Slip~タイムスリップから始まる1つの物語~

オレンジのえんぴつ

第7話 ツナガル『時間』

[20.Y博士の研究]
203X年>ひっそりとした研究所
コンコン…
A「俺だ!入るぞ」
Y「ああ」
A「回路、組めそうか?」
Y「…組めないなんてことはない。こんなところで諦めるわけないだろ」
A「…そうだな…食料はいつものところでいいよな…?」
Y「うん、部品はこっちだ」
…Y博士はここで研究員Aとともにある目的を果たすためにここで研究をしている。主にY博士が作業をし、Aが買い出しに行っている。お金が尽きると近くの農家の作業を手伝ったり、出稼ぎに行ったりした。もちろん、この生活に『楽』という文字はこれっぽっちもなく、常に体力をすり減らしていた。
ある時、Y博士はAに言った。
Y「なぁ。お願いがある。重要な話だ」
A「なんだ?改まって」
Y「もし、この研究がバレたらどうする?」
A「…重要なデータを持って逃げる…とか」
Y「…もし、研究がバレたらデータ、マシンもろとも爆破してほしい」
A「…っ!…それも時間を乱さないためだって言うのか!」
Y「そうだ」
A「…まぁ勝手にしろ。もう一度一から作るのは嫌だからな!」
Y (だよなぁ…そりゃそうだ。私だってそんなことはしたくない…)
この約束から15年後、A研究員は買い出しから帰ってこなくなった。

[21.3時間後の再会]
2020年夏>夜>元中華街
…( ゜д゜)ハッ!
ここは…そうだ!思い出した!なんか光に吸い込まれて2021年に行ってたんだった!…ってそういうノリじゃないな…今日はいくつもの命が消えた日なのだから…
改めてあたりを見回す。この廃墟の中真っ暗は危険だ!早くみんなのところに戻らないと…!
?「…たのー!どこなのー!」
あっ!この声は…!
J「Romー!聞こえる?!ここだ!ここにいる!」
走ってくる音が聞こえる。
R「っ!J!Jetー!」
Rが…泣いている…!
R「ふざけんな!死んだかと思ったよ!」
ごめん…みんな。
でも、自分についての重要な秘密が知れた。

[22.3次元の逃亡]
2021年冬>深夜>C研究所
…なんだったんだ…あの光は…
ルルルルルルルル…
…警報?まさか…!
ドドドドドドド…
間髪を入れず地鳴りのような爆発音が鳴り響いた。
そうか!C研究所に帰って来れたのか!
…いやいや、そんなことより早く脱出しないと!
…Y博士は走っている。
とにかく走っている。
左手は数々の実験データの詰まった記憶媒体を握りしめ、右手は端末を動かす。
走りながら端末でシャッターを開ける。
最新のリニアカーの姿が見える。
シャッターをくぐる…。
……。
…足が動かない。
何か重要なことを忘れている…!
必死になって考える。
…S…。
「Sーーーー!!!!」
次の瞬間、研究所は大爆発を起こした。
Y博士はとっさの判断でシャッターを閉じ、リニアカーに乗り込んだ。
Y博士は…Sを失くしてしまった。

[23.33年後の再会]
2021年冬>深夜>C研究所
爆発音。
く…もうすぐ奴らが来てしまう…!このチャンスは二度と逃せない!
サーバーをハッキングして手に入れたキーを入力しながらさっき盗聴した話を思い返す。
研究室2Bのドアを開けようとした手が止まる。
さっきの奴は誰だったんだ…?聞いたことのある声だったが…。
S「何が起こってるの?!J!どこに行ったの?!」
J…?もしかして…!
__________
「はじめまして!オレはJです!あのー…」
__________
「あっ!すみません大丈夫ですか?!…J!どこ行ってたの!突然いなくなるから…びっくりさせないでよ…」
「イタタタタ…Jですか…?私はJではありませんよ」
「えっ…人違いでした…すみません。似ていたものですから…」
__________
「何が起こってるの?!J!どこに行ったの?!」
__________
…全部…初めから決まっていたというのか…
何もかも…全部…。

ドーン‼
ホールの下からまた爆発音が聞こえた。
なにか叫び声が聞こえる!
はっとして、ホールの上から見下ろすと、ホールの下では2人の少年が戦っていた。
そのうちの1人が叫んだ。
「ここは俺らが止めておくから早く行け!」
その2人の顔は見覚えがあった。
まだ彼は何か言っていたが、Y博士はためらうこともなく研究室2Bの扉を開けた。
Y「Sーー!!!」
彼女は床に倒れて泣いていた。
Y「S!私だ!分かるか?」
S「っ…?」
なぜ分からない…。歳か…?
S「この声は…!どこにいるの?!」
そうか…!Y博士は意識迷彩の付いた白衣を脱ぎ捨てた。
S「Y…!どうしたのその顔!」
Y「私は33年後のYだ!説明は後だ!」
Y博士は白衣を着直しSを抱きかかえる。
…ごめんな。あの時、逃げ出したりして。
33年ぶりに再会できたのか…。そうか…ごめんな。
Y「しっかり捕まってろよ!」
Y博士は2階の窓を割り、そこから飛び出し、タイムマシンに戻った。
だんだん2021年から遠ざかっていく中で、爆発音が聞こえた気がした。
そしてY博士とコードネームSは2054年、33年後に行ってしまった。

[24.4次元の逃亡]
2054年>?>研究室?
本当に帰ってこれるとは…。
ハッとして後ろを向く。
ε-(´∀`; )ホッ
いた…!救出成功…!
33年の努力が報われた瞬間であった。
S「ここは…?」
Y「ここは私がタイムマシンを作った研究所だ…」
Yは語る。33年間を…。
S「今まで…ずっと1人だったの?」
Y「いや…Aがいたけど…」
S「…?」
ピリリリリ
Y「!」
?「どこだー!諦めて出てこい!ここにいるのは分かってるんだ!」
Y[下がってろ!]
YはSに意識迷彩服をかぶせた。
(_・ω・)_バァン
?「やっと会えたな。Y」
Y「誰だ!こっちに来るな!」
?「おーっと、じゃあそこをどいてくれるかな?俺たちはお前の後ろにあるものが欲しいんだ」
______
Y「もし、この研究がバレたらどうする?」
A「…重要なデータを持って逃げる…とか」
Y「…もし、研究がバレたらデータ、マシンもろとも爆破してほしい」
______

Y「…しょうがない」
Y[S!しっかりつかまってろ!]
?「なにをする気だ?抵抗しても無駄だぞ?こっちには人数がいるんだ」
Y博士はダイヤルを回した。
正確に何年に合わせたかは分からない。
常備していた爆弾を握る。
ピンを抜くと同時にボタンを押した。
?「おい!まさか…!」
Y「これは誰にも渡さん!!」
近くのデータの詰まったサーバーに向かって爆弾を投げつける。
あたりに爆風が広がると共に、奴らと懐かしき研究所がだんだんと薄くなり、やがて消えていった。

第8話に続く…

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