Slip~タイムスリップから始まる1つの物語~

オレンジのえんぴつ

第3話 予知と実現(追跡編)

[6.侵入~無計画]
2021年冬>深夜>C研究所付近
着いた…着いた…!
自分でも信じられない。
本当に2021年なのだろうか…?
周囲を見回す…。
山の上にあるC研究所からの眺めは都市全体を見回すことができるのだ。
……(静寂)
いやでも分かった、今が2021年であることが。
やはりひどい光景だ…。
…こんなところに突っ立ってる場合じゃない!早く目標を達成しなければっ!

>C研究所内部
警備システムはいとも簡単にハッキングできた。1世代前くらいだからそれもそうか…。問題はどうやってこの時代から救出するかだ。完成して間も無く、興奮に包まれたままスリップして来てしまったのが唯一の失敗だ。周囲に警戒しつつ、慣れた足取りで研究所の廊下を歩いていく。一応C研究所指定の白衣に似せた意識迷彩服に着替えたものの発見されると怖い。1Fは研究員Tの研究室がある。あの時はTのてばさきのおかげで逃げ切れたのかも…。なんてね。2Fには私とコードネームSが合同で研究していた部屋がある。目標はそこだ。

>C研究所2F廊下
やはりノープランは無理があるか…。研究室2Bから話し声が聞こえる。おそらく昔の私とSであろう。真夜中まで研究室にこもりっきりだったもんな…。昔の私と話す手もあるが…、それはさすがに拒まれる。下手に動くと歴史が変わってしまう。(そもそも歴史を変えかねないことをしようとしているが…)とりあえず話の内容を聞くことにする。Yは盗聴ドローンを飛ばす。Yが休憩がてらコツコツと作ったそれはスムーズに飛行し研究室2Bの壁に貼り付く。
……
Y「…それじゃあ俺はどうしたら…」
S「それは私にはどうにもできないわ。ただ、アレのせいで時間が歪んだのは確かね」
Y?「混乱してきた…俺が2020の人で…」
S「あの人は2021年から一年前に…」
……!どういうことだ!?私のタイムスリップの影響がもう出てしまったというのか…!?
ルルルルルルルル…
…警報?まさか…!もう…!
ドドドドドドド…
間髪を入れず地鳴りのような爆発音が研究所内に鳴り響く________

[7.侵入~使命]
2021年冬>深夜>車内
今、僕らはM兄さんの運転する車に揺られている。周囲には残念ながらまだところどころに空き地が見える。車に乗っているJet、Rom、M兄さんは全員、使命感に燃えていた。RomとM兄さんはともかくJetには生死がかかっていた。M兄さんはヘッドライトを消し、山道に車を入れ、暗い森の中を走っていった。何度か急カーブを走り、M兄さんは車を止めた。
M「乗せられるのはここまでだ。ここからは2人で行ってくれ」
J&R「えぇ!どうしてですか!」
M「シッ!静かに!」
M兄さんは車の右手にある斜面の上を何も言わずに指差した。そこには明らかに悪そうな集団の姿が見えた。Romは小声で聞いた。
R[でもなんでM兄さんはついてこれないんですか?]
J[そうですよ!M兄さんならこんな奴らちょろいですよね?!]
M[それは…ダメだ。あいつらをボコボコにするのはもちろん、ついて行くこともできない。お前らが、やらないと…]
M兄さんの真剣な目を見て、何かを感じた2人は、M兄さんを連れて行くことを諦めた。
J[また…会えますよね…?]
M[突然どうした?]
J[…やっぱりなんでもないです!]
R[もうこんな時間!よし…行こう!]
JとRは裏口からC研究所に侵入した。
すべては計画通りに進んだ。

第4話に続く…

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