殺せば殺すほど命が増える!!??~命喰らい~
ヴァンパイアの襲来
サヨキル王国で暮らす住民たちは今日もいつも通りの朝を迎え、いつも通り仕事に向かう。
しかし今日はいつもの毎日とは違うかった。
:
:
:
「ホルン、ホルン!!いい加減起きなさい!!」
「ん~~、まだ7時だよ…。あと少しだけ寝させてくれメイ。」
ホルンと呼ばれる青色の髪が目の位置まで伸びきった寝癖の多い男は武具ギルドの一員で店を持つことが許された武具職人だ。彼はまだ18と若いにもかかわらず店を持てたのは彼の類い希なる才能のおかげだ。
一方ホルンを起こしに来た緑色の髪をショートカットにしている少女、メイはホルンの幼馴染みでお互いに好意は持っているものの言葉にできなく、ずっと8歳のときから友達以上恋人未満となっていた。
「バカ!!今日もホルンには新しい武具を作ってもらうんだから!!最近、何でもマナリィ王国からS級冒険者が来たらしくて白銀の武具が人気なんだって。」
「…。」
「人が話しているのに寝るなーー!!」
ドカン!!
「痛ぁぁぁぁあ!!何も思いっきり殴らなくてもいいじゃないか!!」
「じゃあなんて話したか言ってみなさいよ!!」
「…マナリィ王国から来たS級冒険者《白銀》のレイがルテア王女が召喚した勇者に勝ったから盛り上がって白銀の武具が流行っているんだろ。まぁ、確かにマナリィ王国の冒険者はサヨキル王国より質が高くてS級なら注目されるのもうなずけるけど1ヶ月でS級冒険者になったってのは信じられないな。」
「ふ~ん、ちゃんと聞いていたのね。ま、とりあえず作りに行きましょ!」
「…りょーかい。」
:
:
:
「もうそろそろ休憩にしましょ、ホルン!!」
「あぁ、少し休むか…。」
武具を作って3時間が経ち、昼になるころだった。
何か拡大された声が聞こえてくる。
「貴様ら人間共に告ぐ!!私はヴァンパイア族のマーレイ=ブラッドウォンである。本日私達《ブラッド・インベージョン》が貴殿らの領土を全ていただく!!
そのために今から我らの部下が貴殿らを侵略しに行く。
しかし我らも戦闘の意思のない者を殺すつもりはない。だが武器を構えた者は迷わず殺す!!
今から覚えておくといい、貴殿らの新しい国の当主であり、偉大なるヴァンパイア族のマーレイ=ブラッドウォンの名を!!
では侵略を開始する。ぜひとも楽しませてくれたまえ。」
「ねぇ、ホルン。これって…どういうこと?」
「ハハ、どうせ誰かのイタズラだろ。だいたいヴァンパイア族なんて伝説上の生き物だぜ?」
ホルンは胸がざわつく思いを顔には出さず、メイを安心させるべく嘘をついた。
なんだかイヤな予感がするな…。万が一これが本当にヴァンパイアの侵略だとするなら逃げた方がいいのか?いや、ヴァンパイアは武器を構えなければ殺さないと言っていた。なら武器さえ構えなければ助かるのか?
そもそも本当にヴァンパイアの侵略なのか怪しいところだが…。せめてメイだけでも助けなければ!!
「キャァァァァァァァ!!た、助け…て…。」
「な、何!!?」
メイが叫び声のする方に行くのを見て、ホルンも急いで追いかける。そこには死鬼の姿をした者が住民の首筋を噛みちぎり、そこから大量の血が流れるなか、死鬼は噛みちぎった女の血を美味しそうに飲んでいた。
「そ、そんな…うぉえぇぇぇぇぇ…。」
メイはあまりの光景に吐いてしまった。それもそうだろう。噛みちぎられた女はいつも自分たちに優しく声をかけてくれた隣人だったのだ。またホルンも吐き下がする中、メイを一先ず助けたいという思いが吐き下を止めた。
「い、行くぞ、メイ!!」
足が思い通りに動かない中、メイの手を引いて急いで逃げる。
やっぱり、武器を構えなければ殺さないなんて嘘だったんだ!!クソ!どこに逃げればいいんだ!!?王国騎士団はまだなのか!!?…そうだ!冒険者ギルドに向かおう!!そこならば冒険者たちに守ってくれるかも知れない!
