殺せば殺すほど命が増える!!??~命喰らい~

タッツァー

初のクエスト

「ここが《ヴァネッサ》か。」

俺はチューリスを討伐しに《ヴァネッサ》にやって来た。俺以外にも何人か冒険者がいたが全員初心者だろう。動きがいびつで周りが見えていない。
まぁ、今は自分のクエストに集中しよう。

「ん?」

俺の視界に2体のチューリスが目に入った。あれがチューリスか。体調30センチのやや大きめの鼠の姿をしているが明らかに鼠ではない。なぜなら毛の色が緑色をしている。憶測だかこの森の生態ピラミッドの底辺にいるためその身を草木に紛れ、他の生物に見つからないようにしているのだろう。
炎魔法で倒すと討伐した証拠となる部位を持って帰ることができないから今日は剣で狩るとするか。

「チュ!!?」

俺は軽く走ったつもりだがチューリスの目で追うことは出来無かったのだろう、声を出した時にはすでに斬られているのだから。

「よし、持って帰る部位は尻尾だったな。」

チューリスの尻尾に切り取りバックに詰めて次の魔物の元へ向かった。

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「う~ん、そろそろ暗くなってきたし帰るとするかな…。」

俺は何事もなく冒険者ギルドに帰ってきた。冒険者ギルドのドアを開け、中に入る。
ん?あの性格の悪い受付嬢がいないな。まあいいだろう。さっさとクエスト結果を報告してどこかホテルを取ろう。

しばらく待ち、ようやく俺の番が来た。

「本日はどのようなご用件ですか?」

「クエスト結果の報告だ。」

「お名前は?」

「レイだ。」

「…チューリスの討伐ですね。ではチューリスの尻尾を出してください。」

俺は袋にいっぱいのチューリスの尻尾を出した。

「こ、これは…、えっと…少々お待ちください。」

そう言って受付嬢は二階に行き、5人の受付嬢らしきと性格の悪い受付嬢合わせて6人を連れてきた。

「申し訳ありませんがチューリスの尻尾が予想より多かったため時間が少々かかりますがお待ちいただいてもよろしいでしょうか?」

「あぁ、構わない。」

すると周りの冒険者が騒ぎ立てる。

「おい、あいつ何者だよ。チューリスの尻尾を軽く500は超えて持ってきてやがる。」
「あんな仮面やろう俺も知らねぇよ。」
「仮面?……そうだ、仮面やろうっていや今朝、冒険者登録しに来た仮面の男がD級冒険者を一撃で倒したんだよ!!」
「一撃でだと!!!?そりゃ、とんでもないダークホースだな…。」

「へ~、君が噂の仮面男か…。ちょっとはやりそうだね。」

茶髪の髪をした身長165センチくらいの小さな男の子が俺に言ってくる。

「おいおい、C級冒険者の《疾風》のシオンじゃなぇか。」
「バカ、お前知らないのか。昇格試験としてB級のクエストを受け、今日ついに達成して戻ってきたんだよ!」
「ってことは…シオンの奴、B級冒険者になったのかよ!」

へ~、どうでもいいけど早く尻尾の数、数え終わらないかな…。

「へへ、もうそんな情報が出回ってるのか。ま、そんな訳で俺の名前はシオン!宜しくな。」

「あぁ。」

俺はこの時、地図を買いに来たのに冒険者ギルドに興奮して本来の目的を忘れたことを思い出していて、何も聞いていなかった。
まぁしばらくは冒険者として生活するのも楽しそうだし、この国のマジックアイテムをだいたい頂いたらおさらばしよう。

「レイ様、数の確認が取れました。合計で…783個ありました。チューリスの尻尾1個で銅貨1枚ですので銅貨783枚をお受け取り下さい。」

「おいおいマジかよ!!」
「783体もすばしっこいチューリスを倒したって言うのかよ!!」
「こいつは面白いぜ。」

冒険者たちが口を揃えてすごいすごいと言うがチューリスを倒すのに途中で飽きてしまって他の魔物も大量に討伐したことは言わない方がいいな。面倒くさそうで…。

「レイ様はF級への昇格試験としてF級のクエストを受けることが出来ますので。それと、ギルドマスターが上でお待ちですので二階に行ってもらえますがよろしいでしょうか?」

「ギルドマスターが?…分かった、今すぐに行こう。」

「ありがとうございます。ではミナ、ギルドマスターの部屋まで案内しなさい。」

げっ!あの性格悪女に案内されるのか。イヤな予感がするな…。

「はい。ユヤさん。……ではレイ様こちらについて来て下さい。」

俺はイヤイヤ性格悪女の後ろについていった…。

現在の命 1641







~ブラッド・インベージョン(ヴァンパイア)~
「皆のもの、集まったか?」

「何だよ急に呼び出しやがってよ…。こちとら眠いんだよ。」

髪をオールバックにしたスーツ姿で口を開けると鋭い牙を光らせるヴァンパイアの男、ラウルがあくびをしながらそう口にした。

「ほーんと、私たちだって色々あるんだから、マーレイの都合を押しつけないでよ。」

服の面積が以上に小さく、大きな胸を主張するように胸元がバックリあいており、背中はほぼ丸見えの服を着るヴァンパイアの女、アンリが愚痴をこぼす。

「ふんっ…。」

まるで興味のないかのように本を読み続ける眼鏡をかけたヴァンパイアの男、クイが無視する。

「やっときたな!!今回は何事だ!!?マーレイ!!」

熱く燃えている男、ヴバは身長2メートルを超え、分厚い胸板や筋肉で男らしい見た目をしている。

「全員いるようだし会議を始めさせてもらおうか。まず、私の死鬼が数日前やられた…。」

「「「「な、何!!?」」」」

「おいおい何の冗談だよ。マーレイの死鬼がやられただと?あの死鬼たちは一人一人ステータスが最低でも
1000はあるんだぞ?」

「え、ええ。その通りよ。マーレイの死鬼を倒すほどの腕前ということは最低でもB級の冒険者または他の魔族共の仕業でしょうね。」

「俺がそいつを倒してやる!!マーレイどこにそいつはいるんだ!!?」

「落ち着け、ヴバ。他の魔族は我々の動きにまだ感付いていないはずだ。」

「となると人間共の仕業と言うことですか。」

「その通りだ。しかし数は数十人いたのを倒す実力だ。気を付けねばならないな、人間共も………。」

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