品種改良を施し、令様のお口に合うように栄養がしっかり取れるようにと研究した結果です。」
「ハハ……何でもありだな…。じゃあその食事を取らせてもらうよ。さっきからお腹が減ってるんだ。」
「畏まりました。今お持ちします。」
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クイはすっかりと元の筋力を取り戻し、仲間のヴァンパイアに元気な姿を見せようと部屋から出た。
そしてテールの案内により、大きな広場へと連れて行かれた。そこにはお馴染みの顔のラウルとラセンそしてサンライ族のミレイがいた。
3人で優雅な机や椅子に座りながらお茶を飲んでいる。すぐ後ろにはお仕えするための《天使の下女》が付いていた。
「久しぶりだね、ラウル、ラセン!」
「おぉ!!クイ!お前…本当にクイなんだな?」
「何を言ってるんだい?地獄から再び戻ってきたのにその言い方は傷つくよ。」
「その様子は本物みたいだな!!良かったぜ、本当に。」
ラウルは安心したように溜め息をつく。それはようやく不安が解消されたので口から不安を吐き出したようだった。
「ク、クイさん~~~!!よがったよ~!!ほんとにいぎでて、よがっだ!!」
クイの部下のラセンは泣きながらクイに抱きしめる。
「すまないね、ラセン。心配をかけた。」
「ほんとに心配だったんですから~!!」
「あぁ、分かってる。………それでラウルマーレイはどうなったんだい?」
「あぁ、クイは眠っていたから知らなかったんだっけか。マーレイはレイ様によって瞬殺よ。他のヴァンパイアは逃げちまったな。でもレイ様は全てのヴァンパイアを殺せるにもかかわらず逃がしてくれたぜ。レイ様は全ての生物に平等に接してくれるんだ。例え魔族でもこんなに手厚くしてくれるんだ。レイ様には感謝だな。」
「……そうか。それでそのサンライ族の女は?」
「あぁ、それな。ラセンを一緒に連れて行って欲しいって言ったんだけどよ、俺の説明不足で近くにミレイも倒れていたもんでどっちがラセンか分からず両方連れてきたみたいなんだよ。」
「ラウル、君今サンライ族の女のことをミレイって名前で呼んだかい?サンライ族と仲良くなっているのかい?」
「まぁな。今さら昔のことを攻めても一向に話は進まない。それなら一度忘れて手を取り合うのもいいんじゃないのか?」
「だがサンライ族に何百人ものヴァンパイアが殺されたんだぞ!!!」
「そんなことここにいればどうでも良くなるぜ。」
「どういうことだ?」
「見ろよ、あそこを。」
ラウルが指さした所には白銀の龍がいた。
「なっ!!あれは龍なのか…!?」
「あぁ、それにあそこを見ろよ。」
またラウルが指さした所を見ると漆黒の黒に赤いマグマが通っている見た目の竜がいた。
「な、な、な、な、なんだあれ!!?竜だけれどあの姿は何だ?」
「さあな。だが龍や竜、他にも不死鳥や三頭犬、グリフォンなどはそこら辺にゴロゴロいるぜ。だが1番驚くことはそれらの全ての動物が誰もここにいる魔物同士で戦わないことだ。全てレイ様の言うことを聞き、皆協力し合う姿を見ていると俺たちの争いなんてちっぽけな物だと思えてくるのさ。」
「……だが…。」
「それにミレイは別に悪いことはしてねえよ。人間を守るために何度も魔物や魔族を倒してきたが一度も人間を殺したことはない。全てあのウグイのやったことらしいぜ。」
「…。」
「ここに来てよく分かるぜ。俺たちが争っていることなんてここにいる魔物一匹一匹にとっちゃつまらないものだってことがな。その魔物を全て使役するレイ様はまさに神だと再認識するぜ。」
「ラウル…。」
今日も鳥のさえずりと共に忙しい朝が始まった。
一室の部屋から一人の少女が出てきた。彼女の名はテール、見た目は18歳程度と若い。テールは水色の髪色にショートの髪型で身長は149センチと小柄だ。そんな姿のテールは少女と言う言葉が相応しいだろう。
しかし女性の魅力がまだ無いように思われるテールだが、彼女を前にした男はほとんどの者が胸を奪われるだろう。なぜなら彼女の顔は可愛らしくまるで小動物のような可愛さを持つからだ。テールを見た男は守りたくなる本能を刺激し、その愛らしい顔の表情にときめいてしまう。
「よし!今日も頑張るぞ!えいえいおー!」
テールは陽気に声を上げながら嬉しそうにある場所に移動する。
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「おはようごさいます!!」
テールは大きな声で挨拶をする。可愛らしげのある声で聞く者をも元気させる。
そしてその場所は大食堂と呼ばれる大人数が食事をすることが出来るようにと作られた場所だ。そこには一人の女性が食事をとっていた。
「おはよう、テール。どうしたの?こんなに早く起きるなんて珍しいじゃない。」