「ホ、ホルン…。」
いつもの凜とした態度ではなく弱々しい声だ。メイはそれだけ精神が壊れかけている中、完全に壊れないのはホルンのおかげだった。ホルンがメイの支えであり、希望だった。
「な、なんだ!!?」
「私たちもああなるのかな…。」
「そんなことはない!!今から冒険者ギルドに行って冒険者たちに守ってもらえば俺たちは生き残れるさ!!」
ホルンは不安をぬぐいきれないがメイと自分に言い聞かせるように言った。
冒険者ギルドにさえつけば何とかなるはずだ!!頼む!それまでは何も起こらないでくれ!!
:
:
:
2人は必死に冒険者ギルドに向かった。冒険者ギルドまであと50メートルというところで1人の男が立っていた。
「よお、旨そうなお嬢ちゃんを連れてどこに行くつもりなんだ?ヒャハハハハ!!マーレイにはなるべく殺すなと言われていたが1人くらいは血を吸っても許してくれるだろ!!」
その男は《ブラッド・インベージョン》の五大吸血鬼の1人のラウル=フレイム。気分屋の性格で《ブラッド・インベージョン》の王であるマーレイでさえ完全にラウルをコントロールすることは出来ない。ラウルは昔、血を求めに人間たちの町に行き、全ての人間を1人残らず皆殺しにしたこともあるくらい獰猛で危険な男だ。
「く、くそ!!お前はヴァンパイアか!!?」
ホルンは向かい合っているだけで身の危険を感じる。
今すぐに逃げ出したい。そんな思いを心に抱きながらメイに目をやる。
逃げるわけにはいかない!!せめてメイだけでも冒険者ギルドに逃げて欲しい…。だがこのヴァンパイアはさっきからメイに目線を向けて俺には目を向けてこない。狙いはメイなら逃がすことが絶望的だ…。
「ヒャハハハハ!!当ったり~!だ~か~ら~その女の血を貰うぜっ!!」
ラウルの足が一歩踏み出した瞬間ホルンの目の前に現れ、いつの間にか鋭くなった爪でホルンに突き刺そうと腕を振り上げた。
「うわぁぁぁぁ!!」
「キャァァァ!!」
ギィイイイン!!
しかしラウルの爪はホルンには届かずきらめく金色の防具に金色の武器を持った男によって止められた。
「すまない、待たせたがもう心配ない!!」
「あ、あなたは…SS級冒険者《黄金》のアルス!?」
その男はサヨキル王国の冒険者の中でも序列3位に入るSS級冒険者《黄金》のアルスだった…。
しかし今日はいつもの毎日とは違うかった。
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「ホルン、ホルン!!いい加減起きなさい!!」
「ん~~、まだ7時だよ…。あと少しだけ寝させてくれメイ。」
ホルンと呼ばれる青色の髪が目の位置まで伸びきった寝癖の多い男は武具ギルドの一員で店を持つことが許された武具職人だ。彼はまだ18と若いにもかかわらず店を持てたのは彼の類い希なる才能のおかげだ。
一方ホルンを起こしに来た緑色の髪をショートカットにしている少女、メイはホルンの幼馴染みでお互いに好意は持っているものの言葉にできなく、ずっと8歳のときから友達以上恋人未満となっていた。
「バカ!!今日もホルンには新しい武具を作ってもらうんだから!!最近、何でもマナリィ王国からS級冒険者が来たらしくて白銀の武具が人気なんだって。」
「…。」
「人が話しているのに寝るなーー!!」
ドカン!!
「痛ぁぁぁぁあ!!何も思いっきり殴らなくてもいいじゃないか!!」
「じゃあなんて話したか言ってみなさいよ!!」
「…マナリィ王国から来たS級冒険者《白銀》のレイがルテア王女が召喚した勇者に勝ったから盛り上がって白銀の武具が流行っているんだろ。まぁ、確かにマナリィ王国の冒険者はサヨキル王国より質が高くてS級なら注目されるのもうなずけるけど1ヶ月でS級冒険者になったってのは信じられないな。」
「ふ~ん、ちゃんと聞いていたのね。ま、とりあえず作りに行きましょ!」
「…りょーかい。」
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「もうそろそろ休憩にしましょ、ホルン!!」
「あぁ、少し休むか…。」
武具を作って3時間が経ち、昼になるころだった。
何か拡大された声が聞こえてくる。
「貴様ら人間共に告ぐ!!私はヴァンパイア族のマーレイ=ブラッドウォンである。本日私達《ブラッド・インベージョン》が貴殿らの領土を全ていただく!!
そのために今から我らの部下が貴殿らを侵略しに行く。
しかし我らも戦闘の意思のない者を殺すつもりはない。だが武器を構えた者は迷わず殺す!!