彼女の名はシーナ、18歳程度の見た目に深緑の髪色にポニーテールの髪型で身長は165センチの少し大人っぽい女性だ。シーナもテール同様、町中で歩けばほとんどの男が目を奪われてしまうだろう。
その容姿は少女から大人の女性へと変わっている狭間で両方の魅力を感じる。アーモンド型の目に高い鼻、そして弾力性がありそうな潤いのある唇その全てがまさに完璧な美女だろう。モデルや女優すらも超えるその容姿に男はシーナの虜だ。
「今日はね、あの令様の連れてきた客人のクイ様の看病を任された日なの!!」
「それは大役じゃない!いつも以上に気合いを入れる必要があるわね。」
「うん!そしてクイ様が今日お目覚めになるそうなの。だから朝からいつもより早起きしていつ何時も対応できるようにしたいんだ!」
「ふふ、それは良いことね。じゃあ一緒にご飯を食べましょう。」
「うん!…そういえばシーナは今日は何の当番なの?」
「私は令様のお部屋の掃除よ。」
「えーー!!いいなー!令様のお部屋の掃除なんて、羨ましい!」
「まぁまぁ、テールも来週は当番でしょ。」
「そうだけどさ-、やっぱり令様に関わることは私達《天使の下女》の最高の仕事じゃん!」
「ま、気持ちは分からないでもないわよ。令様を見るたびに胸がドキドキするし、あの凛々しいお顔を見るたびに見とれてしまうわ。」
「それに私達に分け隔てなく優しく接してくれるよね。近くにいるだけで私なんか気絶しそうだよー。」
「フフフ、私もよ。…そろそろ時間だから私は行くわね。」
「令様のお部屋の掃除だもんね!頑張ってね!」
「ええ、死力を尽くすつもりよ!」
こうしてシーナは大食堂を出て行った。
ここは令の創った《巨大浮遊島動像》で出来た天空島に作られた天空城の中だ。
ここには令のお世話や城の清掃、そしてお食事の用意などの雑務をするために生み出された総勢78名の《天使の下女》が居る。その中の2人がテールとシーナである。彼女達はメイド服に身を包む美女である。そしてほとんどの雑務をこなすことの出来るスキルがあり、雑務においては完璧な仕事をする。一切妥協をせず、令に尽くすことに誇りを感じている。
そんな彼女達の1番人気の仕事が令の付き人である。令に関わることは全て名誉ある仕事だがその中でも令の付き人は近くで令のお世話が出来るうえ、令を24時間休息なしで見られる彼女達の至福の時と言ってもいいほど人気の仕事だ。令は何度も24時間ずっと仕事をするのはつらいだろうと仕事時間を変えるように勧めたが《天使の下女》全員の反対によりやむなく令の提案は廃止になった。
1番過酷な仕事のはずが彼女達が1番幸せな時間と感じているこの仕事は全員が均等に出来るようにと三ヶ月に一度しか回ってこないため未だ令の付き人をしていない者もいる。令は24時間ずっといかなるときでも付いてこられるのがあまり好きではないのだが彼女達のキラキラと光る楽しそうな目を見るたびに止めることが出来ないのだった。
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二十畳程の大きな部屋にキングサイズのベットで寝ている一人のヴァンパイアがいた。名はクイ=イレルガン、歳はすでに700を超えているが見た目は小学生ほどにしか見えず、可愛らしい容姿をしている。
「うぅ…。」
ある日、クイは目覚めた。天井を見るとそこには大きなシャンデリアがあり、白銀に光るシャンデリアは見るからに高級そうだ。
「……ここは、どこだ?」
ここがどこで今まで何をしていたのか瞬時に思い出すことは出来なかったため自分自身に問いかけるように独り言を呟く。
「おはようごさいます、クイ様!」
テールの無邪気な笑顔に思わずクイも見とれてしまう。
「…あ、あぁ、おはよう。…君は?」
「私は創造主の令様によって創られた《天使の下女》の一人、テールです。ここは令様がお作りになられた楽園《エデン》です。」
「楽園《エデン》だって?…聞いたことがないな。」
「クイ様はヴァンパイア族とサンライ族の壮絶なる戦いによって一度命を落としましたが令様の右手で《5天守護者》のカリス様によって再び再誕したのです。」
「…あれは夢じゃなかったのか。一度死んだが生き返るとはまるで夢物語のようだな。」
「令様に不可能はありません。どんなことでも令様の手にかかれば可能ですよ。」
「…ハハ、嘘と決めつけることが出来ないのが怖いね。それで今から僕はどうすればいいのだい?」
「クイ様は一度頭以外の身体を失いました。カリス様によって身体を再生させましたが筋力はほとんどなく立つこともままならないでしょう。ですのでリハビリをしていただくことになります。」
「なるほど。確かに身体の筋肉がほとんどなくガリガリに細いな。これじゃあミイラだ。」
「はい、ですのでまずはお食事を取っていただき、栄養が十分にとれた後はリハビリを10分程度すればいつも以上の筋肉が付いているでしょう。」
「ま、待ってくれ!!食事をして10分でいつもの筋力に戻ると言うのかい!?」
「はい、食べていただく食材は食べればすぐに消化され体中に栄養が回る物や一口食べれば骨折程度であれば治ってしまう豆や飲めば力がみなぎる水などがありますのですぐに治るかと思いますが…。」
「そんな食材を僕は聞いたことがないぞ!!」
「令様が創られた生物や一般的な生物を独自に《天使の下女》が品種改良を施し、令様のお口に合うように栄養がしっかり取れるようにと研究した結果です。」
「ハハ……何でもありだな…。じゃあその食事を取らせてもらうよ。さっきからお腹が減ってるんだ。」
「畏まりました。今お持ちします。」
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クイはすっかりと元の筋力を取り戻し、仲間のヴァンパイアに元気な姿を見せようと部屋から出た。
そしてテールの案内により、大きな広場へと連れて行かれた。そこにはお馴染みの顔のラウルとラセンそしてサンライ族のミレイがいた。
3人で優雅な机や椅子に座りながらお茶を飲んでいる。すぐ後ろにはお仕えするための《天使の下女》が付いていた。
「久しぶりだね、ラウル、ラセン!」
「おぉ!!クイ!お前…本当にクイなんだな?」
「何を言ってるんだい?地獄から再び戻ってきたのにその言い方は傷つくよ。」
「その様子は本物みたいだな!!良かったぜ、本当に。」
ラウルは安心したように溜め息をつく。それはようやく不安が解消されたので口から不安を吐き出したようだった。
「ク、クイさん~~~!!よがったよ~!!ほんとにいぎでて、よがっだ!!」
クイの部下のラセンは泣きながらクイに抱きしめる。
「すまないね、ラセン。心配をかけた。」
「ほんとに心配だったんですから~!!」
「あぁ、分かってる。………それでラウルマーレイはどうなったんだい?」
「あぁ、クイは眠っていたから知らなかったんだっけか。マーレイはレイ様によって瞬殺よ。他のヴァンパイアは逃げちまったな。でもレイ様は全てのヴァンパイアを殺せるにもかかわらず逃がしてくれたぜ。レイ様は全ての生物に平等に接してくれるんだ。例え魔族でもこんなに手厚くしてくれるんだ。レイ様には感謝だな。」
「……そうか。それでそのサンライ族の女は?」
「あぁ、それな。ラセンを一緒に連れて行って欲しいって言ったんだけどよ、俺の説明不足で近くにミレイも倒れていたもんでどっちがラセンか分からず両方連れてきたみたいなんだよ。」
「ラウル、君今サンライ族の女のことをミレイって名前で呼んだかい?サンライ族と仲良くなっているのかい?」
「まぁな。今さら昔のことを攻めても一向に話は進まない。それなら一度忘れて手を取り合うのもいいんじゃないのか?」
「だがサンライ族に何百人ものヴァンパイアが殺されたんだぞ!!!」
「そんなことここにいればどうでも良くなるぜ。」
「どういうことだ?」
「見ろよ、あそこを。」
ラウルが指さした所には白銀の龍がいた。
「なっ!!あれは龍なのか…!?」
「あぁ、それにあそこを見ろよ。」
またラウルが指さした所を見ると漆黒の黒に赤いマグマが通っている見た目の竜がいた。
「な、な、な、な、なんだあれ!!?竜だけれどあの姿は何だ?」
「さあな。だが龍や竜、他にも不死鳥や三頭犬、グリフォンなどはそこら辺にゴロゴロいるぜ。だが1番驚くことはそれらの全ての動物が誰もここにいる魔物同士で戦わないことだ。全てレイ様の言うことを聞き、皆協力し合う姿を見ていると俺たちの争いなんてちっぽけな物だと思えてくるのさ。」
「……だが…。」
「それにミレイは別に悪いことはしてねえよ。人間を守るために何度も魔物や魔族を倒してきたが一度も人間を殺したことはない。全てあのウグイのやったことらしいぜ。」
「…。」
「ここに来てよく分かるぜ。俺たちが争っていることなんてここにいる魔物一匹一匹にとっちゃつまらないものだってことがな。その魔物を全て使役するレイ様はまさに神だと再認識するぜ。」
「ラウル…。」
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コメント
ノベルバユーザー315410
せんずだー
タッツァー
アキラさん誤字脱字訂正のコメントありがとうごさいます!本当に助かりまりした。誤字脱字には気を付けますがまた誤字脱字があった場合は指摘してもらえると助かります。
アキラ
多分間違えてると思うのですが、クイがラウル達と会った時に「ラウル、ラウル」となっていました。
正しくは「ラウル、ラセン」なのではないでしょうか?
間違っていればすみません。
何時もこの作品を読むのを楽しみにしています。