今から覚えておくといい、貴殿らの新しい国の当主であり、偉大なるヴァンパイア族のマーレイ=ブラッドウォンの名を!!
では侵略を開始する。ぜひとも楽しませてくれたまえ。」
「ねぇ、ホルン。これって…どういうこと?」
「ハハ、どうせ誰かのイタズラだろ。だいたいヴァンパイア族なんて伝説上の生き物だぜ?」
ホルンは胸がざわつく思いを顔には出さず、メイを安心させるべく嘘をついた。
なんだかイヤな予感がするな…。万が一これが本当にヴァンパイアの侵略だとするなら逃げた方がいいのか?いや、ヴァンパイアは武器を構えなければ殺さないと言っていた。なら武器さえ構えなければ助かるのか?
そもそも本当にヴァンパイアの侵略なのか怪しいところだが…。せめてメイだけでも助けなければ!!
「キャァァァァァァァ!!た、助け…て…。」
「な、何!!?」
メイが叫び声のする方に行くのを見て、ホルンも急いで追いかける。そこには死鬼の姿をした者が住民の首筋を噛みちぎり、そこから大量の血が流れるなか、死鬼は噛みちぎった女の血を美味しそうに飲んでいた。
「そ、そんな…うぉえぇぇぇぇぇ…。」
メイはあまりの光景に吐いてしまった。それもそうだろう。噛みちぎられた女はいつも自分たちに優しく声をかけてくれた隣人だったのだ。またホルンも吐き下がする中、メイを一先ず助けたいという思いが吐き下を止めた。
「い、行くぞ、メイ!!」
足が思い通りに動かない中、メイの手を引いて急いで逃げる。
やっぱり、武器を構えなければ殺さないなんて嘘だったんだ!!クソ!どこに逃げればいいんだ!!?王国騎士団はまだなのか!!?…そうだ!冒険者ギルドに向かおう!!そこならば冒険者たちに守ってくれるかも知れない!
「ホ、ホルン…。」
いつもの凜とした態度ではなく弱々しい声だ。メイはそれだけ精神が壊れかけている中、完全に壊れないのはホルンのおかげだった。ホルンがメイの支えであり、希望だった。
「な、なんだ!!?」
「私たちもああなるのかな…。」
「そんなことはない!!今から冒険者ギルドに行って冒険者たちに守ってもらえば俺たちは生き残れるさ!!」
ホルンは不安をぬぐいきれないがメイと自分に言い聞かせるように言った。
冒険者ギルドにさえつけば何とかなるはずだ!!頼む!それまでは何も起こらないでくれ!!
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2人は必死に冒険者ギルドに向かった。冒険者ギルドまであと50メートルというところで1人の男が立っていた。
「よお、旨そうなお嬢ちゃんを連れてどこに行くつもりなんだ?ヒャハハハハ!!マーレイにはなるべく殺すなと言われていたが1人くらいは血を吸っても許してくれるだろ!!」
その男は《ブラッド・インベージョン》の五大吸血鬼の1人のラウル=フレイム。気分屋の性格で《ブラッド・インベージョン》の王であるマーレイでさえ完全にラウルをコントロールすることは出来ない。ラウルは昔、血を求めに人間たちの町に行き、全ての人間を1人残らず皆殺しにしたこともあるくらい獰猛で危険な男だ。
「く、くそ!!お前はヴァンパイアか!!?」
ホルンは向かい合っているだけで身の危険を感じる。
今すぐに逃げ出したい。そんな思いを心に抱きながらメイに目をやる。
逃げるわけにはいかない!!せめてメイだけでも冒険者ギルドに逃げて欲しい…。だがこのヴァンパイアはさっきからメイに目線を向けて俺には目を向けてこない。狙いはメイなら逃がすことが絶望的だ…。
「ヒャハハハハ!!当ったり~!だ~か~ら~その女の血を貰うぜっ!!」
ラウルの足が一歩踏み出した瞬間ホルンの目の前に現れ、いつの間にか鋭くなった爪でホルンに突き刺そうと腕を振り上げた。
「うわぁぁぁぁ!!」
「キャァァァ!!」
ギィイイイン!!
しかしラウルの爪はホルンには届かずきらめく金色の防具に金色の武器を持った男によって止められた。
「すまない、待たせたがもう心配ない!!」
「あ、あなたは…SS級冒険者《黄金》のアルス!?」
その男はサヨキル王国の冒険者の中でも序列3位に入るSS級冒険者《黄金》のアルスだった…。
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コメント
ノベルバユーザー89126
ブラッドインベージョンとかいう微妙にダサい組織名のせいでせっかくの敵の登場シーンが間抜けに感じる